2-1-1 無人島再び
リドニテス 2・1
南太平洋に浮かぶ大国バーザス。
その無人島。
あの核爆発からまだ十日と経っていない。
御刀哲斗は
玄希大学教授枠沢
季沢シオリたちとともに
モンロースタールの研究所近くに降り立った。
ヘリのメインローターをかいくぐるように進む。
全員、放射線防護服を着用している。
そこにはバーザスの担当者。
軍人だ。
そしてアメリカ、オーストラリアはじめ
各国の研究者たちも出迎えていた。
先行してバーザス入りしていた
政府、防衛省関係者も。
皆、枠沢の到着を待ちかねていたようだ。
「先生。始めまして。
私、バーザス陸軍のフォーグ・グリーモンです」
少佐だ。
他にアメリカのマイク・レーナン大佐。
ヘイウッド・パール教授たちがいた。
ヘイウッドは枠沢とは顔見知り。
もちろんモンローとも何度も会っていた。
「イヤ、大変な事になりました」ヘイウッド教授。
「はい、全く」枠沢。
「それで、モンローは今どこに」レーナン大佐。
「それが-----全くわかりません」
枠沢は-----。
「そうですか。
モンロー教授さえいれば
リドニテスでも何でも造って
日本に現れたリドニテスのように
怪獣を」
フォーグ少佐。
枠沢の表情をジッと。
「しかしモンロー教授も
このようなすばらしい発明を
なぜ発表しなかった-----。
いや-----
発表しようとしたのか」
ヘイウッドも考えもしきり。
どこの学会にも全く相手にされなかったのだ。
「-----」枠沢も。それは同じ。
「とにかく。今は-----。
モンロー教授の研究設備は
どうなりましたか」
哲斗が割って入った。
「そうだね。
今は怪獣だ」枠沢も。
「それが-----」バーザスのフォーグ少佐。
「核爆発により
研究所は完全に。
むこうの研究所にいたはずの怪獣も
いなくなっていましたし」
「五頭ともですか」御刀哲斗二尉。
「はい」
「その中の一頭。
バルーグは日本へ」季沢シオリ三尉。
「どうもそのようですな。
まことに申し訳ない事ですが
大変な被害が-----出たようで」フォーグ。
「残りの四頭は」哲斗。
「それは-----。
今捜索中ですが
全く足取りがつかめません」
「そうですか」枠沢。
「他にも-----」
「何か」枠沢。
「受精卵の形で保存してあった
怪獣を海へ流したらしいのです」
枠沢も-----。
「そうですか。
アレを。
大変な事に」顔が青い。
「ですが先生。
海へ流して
卵がかえるのですか」シオリ。
「それは当然-----。
イエ-----どうでしょう」哲斗は枠沢の方を。
「イヤ-----。
怪獣と言うからには
卵から孵す場合
やはりガンマー線か何かを照てて、
それをきっかけにして
というのが正しいかとも思ったんだが。
その手のモノの決まりみたいなモノだしねえ。
しかし中には-----
海の中でも。
いや火山の溶岩の中に
放り込まれる事によって
というモノもあるしね。
卵が海へ捨てられて
そのまま行方不明というのも。
そんなモノ
怪獣じゃないしね」枠沢。
「そういうのは」
「ないですか」
タメ息が。
「それでね。
モンローとね
イロイロなケースを想定してね。
どのような場合
卵がかえるのか。
卵がかえるようにす・べ・き・か・。
それをね。
考えたわけだよ。
そのあたりをど・の・よ・う・に・す・れ・ば・
怪獣らしくなるかとね」
「それで-----」シオリ。
「その中に
卵が海に捨てられた場合
というのが-----」枠沢。
「あったわけですか」フォーグ。
「残念ながら」
全員タメ息を。
枠沢も。
「それもモンロー先生とお二人で」ため息混じりにフォーグが。
「そういう事です」枠沢。
実際には枠沢一人で決めたようなモノだが。
「それで-----いつ孵るのですか」フォーグ。
「それは-----。
調べてみなければわかりませんが。
数ヶ月から一年以内には成獣となって
我々の前に現れるでしょう」
「そんなに早く」フォーグ。
「数ヶ月から一年ですか。
ですが先生。
その手のモノでは
ものの数日で。
イエ-----何でも」哲斗。
枠沢はニヤリと。
「そうだ。
それも考えたんだがね。
その手の映画では
確かにそうなっているモノも多いがね。
それでそうしようかとも思ったんだがね。
しかしそうすると-----。
何かのマチガイで
