80 洞穴内部の整備
シルルンは魔車の中で目を覚まし、ムクリと上体を起こして魔法の袋からリンゴを取り出して、食べながら魔車から出て洞穴の中に入った。
「お目覚めになられたのですね」
メイが笑顔で出迎えた。
「うん、おはよう」
シルルンはリンゴを食べながら、ぼーっとしていた。
すると、ゴーレムたちが並んで立っていた。
「あれ? なんでゴーレムがここにいるの?」
「防壁の作業が終わったからです」
「えっ!? マジで!? やけに早くない?」
シルルンは目を丸くした。
「それはシルルン様が眠りについて三日目の朝だからです」
「えっ!? マジで!? そんなに寝てたの?」
「はい」
シルルンはブラックに乗って外に出て、そのまま防壁まで移動した。
「これはすごいね」
シルルンは満面の笑みを浮かべた。
見渡す限りが石の防壁で、高さ十メートル、厚みが三メートルもあり、間隔をあけて防壁の上に上れるように階段まで作ってあった。
「さすが、ゼフドとアキ。いい仕事をするね」
シルルンたちは階段を上って防壁の上に移動した。
「う~ん……見渡す限りの密林だね」
シルルンは密林をしばらく眺めた後、階段から下りてはっとしたような顔をした。
「これって出入り口がないじゃん……」
(まぁ、ラーネの『瞬間移動』があるからいいか……)
シルルンは何事もなかったような顔をして洞穴に戻った。
「シルルン様、お食事の用意ができておりますので、こちらにいらしてください」
「えっ!? 外じゃないの?」
シルルンは面食らったような顔をした。
「シルルン様、こちらです」
メイは洞穴の奥へと歩き出し、シルルンはメイの後についていくと形は悪いが石のテーブルがあった。
「へぇ、テーブルがあるんだ」
「アミラさんたちが適当な石をもってきてくれたんです」
メイは出来上がっている鍋を石のテーブルの上に置いた。
「あはは、ブチ込み鍋だね」
シルルンはにっこりと笑って、地べたに座った。
ブチ込み鍋とは食えそうなものを叩き込んだ鍋で、調味料は塩のみだ。
プルとプニが肩からピョンと跳んで、石のテーブルの上に着地した。
「ぶっ叩き鍋デス! ぶっ叩き鍋デス!!」
「ぶっ叩くデシ!!」
プルとプニは石のテーブルに置いてあったスプーンを『触手』で掴んで、鍋や器をカンカン叩きだした。
「……」
(いや、ブチ込み鍋だよ……完全に勘違いしてるけど、まぁ、いいか……)
シルルンは乾いた笑みを浮かべている。
メイはお玉で鍋の中から具を器によそってテーブルの上に置いていき、シルルンたちは一斉に食べ始めた。
プル、プニ、ブラック、ラーネは器を一瞬で『捕食』して、器だけ「ペッ!!」と吐き出し、パプルは別に用意された干し肉を嬉しそうに食べている。
シルルンは二杯目をメイによそってもらって食べていると、プルが口の中からカードのセットを取り出し、プニと遊びだした。
カードには〇から十までの数字が書いてあり、カードの種類は火、水、風、土だが、光と闇が一枚ずつあり、ゲームによって光と闇は役割は違う。
ゲームの種類はいろいろあるが、プルとプニがやっているのは、最初の手札五枚で、一回だけ気に入らないカードを交換することができ、決められた役を参考に強い役を揃えたほうの勝ちというシンプルなゲームだ。
「……プルちゃんとプニちゃんは、カ、カードの意味を理解しているんですね」
ラフィーネはいつの間にか現れて、プルとプニの勝負を見て呆気に取られていた。
「あはは、プルとプニは話すことはできないけど人族語は理解してるんだよ。それに人族語の文字も読めるし『触手』で文字も書けるんだよ」
シルルンは得意げな顔で言った。
彼はプルとプニにお小遣いとして、金貨を百枚(1000万円)ほど渡しており、プルとプニは博打の掛け金として使っていた。
