2-2-1 BBキャノン
リドニテス 2-2
御刀哲斗は防衛省にいた。
上司の陸月二佐、
季沢シオリもいる。
「コレが」陸幕長が。
「威力はどのくらいだ」守山防衛大臣。
そこには砲と思しきモノがあった。
大砲の-----砲身のみのような
巨大な物体。
バースト・ビーム・キャノン。
携帯式のBB砲を大型化したものだ。
「枠沢先生によりますと
カテゴリー“2+”の怪獣なら
何とか倒せるそうです」哲斗。
「カテゴリー“ツー・プラス”」守山。
「はい。
枠沢先生によりますと
モンロー先生は
怪獣の-----リドニテスもですが
カテゴリーを-----強さですか-----
カテゴリーとして分け
“1《ワン》”“2《ツー》“”3《スリー》”
といった具合に。
その上でさらに
例えばカテゴリー“1”と“2”の間を
“1+《ワンプラス》”、
“1++《ワンダブルプラス》”、
“1+++《ワントリプルプラス》”
“2--《ツーダブルマイナス》”
“2-《ツーマイナス》”
という様に細分化していらしたようです」陸月。
「ああアレか」守山。
そう言えば聞いたような。
「それでは携帯BB砲よりもはるかに」統幕議長。
「それはもちろん。
何せカテゴリー“2+《ツープラス》の怪獣を
倒せるのですから」
「肩撃ち式のBB砲では
カテゴリー“1”が限度だったが」守山。
「はい。
しかしこの砲は。
ですが大型のため移動が」陸月。
「枠沢先生もそれを心配しておられました」シオリ。
南太平洋にある大国バーザス。
その無人島での核爆発から
すでに一月。
日本においても
今後出現が予想される怪獣を想定して
準備が進められていた。
最も
枠沢が出して来る
兵器待ちの感が強いのは
いなめない。
枠沢の提出した設計図を元に
兵器が完成するのは
まだだいぶ先の話。
一、二年で出来るかどうか。
“その手の○○モノなら
兵器が出来上がる前に
番組自体が-----だ。
そのために“かねて用意のモノ”は
欠かせないのだが。
現実には-----そのようなモノ
いったいどこの誰が-----。
アレはあくまでも
その手の○○モノだから
間に合うのであって
現実には-----。。
やはり枠沢先生の-----
“かねて用意のモノ”。
枠沢先生が個・人・的・に造ってい・た・兵器
のみが頼りだ。
枠沢先生の場合。
現実にそのようなモノを
用意していたとしても
怪獣を造った張本人のモンロー先生と
一緒に研究していたのだから-----。
そのような
“かねて用意のモノ”
が突然出てきても
問題ないだろう。
その手の○○モノファンの
手厳しい方々にしろ
それならば
納得いただけるだろう”
自衛官の一人は-----砲を眺めながら
あれやこれやと-----。
「十トン以上ありますので。
砲架を造って
牽引砲にするにしましても」陸月。
「十トンか」陸幕長。
「まあウチにはコレよりも
重い砲もありますので」
「それにレーザーですし
射撃時の反動はありませんので-----。
その分大砲等よりも
構造的には楽ですが」
「コレなら大砲と違い
トラック等に載せたまま
撃てますし」
「しかし出来得れば-----
戦車の方が。
自走砲や牽引砲では防御力が。
むき出しでは-----
相手が怪獣だし-----」守山大臣。
「戦車ですか」統幕議長。
「ですが-----。
戦車-----ですか」陸幕長。
BBガンの試射実験の事が
頭をよぎった。
あの時はBBガン-----拳銃で。
当時、最新鋭の戦車が一瞬に-----。
「戦車では無力か」守山。
「あのいわく付きの戦車が-----。
だからなあ」
「今度の最新鋭戦車なら」
「-----」全員-----。
「複合装甲では
とても。
アメリカが持っている-----
モンロー先生が開発なさった
特殊金属ですか。
アレで装甲を造って覆えれば別ですが」
「アメリカか」
「それにバーザスも特殊金属を。
枠沢先生によりますと
重力推進?ですか。
それも持っているはずだと」陸月。
「それさえあれば」陸幕長。
「重力推進?ですか。
それさえあれば戦闘機の性能も
飛躍的に向上しますし。
本当に存在していれば-----ですが。
それにBB砲を搭載できれば
戦闘機によっても
怪獣を倒せますか」空幕長。
「なるほど」守山。
「リドニテスは空を重力推進で飛んでいますので
あるはずです。
絶対に」哲斗も。
「問題は-----」守山。
「アメリカもバーザスも」統幕議長。
「技術をこちらへ
提供してくれるかどうかだけか。
そのに件については
現在政府間で交渉中なんだが」守山。
「お互いイロイロと思惑もあるようだし。