怪獣の卵が外部へ流出した場合
一度に大量の怪獣が出現する事になる。
そうなると-----だ。
その手の○○モノでは
そのような事は-----だ。
しかし-----だ。
現実には
そういうケースも想定できるしね。
マンガじゃあるまいしね。
現実には
イロイロなケースがあるわけだよ。
マンガならば
たまたま宇宙から飛来した。
どこかの○○サイエンティストがつくった、
どこかの遺跡で発見した、
怪獣一頭だけを-----ね。
その怪獣の事だけを
考えていればいいんだろうがね。
それで済むわけだ。
しかし現実にだ
怪獣を造るとなると
イロイロと問題がね。
造るとなると
一頭ではすまない場合もあるしね。
そうなると-----だろう。
一度の大量に現れるという事もある
-----か・も・知・れ・な・い・わけだよ。
そのあたりをオロソカにするとだよ。
その手のモノは成り立たないしね。
そのような現れ方をするモノを
怪獣といえるかどうかだよ。
その点をどうしようかと-----ね。
それで結局
モンローともイロイロ考えたんだが
数ヶ月から一年ほどでという事に
落ち着いたわけだよ
その方が-----その手の○○モノのように
一頭づつ一年かけて
怪獣が次々と出て来るようになるしね。
いや。なんでも」枠沢は
-----怪獣に対してそのようなイメージが。
怪獣というモノは毎週毎週
一頭づつ-----。
それでそのように
したわけだが。
今思えば-----怪獣は皆
一日か二日で成長しても-----。
まあいいか。
どちらがいいか。
枠沢は真剣な面持ちで。
“マア、○○サイエンティストが
大量に怪獣の卵を
ばら撒きかねない状況では
-----。
それが正解か”
「数日で成長するというのは
あくまでも怪獣が一頭の場合のみだし」ポツリと。
「このような事態になった以上
それが正解だったわけか」
日本から来た政府代表の一人がポツリと。
「では数ヵ月後には
この無人島の周囲は怪獣の」フォーグ。
「それは-----
わかりませんが-----」枠沢。
「どうしてですか」
「怪獣の中には
幼生の段階で海流に乗って
世界各地へ遊泳して行くタイプのモノも
いるかも知れませんので」枠沢。
「と言われますと」
「その手の映画の場合
このようなケースでは-----」枠沢。
「そうなっているわけですか」フォーグ。
「はい。
世界各地を襲うと-----。
もちろん日本を目指して全て。の怪獣が
というのもありましたが」枠沢
「そんな」
コレには哲斗をはじめ日本政府の者が。
「もちろん-----
モンローがそうしていればの話ですが。
くわしい事は調べてみませんと
なんとも言えないのですが」
そのあたりがどうなっているのか。
モンローの奴。
いったいどの研究資料を-----持ち出したのか
それが分かれば。
“様々なケースを想定して
イロイロな怪獣を造ったからなあ。
あの映画の怪獣な場合は
この映画の宇宙人の場合は
こうすればと”
もちろんデーターとしてだ。
実際には-----この地球上では造ってはいない。
「しかしモンロー先生は
バーザス人ですし-----。
日本ではなく
バーザスを目指してという事も」シオリ。
「イヤそれは-----」枠沢。
「何かあるのですか」フォーグ。
「イヤ-----
こう言ってはなんですが。
バーザスで放送された-----
その手の○○モノでは-----」枠沢。
「そう言えば
怪獣は全て-----
日本へ」日本から来た政府代表の一人。
「しかしそれはあくまでも
日本製-----。
イヤなんでも-----」○○
タメ息が。
「モンローとはそれを元に。
イロイロと議論しましたので」枠沢
「その日本製の-----」
「その手の○○映画を元に」
「議論を-----ですか」
頭が-----。
「はい。
しかし中には-----」枠沢。
「バーザスや-----
他の国にも」フォーグ。
「それはあくまでも-----
外国の映画会社やテレビ局との提携で
そのように。
イエ何でも」△△
「イエ-----それはそうですが。
そのようなケースも
モンローと」枠沢
「そういう事ですか」全員頭を-----。
“いったいこの先生。
モンロー教授に何を吹き込んだのか”
ため息混じりに枠沢を。
「それも枠沢先生がモンロー先生に」
