2話魔法についての勉強会
あたりを見渡すとどうやらさっきまでいた神社とは別に場所らしい
「やっと起きたかのぅお主よ」
そこにはいっつも見ている黒髪和服を着た天使のようなロリっ子が立っていた
「鬼姫キキが神社を背景に立っているといつもより可愛く見えますね」
「全く、妾が可愛いのは痛いほどわかるがわかるんじゃが、この世界での一言目がそれでいいんかのぅ」
やれやれと鬼姫が首を振る。
「そりゃあ事実すぎて面白みのない発言ですけど……え?さっきなんて言いました?『この世界』ってなんですか?死んだんですか?天国ですかそれとも地獄ですか?」
「一度落ち着くんじゃ、さっき起きたことを思い出せい」
少年は今までの記憶を少しずつおもいだす。
(さっきまで鬼姫と神社で将棋してて……あれ?)
「アレレ?……マジデココドコ?」
「カタコトになっておるぞ」
「あっ!すいません、てかここどこなんですか?」
「ここかのぅ、ここは妾の地元と言えばいいのかのぅ」
「いやほんとに何処だよー」
「正確な場所を説明するならフィーレメント帝国の外れにある妾の神社の1つじゃ」
「いやどこだよフィーレメント帝国!しかもあなたの神社いくつあるんですか!」
「妾は昔結構有名じゃったからのぅ」
「……ていうか外で話すのもアレなんで神社入りましょうよ」
「それ妾のセリフなんじゃないかのぅ」
そんな話をしながら二人は神社に向かった。
「そういやフィーレメント帝国ってどんなとこなんですか?」
「フィーレメント帝国じゃな、魔法と科学の国じゃ、魔法があるお陰で色々な変化があるが基本的には元の世界にあったもには大概代用できるぐらいの科学大国じゃ」
自慢げに鬼姫が説明する。
「すごいロマンあふれる国だね」
「そうじゃなぁ異世界に来てもゲームができるのはポイント高いのぅ」
そんな会話をしながら神社に入ると白蛇は驚いた、汚い、あまりにも汚すぎるのだ。畳には穴が空き障子は破れ木枠だけとなり壁にはびっしりと苔やらツタやらが絡み付いている。
「この神社何年放置したらこんなことになるんですか?」
「大体2、300年ぐらいかのぅ」
「今から約300年分の汚れを落とすんですか?」
今誰が見ても表情でわかる白蛇の今の感情はめんどくさいだ。
「なぁーにここは魔法が存在する世界じゃぞ」
「何かいい魔法でも有るんですか!」
まるでクリスマスの朝の子供のような顔をしながら聞く。
「ああ勿論じゃ」
そういうと鬼姫は空中に手を掲げ大きな円を描いた。すると円を描いたところから墨で書かれた様な時計の文字盤が浮かび上がる
「うわぁすげーめっちゃかっこいいじゃん!」
「お主よ、魔法の凄さはここからじゃぞ」
すると描かれた時計の針が逆回りに回り出す。コチコチコチという音ととも逆再生した動画のように神社が綺麗になっていく。
「なにこれ、お掃除魔法?」
白蛇が目を輝かせる。
「これは時間を巻き戻してるんじゃよ」
「なにそれすげーパネェーヤベーかっけえー」
「語彙が女子高生みたいになっておるぞ」
そんな雑談をしていると神社はほぼ新築と言っていいほどの輝きを放っていた。
「これ、元の世界の神社より綺麗になったんじゃないですか?」
「そりゃ建てられてまだ1分ぐらいまで時間を戻したからのぅ。まあそんなことよりさっさと上がるんじゃ」
「ではお言葉に甘えて」
そういい白蛇は神社に上がった。すると鬼姫は前にも使った黒い霧に中から座布団とちゃぶ台よっこらせと取り出した。
「それめっちゃ便利ですね」
