2-1-5 名前2
「では-----どうすれば」
「我々も-----でき得れば-----
製作者のつけた名で-----
呼びたいですし。
勝手につけて
後で本当の名がわかれば。
やはり-----」
「後で記者会見を開いて
訂正となれば-----」
「そのあたりの事情や
苦労のわからない者たちに
何を言われるか」
「幹部の誰かが。
また頭を-----」
「それはあるか」
“自衛隊も大変だ”
「怪獣の名前など
ヒマな上層部が勝手につければと
思っていたが」
「それは-----」
「やればえらいことに」
「そうだなあ。
だったら専門家会議でも開いて」
「そこでつけるという手も」
「あるわけか」
「しかし怪獣の名をつけるためだけに
専門家会議をつくるわけか」
「イヤ-----もちろん対策も。
ついでに------」片隅で誰かが。
その手のキワモノ映画では
あまり有効な手は-----。
名前付けがメインのモノも。
ケース・バイ・ケースか。
「専門家会議か。
その手の○○モノでも-----
よくある-----
パターンか。
イヤ-----ないのか。
どうしてだろう」誰かがヒソヒソと。
「それはありますか。
マアその手の○○映画では-----
その点ついてはあまり。
そのあたりが
現実とその手のモノの差ですか。
その他の点でも
現実とその手のモノとは
明らかに違うところも
多々あります。
現実に怪獣を造るとなると
どうしますか。
充分それらをふまえた上で
造らなければなりませんし。
そのあたりのギャップを
どう埋めていくか。
その上で
現実に造った怪獣を、
その手の○○モノに出て来る怪獣に
どうやって近づけていくかが
大変なわけです。
その点をよくよく考えていかなければ
“こんなもの怪獣じゃない”
と手きびしい方々に-----」
「そうなりますか」
「どこかの○○番組で
その手の厳しい方々にですか」
「実際造るとなれば」
「怪獣を」
「イロイロ大変なわけだ」
感心したように。
「それで
いろいろと
アアでもないコウでもないと
考えたわけです。
私もモンローも
自分のつけた名前で呼んで欲しいですし」枠沢。
「我々も-----もちろん。
その方が」
下手に名をつけると
後で-----。
“名前一つをとってもここまで
やはり大変なんだ。
実際に怪獣を造るとなると”
あらためて-----枠沢を
感心したかのように。
「それにはどうすればいいのか。
今回のように資料を配るか。
みなさんに。
それとも-----」
「なるほど-----。
そうすればいいわけか」
「しかしです。
その手の○○モノでは
そのような事は。
資料を全ての怪獣について
配るというのは」枠沢。
「ないですか」
「はい。
まあ-----しかし今回の場合
その手もアリかな-----
とも思ったのですが」枠沢。
「どうして」
「イエ。
科学者が大量に怪獣を造ったのですから
その手の○○モノでも。
そういう場合ならば
全ての怪獣の資料がそろっていても」枠沢。
「なるほど確かに」
「イヤその場合
そろっていない方が
おかしいのでは」
「なるほど」
「まあ今回は--ー」
「そろっていますか」
「だからその点については
その関係の手きびしい方にも-----。
いえ、何でも。
コレは現実か」
「確かに。
その手の○○モノでは
どういうわけか
その手の○○科学者は
怪獣を一匹しか造りませんが。
その場合には
必ずその怪獣についての資料が
出てきますか」
「そう言えばどうして○○科学者は
一匹しか造らないんだろう」
「それはあくまで
番組構成上の都合で。
その回は○○学者が。
次の回は自然発生的に。
次の次は宇宙人が。
となっているからだろう」
「それはそうか。
その回だけ何頭も出すわけには
いかないわけか」
「しかし-----。
現実に造るとなれば」
「それもア・リ・なワケか」
「イヤ-----そうでなければ-----だ」
「なるほど」
納得したようだ。
「そういう事で-----。
それでいこうか
とも考えたのですが。
やはり-----名前漏れの恐れもありますし」枠沢。
「なるほど」
「資料はあったが。
何らかの理由でなくした
というのもありましたか」
「それは-----確かに」
“どの回だったか”
「資料の確保をどうするか。
それと記入漏れですか」
「そうなりますか」
「枠沢先生にしろ。
ご自分でも怪獣のデザインを」
「はい」
「それで」
「イエ。私はその点
入念に。
資料は複数造ってありますので。
それに-----記入漏れについては
大丈夫なように」枠沢。
「資料にはバックアップを」
「それに記入漏れには何か-----」
「イエなんでも」枠沢。
何かあるのかな。
まあいいか。
「モンロー先生にしろ
百以上の怪獣を
ご自分でデザインして造ったという話ですし」
「ではその全てに名前を」
「やはり漏れるという事も」
「それはそうだろう。
あの資料に載っていた怪獣は全て
デザインにしろ名前にしろ
オリジナルという事だしな」
「そうだった。
しかし大変だなあ。
名前を一つつけるにしても」
「よほどヒマ-----。
イヤなんでも」口々の小声で。
「その手の○○で
育った世代とは
そういうモノなのかな」
「しかしまあ。
我々がそういうモノの
デザイン画?を書く場合は」
「名前も付けるか」
「なるほど」
年齢的には
枠沢に近い者も多い。
この連中
幼少期にどのようなアニメを。
「いえ。
名前をつける作業というのは
意外と大変で。
怪獣を造るよりも時間がかかる場合も。
-----。
いえ-----。
あるかと。
モンローならば」枠沢。
“私が怪獣を造った事がバレれば
-----マア、地球でではないが-----
大変な事になる”
あわててゴマ化そうと。
「なるほど」
「それでイロイロと考えたわけです」枠沢。
「どのように」