「す、凄いですね」
ラフィーネはプルとプニを一瞥し、パプルに視線を転じた。
「あはは、パプルも理解してるけど、人族でいえば二歳児ぐらいのレベルだよ」
「そ、そうなんですね」
ラフィーネはうっとりした表情でパプルを見つめている。
プルとプニの勝負の行方はプニの圧勝に終わり、プルは金貨十枚を失っていた。
シルルンたちはゴーレムたちを連れて西側の防壁の上に移動し、魔物たちの様子を眺めていた。
防壁の外には十匹ほどのアリゲーター種が佇んでいた。
シルルンは防壁の上から薄い青色のミスリルの弓で狙いを定めて風の刃を連発し、無数の風の刃に貫かれたアリゲーター種の群れは全滅して、シルルンたちは防壁の外に飛び下りた。
この地点から十キロメートルほど西に進めば、上層に繋がるルートがある。
シルルンたちは西の方角に一キロメートルほど進んで足を止め、シルルンは『魔物探知』で周辺を探る。
「今はこの辺りには魔物がいないようだね」
シルルンは思念でアース ゴーレムたちに「穴を掘ってくれ」と指示を出した。
すると、凄まじい速さで地面に穴があいて、シルルンたちは地面に沈んでいく。
「あはは、何か変な感じだね」
シルルンたちは三メートルほどの間隔で落下しており、掘られた土はブラックが『捕食』している。
「深さはこれぐらいでいいよ。ここからは穴を広げてよ」
シルルンたちは地下百メートルほどの地点まで到達しており、穴は直径六メートルほどの広さだったが、アース ゴーレムたちが凄まじい速さで穴を広げていく。
シルルンは『魔物解析』でアース ゴーレムたちを視た。
「うん、この程度だとスタミナはほとんど減らないみたいだね」
シルルンは安堵したような顔をして、地面に座り込んだ。
だが、彼はすることがなく、あまりに暇なので眠ってしまった。
しかし、唐突に何かがぶつかったような衝撃音が響き渡る。
「ひぃいいいいぃ!?」
(いったい何の音だよ!? 崩れかけているのか!?)
シルルンは慌てた様子で辺りを見渡した。
すると、プニがウインドの魔法を唱えて、風の刃が土の壁に直撃し、切り裂かれた土の壁はズレ始めて巨大な土の塊が地面に落ち、凄まじい衝突音が響き渡った。
プルは巨大な土の塊を『捕食』している。
「あはは、無茶苦茶だね……でも、悪くない」
シルルンは満足げな表情を浮かべていたが、再び眠りについた。
彼は建築資材にするために大量の土がほしいのだ。
そして、数時間後にシルルンは目覚めた。
「うおっ!? すげぇなオイッ!? 何もないじゃん」
シルルンは面食らったような顔をした。
穴は半径百メートルほどの広さまで拡張されていた。
シルルンは思念でプルたちを『魔物契約』でゴーレムたちを呼び戻し、しばらくするとプルたちとゴーレムたちは戻ってきた。
「お疲れさん」
シルルンはプルたちの頭を優しく撫でた。
プルたちはとても嬉しそうだ。
シルルンはアース ゴーレムたちに鉄の塊を三百個ずつ渡した。
アース ゴーレムたちは嬉しそうだが、何もしていないストーン ゴーレムは鉄の塊をもらえずに不満そうな顔をしている。
シルルンたちは西の防壁の上に移動した。
「とりあえず、この辺の防壁を分厚くしてほしいんだよ」
その言葉に、プルとブラックは口から土を吐き出して、ストーン ゴーレムは吐き出された土を石に変えて防壁を強化していく。
シルルンが西側の防壁を強化しているのは、防壁の厚みが三メートルでは魔物に破壊される危険性があるからだ。
この作業は夕方まで掛かったが、防壁の厚みは十メートルほどまで強化された。
シルルンはストーン ゴーレムに鉄の塊三百個を渡した。
ストーン ゴーレムは嬉しそうだ。
翌日、シルルンの仲間たちは分厚い防壁とその上から見える巨大な大穴が、突然出現したことに驚愕したのだった。