「そりゃ世紀の大魔法じゃからな」
よっこいしょと言いながら鬼姫は座布団に座る。
「さぁてお主よこの世界に来てしまったがどうする?」
「この世界ですべきこととかってあるんですか?」
「特に無いのぅ、まさに自由じゃ」
「じゃあ何かこう目標になるようないいの無いですか?」
「革命とかどうじゃ?」
「レボリューション?」
「なぜ英語にしたんじゃ。まあそうじゃれぼりゅーしょんじゃ」
「それ日本だと下手すりゃ死刑なんですが……」
「なぁに革命軍と帝国軍が多分今も戦っとるぞ」
「この国内戦が起きてるんですか!?」
「そうじゃ、その革命軍にはいってはみんかのぅ」
「なんか楽しそうですね」
「意外じゃのぅ、もっと怖がると思ったんじゃが」
「鬼姫さんがいれば基本死なないですから」
「うーむたしかのそうじゃな」
「でもどうやって戦うんですか?」
「魔法じゃ」
「おぉ!魔法これぞ異世界」
「さて、お主よ魔法が使いたいかの?」
いたずらっぽい顔で鬼姫はニヤける。
「異世界に来て魔法を使いたくないなんていう奴はきっと居ませんよ」
「魔法、使いたいんじゃの妾に任せるんじゃ!」
そういうと鬼姫は大きめの黒い霧を出現させた。そしてその黒い霧の中に両手を入れなんと黒板を取り出したのだった。
「いやなんで黒板」
「魔法の勉強をするからじゃよ」
「てか黒板どこから持ってきたんだよ!」
「これかの?これは私立中学の学園長の吉田に貰ったんじゃ」
「いや誰だよ吉田」
「今75歳の学園長じゃ」
「800年も生きてると人脈って広がるんだー」
「どうじゃすごいじゃろ」
「なんかお婆ちゃんみたいですね」
「まだピッチピチの800歳じゃ」
「いや800歳はヨボヨボじゃね?」
「1周回ってピッチピチじゃ」
「1周どころか3周ぐらいしてそうですね」
「さあそろそろ……勉強の時間じゃ」
「まず魔法というのは1種類だけじゃないんじゃ」
「雷魔法とか炎魔法とか水魔法とかですか?」
「全然違うぞ、魔法には大きく分けて3種類あって人格魔法、種族魔法、基本魔法の3種類があるんじゃ」
「へーなんか難しそうですね」
「そんなことないぞ、魔法ってのはだいぶ簡単にできとるんじゃ」
「そうなんですか?」
「そうじゃ、まあ解説してやるから聞いておれ」
「はーい」
「まずは人格魔法、これは魔法を使う人のイメージや人格などが反映される魔法じゃ、だから人によって大きく力が変わってくるんじゃ」
そう鬼姫はサラサラと黒板に文字を書きながら説明する。
「鬼姫にもあるの?」
「妾の人格魔法はたくさん有るがよく使ってたのは黒炎という刀の刃に黒い炎を纏って切るやつじゃな」
「なんか中学生2年生が好きそうですね」
「うるさいわい」
「じゃあ種族魔法って何ですか?」
「種族魔法というのはじゃな、鬼とか人とか、ドラゴンとかまあ何でも良いがその種族のみが習得できる魔法じゃな、まあ簡単に言うとポケモンの特性みたいなもんじゃ」
そう言いながら鬼姫は黒板にポケモンの絵を書き出した。
「あー、能力系漫画の能力みたいなもんですか?」
「まあ、そんなもんじゃろ、話が逸れたが妾の鬼の眼とか、鬼化とか、不老不死とかじゃのぅ」
「でもさ、鬼姫俺鬼に眼使えるんだけど……」
「それは妾の力の一部をお主に移植したからのぅ、一部の能力は移植や継承なんかができるやつもあるぞ」
「へー、じゃあ最後の基本魔法って何ですか?」
「基本魔法ってのは一番単純じゃ、練習さえすれば誰でも使える魔法じゃ。さっき使った物の時間を戻す魔法とかもその一つじゃ」