「それでそのようにモンロー先生が」
「ですから-----それは-----
調べてみなければ-----」枠沢。
「とにかくこちらへ」フォーグ。
放射線防護服を着けた枠沢たちは
研究所へ。
研究所は。
研究所のあった場所は
爆風で消し飛び、
溶け崩れ
廃墟となっていた。
「生存者は-----
いなかったという事ですが」枠沢。
「はい。
この有様ですし
今もガレキの下を捜しているのですが。
すでに十数日経過していますし
て来るのは-----
死体ばかりで」
「絶望ですか」
「なにせ核ですから。
何人いたのかわかりませんが
おそらく全員」
遺体の状態もヒドイ。
広い研究所内には。
ガレキの下からは
今も黒コゲの死体が出て来ている。
日本からの調査隊も十数名。
建物の見取り図を片手に
そこかしこを。
廃墟といっても
爆発の中心部は
重要な施設のあった場所は
巨大なクレーターとなっており
何も残ってはいない。
「コレでは何もわからないか」枠沢。
“その方が良かったかも”
「はい。
先生や御刀二尉の証言によりますと
このクレーターのあたりに研究設備が」フォーグ少佐。
「はい。確かに」
建物の見取り図を手に哲斗が。
「ですが-----全部を見たわけでは」シオリ。
それにコレだけ破壊されていれば
どこに何があったのか。
「私も顕微鏡のあった部屋には
モンローに案内されたのですが
肝心のリドニテスや怪獣の細胞を
合成している部屋は-----
見ていませんし」枠沢。
「その点は我々も不思議に思っているのですが-----。
どうしてモンロー先生は枠沢先生に
その肝心の装置を
お見せにならなかったのでしょうか」フォーグ。
それには枠沢も
どう答えていいのか。
「そう言えば-----
肝心の分子合成装置やデーターの
保管場所については
見てはいませんか」
「どの辺りにあったとか」
“モンローの奴。
どうしてだろう。
私には見せなかったが。
マア奴は
私がリドニテスだと知っていたわけだし
それでだろうか”
疑わしげに-----フォーグが。
「きっと-----
私はこの無人島に
二日しかいませんでしたし。
その間ワットたちも
来ていましたし
その応対でモンローも
いそがしかったのでしょう。
他にもイロイロありましたし」枠沢は哲斗たちを。
「見せてくれるように
頼まなかったのですか」
「それは。
他にもイロイロと見るべきものがありましたし
それで」
「なるほど-----。
例えばその時
その装置の設計図などを
受け取られたという事は-----
もちろんな・い・でしょうな」
「残念ながら。
あの夜
ご存知のように叛乱が起こりましたし
とてもそのようなものを
受け取る余裕などは。
もう少し時間でもあれば」枠沢。
「そうですか」
哲斗たちにしろ
それは同じ。
しかし日本の枠沢邸での
モンローの口ぶりからすれば。
枠沢邸には盗聴器が
すでに自衛隊により。
その結果
枠沢は例のリドニテス薬以外は
受け取ってはいないという
結論に達していた。
その事は-----
もちろんバーザスへも伝えてあったのだが-----。
それに枠沢邸をいくら家宅捜査しても
その手のモノは何も出て来なかったし。
まあ-----バーザスにしてみれば
自衛隊や“政府の上”は言うにおよばず
様々な方面に
ヒツコク問いただしてきていたらしい。
しかし、
ないものは仕方がない。
政府にしろ自衛隊にしろ
そう答えるしか。
「他の場所は」哲斗。
「それもガレキの下か
クレーターの中です。
何も残ってはいませんでした」フォーグ。
“まだ-----日本政府が何か隠しているのでは”
「資料もですか」枠沢。
「はい。
しかし-----個人用の研究論文などは一部」フォーグ。
「モンロー教授のモノや
他にもここで研究していた者は大勢いましたので」
「アア-----彼らの。
それで何かわかりましたか」枠沢。
「今、我々で調査中ですよ」ヘイウッド教授。
「枠沢先生にも加わっていただければ-----」フォーグ少佐。
「なるほど」
枠沢たちはもう一つの。
怪獣たちのいた研究施設へ
建物は-----外観は焼け焦げ
-----しかし大きく崩れてはいない。
内部はひどかった。
地下へ降りるエレベータは破壊され
怪獣たちのいた-----眠っていた-----
空洞へのトンネルも
