日常
人物紹介
ユーリ
面倒くさがり屋で日影や涼しいところが好きな14歳の青年
白い髪に黄緑色の目
テオ
面倒見がいい皆のなだめ役の15歳の青年
薄紫の髪に濃い紫の目
ネモ
しっかり者で背伸びがしたいお年頃の11歳の女の子
青い髪に水色の目
ガウラ
活発で元気で生意気な10歳の男の子
白い髪にピンク色の目
シスター
孤児を拾ったりして教会孤児の世話をしている女性。
4人以外にも拾って育てていたが、独り立ちをして稼いだお金を教会に寄付してもらって生計を立てている。(古い教会であまり人が訪れない為)
どうしてこうなったんだろう…
何も悪い事はしていないじゃないか…
僕たちはただ、いつも通り過ごしていただけだったのに…
ああ、この世は非情だ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
テオ「ユーリ!またそんな所で寝てー!そんな日陰に居ると風邪ひいちゃうよー!」
大きな声でテオが叫んでいるのを横目で見ながら欠伸をする。欠伸を見たテオはしょうがないなといった風に肩をすくめて俺の近くまで駆け寄ってきた。
テオ「そんなに日陰がいいのか?こんなにいい天気なんだからネモやガウラと一緒に遊ばないか?」
ユーリ「面倒くさがりの俺にわざわざ言ってくるなんてお前ぐらいだぞ。昨日眠れなくって今眠いんだよ…いいだろ?」
テオ「お前、昨日も昼寝てただろ。完全に昼夜逆転してるぜ。ほら!立って行くぞ!」
無理やりにでも立たせられネモとガウラの元に連れて行かれる。
ユーリ「わわっ!行くって!行くから引っ張んなよ!歩けるからさ!」
テオ「そうか。悪かったな。じゃあ行こうぜ!」
面倒見がいいテオは俺を見逃せないのもあるだろうが、年下ネモやガウラを気にかけている。俺も気にかけていないわけじゃあないが、こいつは特に面倒見がいいんだ。
そうして、2人で広場に歩いて行くと
ガウラ「テオ兄にユーリ兄!遅いぞー!!僕すっごいまったんだからねー!!」
ネモ「ちょっと、ガウラ!そんな風に言わないの!テオ兄さん、ユーリ兄さんを連れてきてくれてありがとう!」
ガウラ「えー!だって実際遅かったんだもん!!テオ兄にユーリ兄!また鬼ごっこしようぜ!!今度こそ負けねーからな!!」
ユーリ「おー、また俺に勝とうとしてるのかガウラは。また返り討ちにしてやるぞー」
ガウラ「むー!寝坊助のユーリ兄には負けねーぞ!昨日と一緒だと思ったら違うんだからな!!」
ユーリ「おうおう、威勢がいいようでなによりだな」
テオ「ユーリ、そんなに煽らないの。ガウラも挑発に乗らない。ネモに怒られるぞー」
ガウラ「えー、ネモ姉怒ると面倒くさいんだよなー」
ネモ「ガウラ!そんな事言ってるとまた怒るわよ!」
ガウラ「ぎゃー!ネモ姉が怒ったー!ユーリ兄にテオ兄僕を庇えー!」
ネモ「また兄さん達にそんな口調で!こら!ガウラ!兄さん達に隠れてないで出てきなさい!!」
ガウラ「わー!本当に怒ったー!逃げろー!!」
ガウラがネモに背を向けて走り出し、その背中をネモが追う。
テオ「あいつらはいつもおんなじ事やってるなー。おい、ユーリ追うぞ!遠くまで行ったらシスターに俺らまで怒られる」
テオがそう言って2人の跡を追った
ユーリ「ったく… しゃーねーな!」
いつものその光景に思わず笑みがこぼれる。
面倒だと感じるが心地良く、孤児の自分達がここまで自由に伸び伸びと過ごせているのはシスターが育ててくれているからだ。
面倒見のいいテオ、やんちゃな末っ子ガウラ、背伸びしてお姉ちゃんになろうとしているけど賢いネモ、そして面倒くさがりだけど、なんだかんだで皆といると心地良く感じる俺、皆を助け、拾って、育ててくれたシスター。
この日がずっと続けばいいのに…