「でも元いた世界の生き物には魔力がないとかなんかで魔法使えないんじゃなかったけ?」
「そうじゃよだがお主はもうこっちの世界の人間じゃろ」
「それどういうことですか?」
「お主はこの世界の人間じゃないじゃろ?」
「はい」
「だがこの世界の人間以外はこの世界に存在してはいけないんじゃよ」
「つまり僕はいないはずの人間ってことですか?」
「まあそんなもんじゃよ、そして本来いないはずのものがあるとこの世界にあるもので近いものに書き換えられるんじゃ」
「へー、じゃあ俺も何か別のものに変わってるんですか?」
「そういうことじゃ」
「でも体には変化が無いですよ」
「もしかしたら妾のような鬼になったのかもしれんな」
「でもそれどうやって調べるんですか?」
「血を使うんじゃよ」
「血ですか?」
「そうじゃ」
そういうと鬼姫はまたゲートから針と平らな黒い石版を取り出した。
「何ですかそれ?」
「これは血を使って種族や魔力量、他にも色々調べれる魔道技じゃ」
「なんか便利そうですね」
「これが300年前からあるから魔法もあなどれんのぅ」
そういうと白蛇の指に針を突き立てた。
「痛ッ……せめて行きますよ、とか言ってくださいよ」
「何か言うとお主は絶対やらせてくれんじゃろ」
血の付いた針を黒い平らな石版に一滴垂らした。すると何も書いてなかった石版から青く光った文字がサラサラと書かれ始めた。
「うおっすげーこれぞ魔法って感じだよ!」
「そりゃ魔法じゃからのぅ」
白蛇の指から流れていた血が止まり傷が消える。
「あれ?指の怪我治ってない?」
「ちょっと待つんじゃいま読み上げるから」
鬼姫が石版に書かれた青文字を読み上げる。
「ほーこりゃ面白い」
「なんて書いてあるんですか?」
「《ネクロマンサー》」
「《ネクロマンサー》?」
「嗚呼、《ネクロマンサー》ってのは魔法で作り出したアンデッドを兵隊で戦う最上位アンデッドの一種じゃよ」
「俺死んで無いのにアンデッドになったんですか?」
「そう言うことじゃな」
「俺はニンゲンを辞めたぞぉぉぉぉおお、ジョジョォォォオオ」
「ジョジョ好きじゃのぅ」
「まさかこのセリフを現実で使うとは思ってなかったですよ」
「まさかお主がアンデッドとはのぅ」
「そういやアンデッドってどんなものなんですか?」
「魔力を使ってどんな傷でも直す不死身と言っても過言じゃ無い存在じゃ」
「最強じゃ無いですかアンデッド」
「そうとは限らんぞ、なんせ魔力が無くなる=死じゃからのぅ」
「そういや俺の魔力量ってどれぐらいなんですか?」
鬼姫が石版をタブレットのようにスワイプして青い光る文字を滑らせる。鬼姫が文字に目を通していく。
「こりゃ驚いた」
「どのぐらいあるんですか?」
「妾の8倍くらいじゃ」
「いや鬼姫の魔力量ってどの位なの?」
「この世界の上位0.05%ぐらいじゃ」
「それってすごくないですか?」
「妾が見たことあるやつでもここまでのやつはおらんかった。」
「おお……これでこそ異世界転生系主人公って感じですよ」
鬼姫はさらに石版の文字を読み上げる進める。すると鬼姫の表情がどんどん緩んでいく。
「クックックカカカカカこりゃ傑作じゃ」
「ど……どうしたんですか?」
「最大瞬間魔力消費量が平均の3分の1しかないんじゃ……クカカカカカ」
「そ……それって……」
「魔力量多いくせに火力が全然無いんじゃ、まさに宝の持ち腐れじゃな」
「どぉぉぉおおおしてだよぉぉぉぉおおおお」




