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3/6

ヘビのお兄さんが言った事が大事


(ハーちゃんが(たの)しいと思ってくれますように。)


ボクは池の近くにいるはずのコマドリさんを探しました。他にも色々お願いして回って行かないといけません。


やがて準備(じゅんび)が終わる頃には空が赤くなる頃になっていました。



広場は大きな木の根がたくさんあって(かく)れるところがたくさんあります。

ボクは準備(じゅんび)完了(かんりょう)したのを教えてもらうと始めてもらうようにお願いしました。


まずはコマドリのお姉さんの歌が広場に(ひび)きました。

そして狸の腹太鼓(はらだいこ)が鳴るとカエルの合唱(がっしょう)が始まりました。


なんだなんだと何匹かの動物たちが木の根の(かげ)から出てきました。楽しい音楽にみんな(おど)り始めます。



そしてボクはその中に彼女がいるのを見ると近づいていきました。

近くまで行くと彼女は少し後退(あとずさ)りして(はな)れます。


ボクは脚を止めて言いました。


「ハーちゃん、一緒に(おど)って欲しいんだ。ダメかな?」

「なんで?近寄(ちかよ)らないようにって言ったじゃない」


ボクはチクリと心に(とげ)()さるにを感じながらやっぱり言いました。


「ハーちゃんと一緒に(おど)るときっと楽しいと思ったんだ。だから色んな人にお願いしたの。」

もじもじとした手つきで手を洗うと、しっかりと手を伸ばして言います。


「あーくん・・」

ボクは彼女の手を取るとボクの胸元(むなもと)()してある花を取って彼女の頭に(かざ)りました。コマドリのお姉さんからのアドバイスで池のほとりで見つけた小さな花でした。


「似合うよ」

お姉さんのアドバイス通りの言葉でしたが、彼女はちょっと怪訝(けげん)な顔をしています。


「誰かに教えてもらったでしょ」

(するど)い。彼女のハリと一緒で(するど)い。


「えっと・・・、ごめんなさい。」

上手(うま)くいかなかったみたいで、落ち込んだ顔をしてると、不意(ふい)に彼女はボクに手を取りました。


「まぁいいわ、60点。」

「えっ?」


彼女はボクの手を引いていきます。

(おど)るんでしょ、いきましょう。」


引っ張られて後ろをついていくようになっているボクは時折(ときおり)ハリが()さっています。


「イタイ、(いた)いよハーちゃん。」

「これぐらい我慢(がまん)なさい。男のコでしょう?40点。」

下がりました。やっぱりボクの点数みたいです。


「うん、我慢(がまん)する。」

「ヨシ」



ボクはこの日とても楽しく過ごしました。

彼女もそうだったらいいなと思って点数を聞いたら「及第点(きゅうだいてん)」を(もら)いました。


それを聞いて、結構大変(けっこうたいへん)かも、と思っていると彼女は言います。


「やっぱり生活には、“ハリ”がないとね。」


戸惑(とまど)った顔のボクに彼女はウインクした後、100点満点の顔でニカっと笑いました。



終わり





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