大きな案件
犯罪者3人を縄で縛って、お城に連れて行き、
近衛兵長に報告して、犯罪者たちを引き渡して、
報酬の金貨1500枚を貰った。
近衛兵長の依頼通り3日以内に、
(というか実際は1日以内だが)
捕まえられたので、集まってくれた冒険者4人に
契約通り、1人あたり金貨300枚を配った。
ここまで上手く行くと、なんだか怖くなるな。
本来であれば、金貨300枚から手数料を抜きたいところだが、
窓口利用推進という名目もあるし、なにより、1人分が浮いたので、
手数料は無しとした。
これで金貨300枚の儲けだ。もちろん犯罪者に盗られた金貨1000枚も
取り返したので、現在、金貨1300枚だ。
事務手続きが済むと、近衛兵長が話をしたいと言うので、
近衛兵長室に向かった。
「君のお手並みは拝見させてもらった。
相当ギルドの改革が上手く行っているみたいだな。」
あれ勘違いしていないか?
まあ、依頼した日に解決したら勘違いもされるか・・・
俺は犯罪者に捕まって、
命が危ないところだったんだが・・・
まあ、わざわざ自分の失敗を言う必要は無いか・・・
「そこで、頼みがある。」
「なんですか?」
「王都と農業都市ネテアとの間の街道が盗賊団に占拠されてしまっていてな。」
聞けば、そのために隣国から食料を買わなくてはならなくなっており、
そのせいで財政が厳しいのだとのこと。
近衛兵長は続ける。
「その街道にいる盗賊団の討伐をお願いしたいのだ。」
「その盗賊団の規模は分かりますか?」
「おそらく、100人はいないと思う・・・」
近衛兵長が苦しそうに答える。
ふぁ!
それ無理じゃね?
数十人はいるということだよね。
「頼む。近衛兵全員を投入すれば、掃討できなくはないが、
それでは王都の守備ができなくなってしまうんだ。」
近衛兵長が頭を下げる。
うーん。どうしよう?
「報酬はどのくらい頂けるのでしょうか?」
「街道が使えるようになれば、金貨3万枚は支払えよう。」
使えるようになれば、ということは、
現時点では支払えないということだろうか?
これはまたリスクのでかい話だなあ。
そもそも冒険者を数十人集めることなど、
できるのだろうか?
もう少し、手頃な案件をいくつかこなしてから、
こういう大物は来て欲しいんだがなあ。
ただ、この案件を片付ければ、
色々好転することは間違い無しだな。
さてどうしよう?




