オアハカのチャティン族
メキシコの伝説
オアハカのチャティン族
次の伝説は、現在では再びその神に信仰を捧げておりますが、チャティン族に向けられたウイチャ神(太陽)の激怒を語っています。
チャティン族は黒い肌と黒曜石のように黒い眼で特徴付けられています。
彼らは強靭且つ頑健でアメリカ大陸の小さな島に住み、ウイチャと呼ぶ父なる太陽を崇拝しておりました。
この部族は平和な生活を送っておりました。
或る日、その部族は先祖伝来の慣習を全て忘却し始めました。
何人かの呪術師とか魔術師が夜に対する信仰とか悪霊、亡霊を崇める信仰を実践するように指導しました。
それに対して、太陽神は怒りを爆発させました。
太陽神は海に協力を求め、青い水でその島を切り開き、チャティン族をカラフルな魚に変えてしまったのです。
海底のチャティン族には長い苦しみの時が経ちました。
毎日オーロラが現われ始めると、太陽神に部族に対する憐れみを懇願するために眼を大きくして小さな頭をちらりと見せるのです。
父なるウイチャも同情してか、彼らに細かく砕いたとうもろこしを食べ物として与え、助けてやろうと約束したのでした。
その日の午後、空は厚い雲で覆われて、稲妻が広大な空で閃き、とうとう凄い暴風雨が、チャティン族がいる地域を襲って来ました。
強い波がその島を揺さぶり、あたかも世界はその一夜限りで終末を向かえるかのようでした。
朝を迎えると、高い山々が連なり起伏が激しい地域が現われていました。
そして、色とりどりのいろんな種類のたくさんの魚で覆われておりました。
日にちが経つに連れて、その魚たちは人間の目鼻立ちを取るようになってきました。
現在、チャティン族は山脈の中でひっそりと簡素な暮らしを送っています。
ウイチャを讃える忠実な信仰者であり続けております。
毎日、再び太陽にまみえることを許されていることを感謝し、部族の物語を、郷愁を持って記憶しているのです。
- 完 -