傭兵
近衛兵長のお願いは、
少しぶっ飛んでいるので、
まずは、条件を整理してみよう。
王都と農業都市ネテアをつなぐ街道に盗賊団がいる。
その盗賊団のせいで、お城の財政が厳しい。
だから、その盗賊団を討伐したい。
ただし、盗賊団は数十人、
もし近衛兵で討伐するとしたら、
近衛兵全員が投入するくらいの話になる。
よって、冒険者で討伐するとしても
数十人の冒険者を集める必要がある、か。
これは無理じゃないかなあ。
一応、条件を詰めておくか・・・
「期間はどのくらいですか?」
「早い方がいいが・・・1ヶ月くらいで何とかなると助かるな。」
冒険者を集めて鍛えるくらいの時間はあるか・・・
あとは金か・・・
100人雇ったとして、金貨3万枚ということは、
1人金貨300枚か・・・
いつもながら、渋いなあ。
「金貨5万枚にはなりませんか?」
「厳しいねえ。」
近衛兵長がいかにも困ったという顔をする。
うーん。どうしよう?
「前払いしていただくということは?」
「それも厳しいねえ。」
「考えさせてもらってもいいですか?」
「ああ、それは構わない。ただ、口外は出来るだけ避けてくれ。」
これはメランさんに相談をしたい。
口外は避けるよう言われたが、メランさんだったら良いだろう。
という訳で、メランさんを捕まえて、色々教えてもらう。
現在、農業都市ネテアへの街道は使えないが、
傭兵都市タルパスへの街道、および、隣国のアリタイへの街道ならば、
安全に行き来できること。
冒険者を雇うより、傭兵都市タルパスから傭兵を雇った方が早いかもしれないこと。
隣国のアリタイからも援軍要請することは出来たのだが、
前回のギルド再建のときに、王様が使者を追い払ってしまったので、
厳しくなってしまっていること。
なるほど、ならば傭兵都市タルパスに行くしかないな。
前回の人質になりかけた事件があったので、
護衛を付けようかと思ったが、メランさんが安全だと言っていたので、
護衛無しで、タルパスに向かった。
特に何も無くタルパスに着き、ギルドを探す。
メランさんの話では、傭兵もギルドで雇うという話だったが・・・
ギルドを探すと、町の外れにあった。
ギルドに入り、傭兵を雇いたい旨を告げると、
価格表を渡された。高い・・・
その上、前払いのみ・・・
近衛兵長は前払いは厳しいと言っていたし、
手持ちの金貨は1300枚しかない。
うーん、これはどうしようかな?




