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ネクロマンサー異世界旅行記  作者: エンペラー
5/9

5話狙撃手

遅れてごめんなさい、受験まで2週間を切ったんです。でも受験終わり次第投稿ペースを上げるつもりです。(多分)

 荒廃したビル群に少し背の高い黒髪の少年と、馬乗り袴と呼ばれる和服を着たこちらも黒髪の少女が、ある物を取り囲むようにして立っていた。


「ナニコレすげー」

「プレーンスケルトンじゃのぅ」

「なんですかプレーンスケルトンって?」

「名前の通りで人型ならどんなアンデッドにでもなれる可能性があるスケルトンじゃ」

「一番ベタなスケルトンってことですか?」

「そうじゃ。そして最も弱いアンデッドの一種じゃ」

「最弱ってことですか?」

「うむ。じゃが1体だけならお主が細かく操れるから今までの技術が使えるはずじゃ」

「それほんとですか!じゃあちょっとやってみますね」


 白蛇はプレーンスケルトンに意識を集中させる。

 すると視界が歪み鬼姫が大きくなったように見え、自分が見えてきた。


「すげー、何これ!」

「これがお主の能力じゃ、アンデッドの五感から行動まで事細かに操れるぞ」

「でもなんかコレ酔いそうですね」

そういい白蛇は視界を元の戻した。

「これ凄いですね!」

「こいつは人型じゃが他にも色んな奴がおるんじゃ」

「へぇー他にどんなのがあるんですか?」

「そうじゃのぅ……鳥や虫、悪魔やドラゴンのアンデッドなんかも召喚出来るらしいのぅ」

「それいろんなこと出来そうですね!」

「うむそうじゃのぅ……そういや奴も色んなことしとったのぅ」

「奴って誰ですか?」

「ああそうか、お主は知らんのか。まぁ簡単に言うと妾の相棒じゃな」

「鬼姫に相棒っていたの!?」

「うむ、妾の相棒もお主と同じネクロマンサーじゃったんじゃ」

「ネクロマンサーだったんですか、その相棒ってどんな人だったんですか?」

「そうじゃのぅ、彼奴(きゃつ)はお主によう似とってのぅ、今こうやってお主と一緒におるのも彼奴(きゃつ)のおかげかものぅ」

「鬼姫に相棒がいたなんて意外ですね、何か他に特徴みたいなのないんですか?」

「そうじゃのぅ、性格はお主と似とって優しい奴じゃったが刀を持つと性格が変わるんじゃ」

「どんな風に変わるんですか?」

「簡単に言うとな、荒々しくなるんじゃ。妾がいうのもあれじゃが、まるで鬼の様じゃったらのぅ」

「そんなにすごいんですか?」

「うむ、鬼でもないくせに妾より攻撃的な動きじゃった、じゃが動きは妾と同じぐら

い良かったのぅ」

(鬼姫(キキ)と同じぐらいぐらいって軽く言ってけど相当やばいな……)

「でも珍しいですね鬼姫がそんなに人を持ち上げるなんて」

「まぁ相棒じゃからのぅ」

「なんか良いですね。すっごい楽しそうじゃないですか」

「そうかの?まぁそんな事はいいんじゃ。せっかくこの世界に来たんじゃ、街でも見ていかんかの?」

「おっ、良いですね。異世界の街を観光したことある奴なんてほとんど居ませんよ!」



◇◇◇


「……えーなんか思ってたんと違う」

そこには中世ヨーロッパのような街並みが広がって──いない、中世ではなく現代のヨーロッパの街並みに近く、街灯や車のようなもの、身近なもので言えば街灯や電光掲示板らしきものが見えた。

「コレどうなってるんですか?ヨーロッパっていう点は完璧なんですけど中世じゃなくて時代背景がなんで現代何ですか!」

「そんなこと妾に言っても仕方ないじゃろ。それになんかは手で洗うしかないし洗濯とか掃除も箒とかしかないぞそれに料理とかをするには薪を割るところから初めてにゃならん。とんでもなく面倒くさくなるぞ」

「あー……確かにそれはめんどくさいですね。でも異世界と言えばやっぱり中世ヨーロッパじゃないですか?」

「確かにそのパターンが多いのぅ。じゃが実際に中世ヨーロッパなら拷問やら魔女裁判、これは今でもあるが処刑。とんでもない額の税金。そんな世界では妾は生きていける気がせんのぅ。まぁ、良い面だけじゃなく悪い面も見るんじゃな」

