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異世界でギルド経営  作者: materialism
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後日談


魔王との交渉成立から、3ヶ月後、

俺は先物取引の儲けを受け取りに、

アリタイ国の港町に来ていた。


農業都市ネテアからの穀物が王都に

安全に届くようになったため、

穀物の値段がほぼ半額になっていたので、

儲けとしては金貨5万枚になった。


金貨11万枚を投資して、儲けが金貨5万枚、

十分だろう。


これに、盗賊討伐の報奨金3万枚、

報奨金に追加してもらった3万枚で、

借金を返すと、金貨2万枚だ。


そこから、盗賊討伐に参加してくれた冒険者15人へ

の支払いがあり、メランさんからの金貨1万枚に

儲けを載せて返却すると、

盗賊討伐は、ほぼ儲け無しとなった。


もっとも、魔王との取引では、

利益を俺が独り占めしているので、

別にそんなに気にならない。


魔族の中では、金塊の価値がほとんどないため、

適当に人間側から物資を持って行くと、

大量の金塊となって戻ってくる。

魔王もワインが大量に飲めるようになって、

ご機嫌だ。


あまり、金塊を人間側に流通させると、

価値が暴落する恐れがあるので、

海洋都市アクアに倉庫を作って溜め込んではいるが、

売り出せば、金貨100万枚は固いだろう。



メリッサさんは、今でもギルドの窓口をしている。

依頼主に応募者の情報を提供し、依頼主に選ばせるという

王都独自のギルド運営により、ギルドの運営は

軌道に乗り、独立採算が達成できたそうだ。


王都立学校の社会科の先生は、ギルドの情報を分析して、

メリッサさんに助言をしているそうだ。

ほとんど聞いてもらえないらしいが。


マテウスさんは、魔王軍との戦いで負傷して、

近衛兵としてはリタイアとなってしまったが、

近衛兵の剣術指導として、活躍している。

魔王軍との戦いぶりは伝説に近くなっており、

王都でも人気があるそうだ。


ユンゲルスさんとユンガーさんは、

今回の戦いで給料が上がり、それぞれ結婚したそうだ。

ただ、近衛兵の多くがリタイアもしくは戦死したため、

入隊希望者との面接や新規採用者の訓練で大忙しとのこと。


トムはコルネリアと連絡を取りたかったらしいが、

結局諦めて、また俺のもとで働いている。

魔族の言葉も少しずつ覚えてもらっている。

落ち着いたら王都立学校に復学しても良いかもな。


コルネリアは留学先のケドニアに戻るのかと思っていたら、

ケドニア国に行く許しが出ないのでアリタイ国内で

帝王学の勉強中なんだそうだ。

なんでも魔王の脅威が無くなったせいで、

ケドニア国とアリタイ国の間は緊張関係にあり、

王女が留学できる状況ではないとのこと。


今まであったことや、現在の状況を整理しながら、

俺は王都に向かった。メランさんに金貨1万枚を返すためだ。


お城に入ると、メランさんはすぐに見つかった。

相変わらず、綺麗な黒い髪に、

透き通るような白い肌をしている。

メランさんも俺を見つけて、

足早に駆け寄ってきた。


さて、落ち着け。この交渉が一番大事だぞ。

「ユーキ、遅かったわねえ。もう来ないかと思っていたわ。」

「そんな訳あるわけないだろ。ほら、金貨1万枚だ。」

「これは元金よね。儲からなかった訳じゃないでしょうね。」

「儲けは、あまりに多いので、海洋都市アクアの倉庫に置いてあるんだ。」


そこで少し間を置く。


「俺1人では使い切れないんだ。」


「何を言っているの? それは私の儲けなんでしょう?」

メランさんは、あまり機嫌がよろしくないようだ。


でも、ここで引き退る訳には行かない。


「ええとな。つまりだな。」

「もう何よ。言いたいことがあれば、はっきり言えばいいじゃない。」


じゃあ、はっきり言うか。


「結婚してくれ。」


メランさんは、一瞬驚いて、それから暫く無表情になり、

その後、赤くなってから笑顔になった。

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