なかなかね」統幕議長も。
「怪獣がいつ現れるかも
知れないのにですか」哲斗。
「もちろん-----その点については。
政府間でモタモタしている間に
怪獣が現れ
被害が出たでは
非難にさらされるのは
政府自身だしね」守山。
「そのことは充分
わかっているそ・う・だ・。
おたがいに。
だから急いでいるのも事実だそ・う・だ・」陸幕長。
何か言いたそう。
「当然だ。
わが国にしろ
怪獣対策のためとあれば
全面的に協力は惜しまないと
そう伝えてあるんだが。
政府もその方向で
話を進めているんだが」守山。
「だが-----。
とおっしゃいますと」シオリ。
「おたがいに
アメリカもバーザスも
相手が何を持っているかわからない。
それで腹のさぐりあいだよ」守山。
守山は何か言いたそう。
「何せBB兵器にしろ。
はては重力推進だしね。
兵器体系事態が変わってしまうしね。
そのようなモノを
一国だけが持てばどうなるか
わかるだろう」統幕議長。
「こんな時にも-----ですか」
「まあそういうことだ」
「腹のさぐりあいですか」哲斗。
「アメリカのしても
モンロー教授の研究に参加していた者が
企業も含めて
複数いるしね」統幕議長。
「その連中が何を持っているかですか」シオリ。
「それはバーザスにしても同じだしね。
研究に参加していたのは
バーザス人がほとんどだったらしいが
その連中がどの技術を持ち帰って
自分の会社なり何なりで
兵器化していたかわからない。
我々にしろアメリカにしろだ。
バーザスにしろ
今必死になって調べているよ。
その結果待ちという事なんだが。
そこから出て来る調査結果を
信用するしかないわけだよ」守山。
「何という-----。
その調査に我々も参加は
出来ないのですか」シオリ。
「どうやって」
「それは-----」シオリ。
「しかし怪獣がいつ現れるか」哲斗。
「だから取り合えず
今、至急に必要なモノを。
わかっているモノだけでもか
物々交換のような形でね。
その方向で話はまとまりそうだ」守山。
「しかしそれでは
我々にはBB砲しか」陸幕長。
「怪獣識別装置では。
少し-----」
「無理か」
怪獣識別装置は
枠沢の秘密の研究所から数丁。
さらに枠沢が追加製作をした分を含めて。
部品の形で何丁分かあったらしい。
それを組み立てただけだ。
「それでは取れても
アメリカからは特殊金属。
バーザスからは重力推進のみですか」哲斗。
「そうなるだろう。
その方向で話を進めてはいる」守山。
「バーザスも当初は
BB砲も
何も必要ない。
モンロー先生や共同研究者の
研究所が見つかれば-----
と強硬だったんだが。
例にミドグの件もあるしね。
奴にはバーザスが持っていた携帯BB砲が
全く通用しなかったからね。
それが関係あるのかどうだか。
ここにいたって
どういうわけか
軟化して来たようだし」統幕議長。
「と言いますと」
「んーーー。
どうしてだろう。
モノが見つからなかった-----
のか。
それは我々にとっても
不都合なんだがね-----」守山も。
「バーザスから
対怪獣戦に有効な兵器が
出てきてもらわないと
どうしようもないしね。
それでバーザスには
各国とも、いろいろとね」統幕議長。
「しかしなければ」シオリ。
「それはないとは思うが。
もしなければ」守山。
「大変な事に」哲斗。
「後は枠沢先生だけが-----」
タメ息が。
「そうだが-----。
BB兵器の強化となれば
枠沢先生だけが頼り?なんだが-----
カテゴリー“ワン”の怪獣用だけでは
いかにも力不足だしね。
しかし-----。
枠沢先生。
大丈夫なのかね。
本当に-----。
そんな事があの先生に」守山。
「それは-----。
BBキャノンもある事ですし」
「ああ、コレか。
この砲ならば-----カテゴリー“ツー”かね。
しかし
それは-----
モンロー先生の-----。
まあいいか。
今それを言っても。
コレは交渉材料には」守山。
「十分なりますか」統幕議長。
「どちらにしましても
こちらのカードがBB兵器関係だけでは。
バーザスにしろ
アメリカにしろ
この手のキャノンを持っていないとも
限りませんし」空幕長。
「それは-----そのとおりだ」海幕長も。
「BB砲のみでは
アメリカなりバーザスなりが
兵器化してから
オットリ刀で買うというのでは
とても間に合いません。
怪獣はいつ現れるか。
出来うる限り
有効な兵器を手に入れて
実戦配備しなければどうなるか。
責任が持てません」陸幕長。
「それはそうだが。
交渉を有利に進めるには。
相手に早く出させるには
カードがBB砲だけでは」守山。