「確かのそうですね。理不尽に魔女裁判とかにかけられたらやってられないですよ」

「そうじゃろ、それに妾らが愛してやまないゲームが無くなるぞ」

「ゲームがないと持って1週間でしょうね」

「じゃろつまりは現代最強じゃ」

「よく考えるとその通りですね。そう思うと中世じゃなくてちょっと良かったかもです」


 そんな雑談をしながら歩いていると鬼姫はアメリカのガンショップような建物の前に立ち止まった。


「何処なんですかここ?」

「まぁ武器屋じゃな。よく妾が通ってた場所じゃ」

「よく通ってたってそれ何年前の話なんですか?」

「細かくは忘れたが最後に来たのは400年ぐらい前じゃったかのぅ」

「400年前って超老舗ですね!」

「ああそうじゃのぅ……妾が通う前からこの店はあったのぅ……何年武器屋やっとるんじゃろ……まぁよい中に入ることにするかのぅ」


 中に入ると耳の尖った白髪のお爺さんがが椅子に座っていて、銃らしきものの手入れをしていた。


「いらっしゃいませ」

嗄れた声で老人が挨拶をする。

「久しぶりじゃのぅ」

「はて、儂にこんな可愛らしい知り合いなんておったかのぅ?」

「まぁかれこれ400年会っておらんからのぅ、いいかの妾の名は鬼姫じゃ」

「もしや鬼神(おにがみ)の鬼姫か?」

「そうじゃ。妾こそが鬼神とまで呼ばれた鬼姫じゃ」

「ねえ鬼姫……。いったい何したらそんな二つ名が付くんですか?」

「そうじゃのぅ、一番大事になったのは相棒と国を3つほど落としたときかのぅ」

「ほんと何してるんですか!」

「ちょっとイラッとしたからのぅ」

「イラッとしたって理由で国滅ぼされるなんて怖すぎですよ!」

「そうかの?大概そんな国には魔王軍が絡んどったからそんなに怒られなかったぞ」

「そんなにって、ちょっと怒られてるんですね……」

「いろいろぶっ壊したからのぅ」

「むしろ、ちょっと怒られるだけでよくすみましたね」

「まぁいくら怒っても聞かんと思ったんじゃろ。まぁ聞かんがな」

「いやしっかり聞きましょうよ!」

「まぁこんな話なんかするより店を見るとするかのぅ」

「……話流しましたね」


「店長、まだお札って置いてあるかの?あと筆じゃのぅ」

「はいはい、筆と札ですね有りますよ」

「ねえ鬼姫、札は分かるけど筆って何?」

「あぁ、コレは魔力を込めやすい素材を使うことで魔法陣やお札の効果を上げられるんじゃ」

「なんか奥が深いですね」

「鬼姫さんが使われてたものってコレで合ってますか?」

「おお、覚えとったのかの!」

「鬼姫さんがいなくなってから大ブームが起きましてそんでで覚えてたんですよ」

「そんな事があったんかの。妾もその時もこの世界に居ればよかったのぅ」

「大ブームが起こるってマジで凄いですね」

「そりゃあこの国の英雄とまで呼ばれとるからのぅ」

「英雄……かっこいいですね」

「じゃろ、まぁそんなことはどうでもいいんじゃ所詮過去のことじゃ、ほれ武器屋なんて他に無いじゃろうから妾と一緒に回らんかのぅ」

「喜んで!」


◇◇◇


 鬼姫と白蛇が店に入る少し前からその行動をスコープから覗いている者がいた

「ヤッホーヴォルペ、聞こえてるかにゃ?」

 猫耳のフードをかぶった少女が、8階建ての屋上に寝そべってスコープをのぞいている。その左手にはトランシーバーのような魔道具が握られていた。

「大丈夫や。聞こえとるで」

「オッケー。今鬼姫とその連れが武器屋に入ったところにゃ」

「了解や。店から出てきたときは頼むで、しっかり頭ぶち抜いてくれや。……まぁそんくらいじゃ死なんと思うけどな」

「そんにゃわけにゃいじゃん。だって相手も生き物だよ」

「そうやとええねんけどなぁ……まぁ緊張して外すなや」

「こんな的を外すわけにゃいじゃん」

「慢心してると外すんやで。あと鬼姫は察知されてたら弾避けよるから気ぃ付けや」

「実際そんにゃ事出来るのかにゃ?」

「お前信じて無いやろ。俺が若い頃の話やけどあいつこの国の特殊工作部隊を単騎で壊滅状態にまで追いやったんや」

「えぇ〜そんにゃ事あったのかにゃ?」

「言っとくけどコレホンマの話やからな」

「シャレににゃらにゃいね」


余裕に満ちた笑みを浮かべて猫耳パーカーの少女はビルの上から狙いを定める


◇◇◇


鬼姫は白蛇と見ていた商品を棚に戻し白蛇に告げる。

「……お主よ、落ち着いて聞け」

「どうしたの鬼姫?」

「おそらくじゃが妾達狙われとる」

「誰に?……ってかなんでですか?」

「誰が狙っとるのかは知らんが、誰が依頼したのかは推測がつく。まぁ秘密じゃがのぅ」