シルルンは魔車の中で目覚めて、ムクリと上体を起こして起床し、洞穴の中に入った。
すでに朝食の時間は過ぎていて誰もいないが、ゴーレムたちは気ままに歩き回っていた。
シルルンは『魔物契約』でゴーレムたちを呼び寄せて、中央に並べられた鉱石に向かって歩いていく。
現在、洞穴は縦横の長さが六百メートルほどまで拡張されており、正面、左右の壁にはそれぞれ十二本ずつの洞穴があり、その洞穴から採掘された鉱石が中央に集められていた。
「シルルン様、おはようございます」
メイと元娼婦たちは鉱石を山ほど積み込んだ台車を六人掛かりで鉱石の山の前まで押してきて、台車を傾けて鉱石を流し込んだ。
彼女らの額からは滝のような汗が流れ落ちて、服もぐっしょりと濡れていた。
「な、何をやってるの!? そんなことしなくていいよ!!」
シルルンは雷に打たれたように顔色を変える。
「でも、私たちは役にたちたいんです!!」
元娼婦たちは生き生きとした表情に満ちていた。
「も、もしかして洞穴の前に置いてある鉱石を、ここに集めてるのメイたちじゃないよね!?」
「それはアミラさんたちがやってくれています。私たちは自分たちで選鉱したものをここに運んでいます」
「洞穴の前に置いてある土の山から選鉱したものをここに運んでるってことだよね?」
「いえ、違います。洞穴の内部に入り選鉱しています。多数の鉱石が密集しているポイントはアミラさんたちでも選鉱に手間が掛かりすぎるからです」
「えっ!? 内部の選鉱をしてるの!?」
シルルンは面食らってぽかんとした。
(ていうか、選鉱より、ここまで運搬するほうがヤバイ……下手すると死んじゃうよ……)
シルルンの顔が恐怖で彩られた。
鉱石を山ほど積み込んだ台車の重さは三百キログラムを軽く超えており、洞穴の内部は地面が平坦ではなくボコボコで、しかも傾斜もあるので体力は激しく消耗し、坂道で台車が勝手に動けば止めることもできず、壁と台車の間に挟まれば即死する可能性もあるのだ。
シルルンは『魔物契約』でアース ゴーレムたちに「ペットになる気はないか?」と尋ねた。
すると、アース ゴーレムたちは快諾したので、シルルンは返答が一番早かったアース ゴーレムをペットにした。
「名前はデク、デク、デク……」
(やべぇ、デクしか思い浮かばない……)
シルルンはバツが悪そうに頭を掻いた。
だが、それは悪口で、彼はなんとか辛うじてブラウンという名前を捻り出した。
「君の名前はブラウンだよ」
シルルンは魔法の袋から鉄の塊三百個をブラウンに渡した。
ブラウンは嬉しそうだ。
「ブラウンにはメイの命令を聞くように言ってあるから、台車の運搬とか重たい作業は頼むといいよ」
ブラウンは鉄を体内に取り込んで、メイの前に移動した。
「ありがとうございます。ブラウンさんは鉄が好きなのですか?」
「うん、ゴーレム系の魔物は鉄が好きみたいだね。たぶん、普通の食べ物は食べないと思うよ」
「ということはブラウンさんは食事はしないということでしょうか?」
「うん。魔法生物はコアを破壊されない限り動けるからね」
「それはすごいですね」
メイたちは羨望の目でブラウンを見つめている。
「でも、結局は鉄を欲しがるから鉄を食ってるのと変わらないけどね」
「はい」
メイは台車の運搬方法をブラウンに教えて、メイたちは洞穴の中に歩いて行った。
「……メイもだけど元娼婦さんたちも真面目すぎるんだよ……出来るだけ早く人を雇わないといけないね」
シルルンは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。
しかし、待遇が良すぎるから捨てられたくないという思いが、彼女らをそうさせているのだがそんなことはシルルンは知らない。
