討伐完了
盗賊に襲撃されている農業都市ネテアを助けに行くか、
それとも、盗賊のアジトで待ち伏せするか迷った挙句、
両方することにした。
マテウスさんと傭兵たちには、待ち伏せをお願いした。
助けに行くのは、俺と冒険者たちだ。
武器屋も行くというので連れて行くことにした。
「いいか、深入りは禁止だ。盗賊たちの襲撃を止めるだけで良いからな。」
俺は冒険者たちに念押しをして、農業都市へ急ぐ。
農業都市ネテアに着いてみると、
確かに警備兵たちが応戦していたが、形勢は不利のようだ。
また、一部では略奪が始まってしまっている。
これはどう助けたものか・・・
一瞬で色々考えて、大声を出すことにした。
「援軍だあ。王都から援軍がきたぞお。」
他の冒険者たちにも促す。
あちこちで
援軍が来たという叫び声があがったおかげで、
盗賊たちも略奪をやめて逃げ出した。
一部が俺に襲いかかって来たが、
あっけなく武器屋に討ち取られていた。
やっぱり武器屋は強いな。
各戸の確認は、農業都市ネテアの警備兵に任せて、
俺たちは盗賊たちを追いかけることにした。
ちょっと数えた感じでは、どう見ても100人は超えている。
マテウスさんたちは待ち伏せとは言え、
数で負けている状態では不利だ。
だが、懸命に追いかける俺たちではあったが、
盗賊たちの方が地の利があり、あっという間に、
引き離されてしまった。
マテウスさん、大丈夫か・・・
心配しながらも懸命に盗賊のアジトに向かった。
暫く全員が無言の行軍が続いたが、やっと着いた。
そのとき、
「おのれ、まだ、残党がいたか。」とマテウスさんの声がした。
「違う。おれだ。ユーキだ。」
俺の声に、マテウスさんは剣を鞘に収めた。
危うく、マテウスさんに殺されるところだったが、
マテウスさんは無事だったようだ。
見ると、盗賊たちが数十人という単位で倒れていた。
無事に対処できたのか。良かったなあ。
盗賊たちを討伐した俺たちは、
生きている盗賊を縛り上げて、
農業都市ネテアに入っていった。
ネテアの市民から、歓迎された。
俺たちは、まるで英雄のような扱いだった。
ご馳走もたくさん出してもらった。
まさに酒池肉林。もっとも、肉林は本当の肉の方だが。
健全で良いよね。
そんな宴の途中、火急の知らせが届いた。
なんと魔王の大軍勢がケドニア国に向けて動き出したというのだ。