「えぇーそれ俺も一緒に狙われててるんですか?」

「そうじゃろうな。まぁ安心せいお主の再生能力じゃ死なんと思うぞ」

「でも痛いじゃないですか。ってか何処から狙われてるんですか?」

「いいかの絶対今から言う方向を見るんじゃないぞ」

「わかりました、絶対見ません」

「そうじゃといいんじゃが……入り口の窓から見て左側に……高さ的に8階ぐらいじゃろうか……まぁの建物があるじゃろ、そこの屋上から狙撃銃で狙われとる」

「スナイパーですか……。どうするんですか?」

「近づいて斬るしか無いじゃろうな」

「やっぱりですか……で、距離で言うとどのくらいですか」

「細かくはわからんがざっと600メートルぐらいじゃろうな」

「木刀持って中距離走ですか……きっつ」

「なぁに身体強化魔法を使えば疲れんよ。後はぶっ飛ばせば終わりじゃ」

「まぁ鬼姫がいるたらすぐ終わりそうですけど、俺が仕留めてもいいですか?」

「いいがどうしたんじゃ?」

「いえ、日本ではそんなに戦う機会がなかったんで自分の実力が知りたくて」

「なるほどのぅ……いいじゃろじゃが少し待っとれ」


 そういうと鬼姫は店主に銀貨を3枚渡し、店の奥で札に筆で何か書き始めた。

「何してるんですか?」

「呪符って知っとるかの?まぁ簡単に言えば札じゃ、コレを使えばお主の貧弱な魔力出力でもまともに戦えるぐらいの武器強化魔法がかけられるんじゃ」

「えー……簡単に言うとそのお札を使えば俺でも戦えるぐらいには武器強化魔法が使えるってことですか?」

「うむ、そういうことじゃ」

そう言って鬼姫はまたサラサラと2枚の札に模様を描く。

「うむ、まぁこんなもんじゃろ」

「へぇなんか魔法陣みたいですね」

「まぁ方法はほとんど一緒じゃからのぅ」

「へぇそうなんですね」

「あとはコレにちょっと装飾を入れるんじゃ」

 そう言って札の真ん中にわざと作って置いた空白に部分に【攻】の文字ともう一つの札に【守】の漢字を入れる。

「良いですねそれなんかかっこいいじゃ無いですか」

「じゃろ、コレは妾が呪符を使い始めた時から絶対に漢字を入れとるんじゃ」

「いいですねそれ」


そんな雑談をしてる間に鬼姫はゲートから白蛇の木刀を取り出した。そしてその木刀の柄にさっき作った札を巻きつける。


「ほれ、お主よ少し魔力を込めてみぃ」

「わかりました……こんな感じですか?」

そうやって白蛇が魔力を込めると木刀がの刀身が赤いオーラに包まれた。

「おお!さっきやったときと色が違う!」

「うむこんなもんじゃろ。コレで外の敵を倒すには十分じゃろ、後は【守】の札じゃな」

「【守】の札ってどんな効果なんですか?」

「耐久力を上げる効果じゃな。お主の小太刀に巻き付ければ大概の攻撃は弾けるぞ」

そうう言いながら鬼姫は小太刀に【守】の札を巻き付けた。

「ほれコレも同じように込めてみぃ」

「了解です」

すると今度は色は薄い青だがオーラが纏まって流れのようになっている

「なんかビームサーベルみたいですね」

「さて、妾も準備をするとするかのぅ」


そういい鬼姫がまたゲートに手を伸ばす。そして鬼姫は黒い鞘に金色の桜の描いてある日本刀を引っ張りでした。

「その刀かっこいいですね」

「まぁ妾の愛刀じゃからのぅ。かっこいいに決まっとるじゃろ」

「おやおや鬼姫さんまた始めるんですかな?」

「あぁ、店長か。どこの誰かは知らんが妾を狙っとる奴がおるらしくてのぅ」

「ほうほう、それは大変ですね。あとお願いなんですがわしの店を壊さないでほしいんじゃよ」

「了解じゃ、コレが終わったらお詫びにまたここに来るとしようかのぅ」

「では、くれぐれも気をつけるんだよ

「うむ」

 そう言って鬼姫はまたゲートに手を伸ばし今度は和弓を引っ張り出した。

「いいかお主よ。おそらく相手はここから出た瞬間に攻撃を仕掛けてくる、それをお主がその木刀で弾け。そのあと妾が位置を割り出しこの弓で反撃に移るなぁに安心せい恐らく妾の攻撃は無効化される、後は追いかけてお主が斬ればよい」

「いや簡単に言いますけど狙撃を弾くって普通無理ですよ」

「お主には鬼の眼があるじゃろ。あれなら多分見えるぞ。それに最悪はお主に当たってもそこまでのダメージにはならんじゃろ」

「そうですけど……。わかりましたよそのかわり絶対俺が仕留めますからね」

「うむ、いいじゃろう」

「じゃあ行きますか」

「そうじゃのぅ」


そう言って白蛇はカッと目を見開いた。その目は黄色に染まってゆく。











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