シルルンはプルとプニに鉱石の山を『捕食』するように命令する。
プルとプニはシルルンの肩からピョンと跳び下りて地面に着地し、見上げるような鉱石の山を次々に『捕食』していく。
ブラックは土の山を『捕食』しており、プルとプニは体内の中で処理した金や銀などを直径一メートルほどの大きさに調整し、シルルンの周りに吐き出していく。
シルルンはほくほく顔で金や銀の塊を魔法の袋にしまっていく。
たった数分で大量にあった鉱石や土は全てなくなった。
「あはは、ご苦労さん」
シルルンはプルたちを優しく撫でた。
プルたちは嬉しそうだ。
「じゃあ、ブラックは『捕食』した土を吐き出してよ」
シルルンは『魔物解約』でストーン ゴーレムに「石を作成してくれ」と頼み、ジェスチャーで大きさを伝えた。
指定した石のサイズは、縦横奥行きが全て一メートルほどの長さだ。
ブラックは土を吐き戻し、ストーン ゴーレムが一瞬で石を作成する。
「う~ん、この石は結構重いね……」
(この石で地面を埋め尽くすのはかなりの重労働になるね……)
シルルンは考え込むような顔をした。
彼は地面からの魔物対策として、地面を石に変えようとしていた。
だが、ストーン ゴーレムが作成した石の重さは二千五百キログラムほどあり、この石でホールの地面を埋め尽くすには三十六万個もの石が必要だった。
シルルンは『魔物解約』でストーン ゴーレムに「厚みが一メートルほどの石で地面を埋め尽くしてくれ」と頼んだ。
ストーン ゴーレムは頷いて、ブラックが吐き出した土を材料に地面を石に変えていく。
「あはは、いい感じだね」
シルルンは満足げな笑みを浮かべた。
だが、ストーン ゴーレムは柱を見て動かなくなった。
シルルンは『魔物契約』で「柱はとりあえず放置」と指示を出し、ストーン ゴーレムは頷いて地面を一メートルほど削り、その土とブラックが吐き出した土を混ぜて合わせて地面を石に変えていく。
「う~ん、地面を削る作業はアース ゴーレムたちに任せたほうが効率が良さそうだね」
シルルンは『魔物解約』でアース ゴーレムたちに「地面を一メートルほど削ってくれ」と頼んだ。
アース ゴーレムたちは頷いて地面を削りながら進んでいき、削った土は宙に浮いている。
プルは『浮遊』でふわふわと飛んで行ってアース ゴーレムたちを追いかけながら、空中に浮いている土の塊を『捕食』している。
ブラックはストーン ゴーレムの前に大量の土を吐き出して、ストーン ゴーレムが地面を石に変えて進んでいくと、残った土を再び『捕食』してストーン ゴーレムの前に大量の土を吐き出すことを繰り返している。
プルは「ペッ!!」と巨大な石を吐き出した。
「えっ!? あっ、そうか!? 」
シルルンははっとしたような顔をした。
(鉱石を分離できるんだから、土も石にすることもできるのか……)
シルルンは考え込むような顔をした。
「プニはブラックが吐き出した土を石に変えてほしいだよ」
「分かったデシ!!」
プニは『浮遊』でふわふわと飛んで行ってブラックの傍まで移動して、ブラックが吐き出した土を『捕食』して「ペッ!!」と巨大な石を吐き出した。
ストーン ゴーレムは巨大な石を変形させて、巨大な石は溶けたように広がっていく。
「あはは、爆発的に早くなったね」
シルルンは嬉しそうに笑った。
しばらくすると、ホールの地面は全て石に変わったのだった。
「あはは、これで地下からの攻撃も少しは防げるね」
シルルンはプルたちの頭を撫でる。
プルたちは嬉しそうだ。
シルルンはゴーレムたちに鉄の塊を三百個を手渡した。
ゴーレムたちは嬉しそうに鉄の塊を体内に取り込んだ。
シルルンは紙に書いた絵をストーン ゴーレムに見せて、『魔物契約』で「石で作れる?」と尋ねた。