完全に埋まっていたらしい。
それを何とか掘り起こしたとの事。
内部は。
「リドニテスの仕業ですね」シオリ。
「間違いないか」タメ息が。
「機器類もコンピューター関係も
全て熱線のようなもので
溶かされていましたので」フォーグ。
枠沢は怪獣たちの眠っていた
空洞内のオリへ。
丹念に何かを捜し出した
「怪獣の細胞ですか」フォーグ。
「エエ。
調べればどのような機能を持っていたのか
わかりますし」枠沢。
「ですが先生。
それならば
先生がモンロー教授から受け取られたDVDに。
-----。
入っていたのでは」アメリカのレーナン大佐。
あのDVDは日本政府を通じて
すでに関係各国へと送られていたらしい。
「それはそうですが。
やはりこの手で調べてみませんと
DVDには入っていない機能が
あるかも知れませんし。
リドニテスの時のように。
モンローもイタズラ好きですし-----
私相手にそういう事を
しょっちゅうやる奴でしたから。
コレがわかるか-----
と言う具合に」
「なるほど」
「先生に対し
“調べてみろ”
と言うようにですか」フォーグ。
「枠沢先生をライバル視していたわけか」
「“調べる”とは
例の先生の造られた顕微鏡でですか」ヘイウッド教授。
「はい、もちろん」
防衛省に提供したモノだ。
枠沢はけげんな表情を。
「あの装置の事は-----」
哲斗たちの方を。
「あの顕微鏡の原理図を
見せていただきましたが-----。
全くすばらしい。
今、私どものところでも造っています」レーナン大佐。
「ですが装置はあっても-----造れても
使い方がわからなければ。
特に遺伝子を調べるには
先生が長年研究なさってきた
基礎データーが必要になってきます。
どのように原子同士がつながっていれば
どのような機能を持つのかというような。
その基礎データーも
ぜひ提供願えれば」ヘイウッド教授。
枠沢は-----この件については
全くの初耳だった。
「アメリカは顕微鏡関係の資料を
提供なさったのですか」
枠沢は日本側の責任者の虹起陸将補に。
「それは-----」虹起。
急には答えられない。
「先生。
ご存じなかったのですか」ヘイウッド。
「いえ-----。まあ」枠沢。
虹起とアメリカのレーナン大佐は気まずそう。
「アメリカ側からの要請ですので」虹起も。
「なるほど」
「他にも-----
肩撃ち式携帯バーストビーム砲関係の資料も」
「いえ-----もし怪獣がアメリカに-----
上陸でもすれば」
「同じ太平洋岸にありますし」
「なるほど」
「急に決まったものですから
先生にお伝えする
時間的余裕もありませんでした」
枠沢は無言。
「それと-----」虹起。
「他にもですか」枠沢。
「はい。
携帯BB砲、ライフル、ガンの現物も-----
二門づつ」
「現物がなければ
こちらで造るにしても-----」レーナン。
枠沢はアレからさらに
それらの武器を数門
新しく造り
防衛省へ提出していた。
先に提出した砲やライフル、ガンの一部は
バルーグにより。
もちろん今回は
武器の製造許可は取ってある。
自衛隊がいつの間にやら-----。
しかし-----
アレを世界中に供給するとなると
どのくらい造る必要があるのか。
やはり製造方法を公開する必要が。
「それで-----試射しましたが-----
全くすばらしい威力です。
最新鋭の戦車が-----」
レーナン大佐、
気を使ってか-----。
「あなた方も最新鋭の戦車を-----。
いえ-----何でも」哲斗が。
「エエ-----もちろん。
こういう場合
当然なのでは。
日本では。。
あなた方も確か-----」レーナン。
“この手の○○モノでは-----
そうなっていたか。
しかし実際にそれをすれば”
哲斗はどう答えていいのか。
アレからひと悶着あったらしい。
「マア、仕方ないですか。
他の国へも
怪獣が現れないとも限りませんし。
ですが一言
ことわっていただきたかったですね」枠沢。
「それは申し訳なく。
今後このような不手際は
起きないようにいたします」虹起も。
「ですが
携帯BB砲にしても
他のモノにしても
バーザスも持っておられるのでは」
それにはバーザスのフォーグ少佐が。
「確かモンローが」枠沢。
フォーグは各国の軍関係者の方を
気まずそうに。
「もちろん
