復讐とはなにか
オルバニが帰ってきた、
さっきよりも酷い怪我だ…
擦り傷とか、切り傷とか、
そんでナイフを持ってはいないな………
多分、誰かと喧嘩でもしたのだろう、
「ったく…ほれ、傷を見せろ…」
今にもオルバニは泣き出しそうだったので、
俺はこちらに呼び、回復薬を薄く塗り、
布で血を拭き取る、
すぐに傷は消え、無くなった、
恐ろしいまでの治癒力だ、
恐らくここら辺は品質、で変わるのだろう
とりあえず兄に事情聴取でもしとくか…
……………………………
なんとなく事情は分かった、
外で遊んでいたら、ラクストをラクストを嫌ってるガキ共が暴行し、
そいつらを殴ったら、親玉が現れて、
ラクストをおぶって家に帰り、
復讐のため、ナイフを俺にはせがんだ…と
全く、胸糞悪ぃ話だ、
わざわざ、復讐の為にナイフをせがむ兄も兄だが
、
ここまで酷くやり返すとはな…………
俺とは精神年齢も大きく違う訳だが…酷い話だ
ま、ここまで身内を傷付けられた訳だ、
俺も、復讐、しに行くかな?
___________
草が刈られた村外れの広場だ、
ここは村のガキ大将のお気に入りの場所だ、
草こそ刈られてはいるが、
大人は滅多にこない、
子供にとっては聖域のような場所だ、
その広場の座るため設置された
イスとテーブルに彼は居た、
堂々とし、この村で一番強い事を示すため、
赤い誇張するようなバンダナを付けた大柄な子供
、
彼は今日の戦利品を眺めていた、
弱虫リートクのお守り、対立しているグループの
バカ共から頂いた銅貨、
そして、ムカつくアルフォード家のオルバニが
持っていたナイフ、
これはとても綺麗でよく切れる、
試しに枝を斬ろうとしたら
何も斬る感覚がなく、枝は綺麗に両断されていた
、
そんな逸品を惚れ惚れとして眺めていると、
見慣れないチビが現れた、
高価そうな服、あんな服を着れるのはアルフォードの奴だけ………
あぁ、三男か、
そう彼は納得し、再びナイフを眺めようとすると、
タン、と手元に綺麗なダーツが刺さっていた、
これがあのチビ、から放たれた物で、
今、自分に危機が迫っているのに気付くまで、
とても長い時間を要した、
そして気付くと、そのチビを見る、
貼り付けたかのような笑顔、
それはただ面白くて笑っているのではなく、
なにか他の意図を感じさせる笑顔だった、
チビが口を開く、
「おかしいな……手を狙っただが…」
その言葉を聞き彼はゾッとした、
普通なら何も感じないだろうが…
チビの言葉は嘘偽りなく聞こえた。
その言葉には脅しの意は無かった、
ただ外した、それだけ、
今の彼にはこの小さな子供が悪魔のように
感じられたことだろう、
「ッ! うぁぁぁあぁ!!」
彼の体は思考を巡らせる前に体を動かせた、
ナイフを構え、斬り掛かっていた、
彼が何かを2個、手から落とした、
すると不思議な光が放たれ………、
鉄の大きな板が現れ、衝突する、
鼻が折れたような激痛が走ったが、
緑色の液体がかかると、一瞬で痛みは引いた、
「さぁ、反省の時間だ」
彼の背中は冷や汗でぐっしょりと濡れていた、