ストーン ゴーレムは「作れる」と返したので、シルルンはプルとプニが吐き出した石を材料に、絵に描いてあるものを作ってくれと頼んだ。
すると、三十センチメートルほどの大きさだったが、出来上がった物は彼が描いた絵とほぼ同じだった。
「あはは、小さいね……」
(まぁ、そりゃそうか……長さの表記を書いてもストーン ゴーレムには分からないだろうからね)
シルルンは難しそうな表情を浮かべていたが、地面に印を二つ書いて、紙に描いた絵をストーン ゴーレムに見せながら『魔物契約』で「一辺は印と印の長さぐらいで作ってくれ」と頼んだ。
すると、一瞬で部屋が出来上がった。
「おぉ!? すげぇなおい!!」
シルルンはびっくりして目が丸くなっていたが、部屋の中に入った。
作成された部屋は高さ、横幅、奥行きが五メートルで、正面には高さ二メートル、横幅が一メートルの入り口があった。
「あはは、おかしなところもないし、ストーン ゴーレムがいれば石工大工はいらなくなるね」
シルルンは部屋から出て満面の笑みを浮かべた。
プルとプニはストーン ゴーレムが最初に作成した三十センチメートルほどの部屋の中に、無理矢理に入り込んで遊んでいる。
シルルンは『魔物契約』でストーン ゴーレムに「ペットになる気はないか?」と尋ねた。
すると、ストーン ゴーレムは「なってもよい」と返したので、シルルンはストーン ゴーレムをテイムしてペットにした。
だが、彼は名前がデクしか思い浮かばなかったが、長考した結果、グレイという名を捻り出した。
シルルンは作成した部屋と同じものを横に繋がるように、あと九部屋作ってくれとグレイに頼んだ。
すると、グレイは一瞬で部屋を作成し、横並びに部屋が十部屋出来上がった。
シルルンは同じものをあと二つ作成してくれとグレイに頼み、最初に作成された部屋からの後ろに五メートルほどの距離をあけて十部屋分の建物が三軒並んだ。
彼は百メートルほど離れた場所にも同様の建物を作成した。
これにより、洞穴の出入り口から北東側の建物は女用、北西側の建物は男用の個室が完成した。
だが、個室は完成したが部屋の入り口は何もないので無用心だった。
さらにシルルンは洞穴の出入り口から北に進んだところにも部屋を作成した。
大きさは高さは天井に繋がっており、横幅と奥行きが十メートルの部屋を五部屋で、この部屋は風呂と便所だ。
シルルンはアース ゴーレムたちに五部屋の床をぶち抜いて穴を掘らした。
その穴の深さは三百メートルを軽く超えていた。
彼は便所や風呂の排水をどうするか悩んだが、急にめんどくさくなって地下に垂れ流すことにした。
風の力で排水する魔導具を持っていないからだ。
シルルンは五部屋の床をグレイに石で塞いでもらい、一番左の部屋の左端と右端に部屋を五部屋ずつ作成した。
この部屋の真ん中には二十センチほどの穴があいており、その穴に用を足すシンプルな便所だ。
一番右の部屋にも同様の部屋を作り、男用便所と女用便所が作成された。
残りの三部屋に石で作成した浴槽を設置し、各部屋の後側の地面に穴を掘って薪で火をおこす場所を作成した。
左から二番目の部屋は男用、真ん中の部屋は魔物用、右から二番目の部屋は女用だ。
真ん中の風呂が魔物用なのは、彼女がドロドロのまま風呂に入るからだ。
シルルンは洞穴から山沿いに東の方角に進んだところに、山から水が流れる水源を発見し、グレイに配管を作成させて洞穴まで水が流れるようにした。
その配管をそれぞれの風呂部屋に繋げたが、浴槽に水が溜まる一方で、止める方法はなく浴槽から水が溢れた。
焦ったシルルンは配管の入り口を石の板で強引に塞いだ。
彼は細かい作業は大工か細工師にやってもらわないとダメだと思ったのだった。
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