-----
手に入れました」
虹起が哲斗へ目で合図を。
それを受け。
「それと-----
枠沢先生とも話し合ったのですが」
哲斗は枠沢の方を。
「枠沢先生によりますと」
枠沢は哲斗が何を言い出すのか
気が気ではない
「御刀君。
まさか-----アレを」
「はい。-----。
先生。
しかし-----仕方が-----ありません。
重力推進や-----その他にも」
「重力推進?」他国の武官たちも聞き耳を立てた。
「仕方がないか」枠沢も-----あきらめ顔。
「いえ、先生によりますと
モンロー教授は
リドニテスや怪獣を造る際に。
例えばリドニテスや怪獣が
レーザーやBB線を発射したり吐いたり
あるいは空を飛べるように
遺伝子に遺伝子に組み込む際には。
必ず、その前に現物を造っているはずだと
おっしゃっられるのです」
「現物?」フォーグ少佐。
「はい。
例の携帯バーストビーム砲と
同じようなものを」哲斗が。
「なるほど。
遺伝子に組み込むためには-----
実際に現物が出来ていなければ」アメリカのレーナン大佐。
「そういう事か」
「マア現物を実際に造れたとしても
それを機械のまま
組み込むわけではありませんが。
例えばBB砲では
重力波レーザー発振管なり何なりの機能を
全て細胞に置き換えて
BB砲なり何なりを
撃てるようにしなければなりません。
身体の中の細胞を
BB砲なり何なりを撃てるような
構造になるようにするのは
非常に難しいのですが-----。
現物を造るよりも。
しかし現物が出来ていない事には
それも出来ませんので-----。
重力推進も同じですよ」
まあなくてもできるか-----な。
「そうですか」
「ですが先生。
そのBB砲ですが
そのレーザー発振管なり何なりと
同じ機能を持つ細胞を
よく見つけられましたね。
普通の細胞では
とてもレーザー発振などは
しないのでは」シオリ
「それが大変なんだよ。
このような細胞にすれば
細胞構造にすれば
このBB砲なり重力推進なりの
この部分の部品なり機構と
置き換えられる。
それを見つけるのがね。
最もレーザー発振はホタルからだが-----
まあいいか」枠沢。
「え?」シオリ。
「では-----この無人島を捜せば」
「それとバーザス本土にあった
モンローの研究所の方は」
「イエ。あそこには何も」フォーグ。
フォーグはどこかへ連絡を。
「現在。
この研究に関わったと思われる
者たち全ての
土地建物等の家宅捜査を行っていますが。
その点に重点をおいて
調べさせたく思います」フォーグ。
「そうですか」枠沢。
「その結果はもちろん
我々にも」レーナン大佐。アメリカ軍だ。
「もちろん
わが国の政府が」フォーグ。
「なるほど」レーナン。
“コレでは-----実際に出てくるかどうか。
-----。
国益という奴か”
枠沢もあきらめ顔。
「ですが。トム。ワットは
バーザスの軍事産業の会長でしょ。
そこの研究施設は
もちろん公開していただけるのでしょうね」レーナン。
「それは-----」フォーグに決定権はない。
「トム・ワットならば」
「もし造っているとすれば奴か」
「他にも-----何人もいるだろう」
各国の軍事関係者が口々に。
「ですが
アメリカの方の中にも
資金提供していらした方が
何人もいるのでは」フォーグ。
もちろんレーナンもそれは知っている。
「それは-----
本国で調査中ですので」
「その結果はもちろん」誰かが。
「それは-----。
本国政府が決定する事ですので
私の口からは。
政府間で交渉していただかなければ
私どもではどうしようもありませんし-----」
途端に口が重くなる。
この場で言い争っていても
どうしようもない。
枠沢たちは無人島内を。
「この無人島には-----
他に研究所のようなものは
ありましたか」枠沢。
「いえ。ないようです。
他には」フォーグ。
「では-----核で全て」枠沢。
「どうもそのようです。
我々も衛星からの写真や
レーダー映像を元に
相当入念に調べたのですが。
他には何も発見できませんでした」フォーグ。
アメリカのレーナン大佐も肯定するように。
「ん-----。
では発見された資料は今どこに」枠沢。
「こちらです」
枠沢たちは
近くに仮設されたテントへと案内された。
そこにはコンピューターが。