151 メデューサの縄張り②
ローズは上空から一撃離脱での攻撃を繰り返し、カティンとキルは上空から魔法攻撃で石の建物を破壊しており、隙があれば地上に降下してメデューサ種を大顎で両断して数を減らしていく。
300匹ほどいたメデューサ種の数は200匹ほどまで減ってはいるが、殲滅するには時間がかかりそうだった。
カティンとキルは何度もハイ メデューサに攻撃を仕掛けているが、魔法による攻撃も大顎による攻撃も効かないからだ。
「う~ん……ハイ メデューサは『魔法耐性』『能力耐性』『物理耐性』と3拍子揃ってるから厄介だね。さすがハイ ヘドロ相手に肉弾戦を挑むだけのことはあるよ」
しかもハイ メデューサは『連続魔法』も所持しており、接近戦だけでなく遠距離攻撃も得意なのである。
シルルンは『魔物解析』でハイ メデューサを視ながら、視界に入ったメデューサ種の群れに水撃の弓で狙いを定めて水弾を放ち、メデューサ種の頭を次々に破壊しながら呟いた。
「奴らは我らと同様に軽減系の能力を持っているな……」
「……そのようですね。ですが、それなら物理か魔法のどちらかに攻撃を絞ればいいだけのことです」
「だが、魔法では奴等に分がある……物理に絞って五分というところか」
「私もそう思います。私達の大顎で切り裂くのが先か、或いは私達が石化して動けなくなるのが先か……いずれにせよ勝率を上げるにはハイ メデューサ1匹をおびき出して私達、2匹がかりで攻撃するのが定石です」
「いや、『石化』を気にしないで大顎で攻撃してよ。石化したら僕ちゃんが治すから」
カティンとキルの思念での会話にシルルンが割り込み、この思念での会話を聞いていたうさポンはシャツの中から這い出してシルルンの首の後ろにしがみついた。
「おお、マスター!! 近くにおられるのですか!?」
「うん、さっきから見てたよ」
「ではマスターのご命令通りにハイ メデューサに攻撃を絞ります」
「うん」
そう応えたシルルンはカティンとキルに『叛逆』を発動し、カティンとキルは紫のオーラを身体に纏った。
「こ、これは……!?」
「おおおっ!? 以前よりも力が増している!!」
有頂天になったカティンとキルは凄まじい速さでハイ メデューサに突っ込んで大顎の一撃を放った。
しかし、効果はなく、逆にカティンとキルは石化してしまう。
10匹いるハイ メデューサがカティンとキルの元に集まり、一斉に『石化』を放ったからだ。
「え~~っ!? なんで10匹全部ここに集まってるんだよ!?」
慌ててシルルンが石化したカティンたちの元に移動して、うさポンが紫の果物を前脚で搾って汁をかけ、カティンが石化から回復し、ハイ メデューサたちは驚愕して目を見張る。
我に返ったハイ メデューサたちはシルルンに対して一斉に『石化』を放つが、シルルンは気にせずにキルの元に移動し、うさポンが紫の果物を前脚で搾って汁をかけ、キルが石化から回復する。
「ギャギャギギギィ!?」
ハイ メデューサたちは互いに顔を見合わせ唖然としている。
「まぁ、言っても分からないと思うけど、僕ちゃんに『石化』は効かないし、カティンとキルを石化させてもうさポンが治すから無駄なんだよね」
うさポンはシルルンの首の後ろから腰の辺りに移動して、魔法の袋に前脚を突っ込んでせっせと紫色の果物を集めて自身のモフモフの毛の中にしまって再び、首の後ろに戻った。
「ギャヤィギギギィィィィ!!」
半狂乱になって奇声を上げた1匹のハイ メデューサがシルルンに向かって突っ込み、シルルンは動きを止めようと『念力』でハイ メデューサを掴んだ。
だが、ハイ メデューサの動きは止まらず、シルルンはハイ メデューサの爪の一撃をまともに受けた。
「えっ!? あっ、そうか!? 『念力』も能力だから『能力耐性』で効かないんだ……」
ハイ メデューサは爪の連撃を放ち、無数に生えている頭の蛇が一斉に伸びてシルルンに食いついたが、シルルンはされるがままにしている。
「なっ!? 上位種の群れ相手に足を止めて殺り合ってるの!?」
上空からその光景を見たローズは呆れたような顔をしている。
「マ、マスター!?」
滅多打ちにされているシルルンを見て、カティンとキルは思わず声を張り上げた。
「あはは、ありがとう。おかげで『麻痺無効』と『猛毒無効』に目覚めて、そして『麻痺』と『猛毒』を奪えたよ」
シルルンはハイ メデューサに猛攻撃を受けているにも拘わらず、無造作に左手を突き出し、バランスを崩したハイ メデューサは尻餅をついてシルルンを見つめて絶句している。
この光景を目の当たりにした残りのハイ メデューサたちは後ずさって一斉に逃げ出したが、シルルンは水撃の弓で狙いを定めて9発の水弾を放ち、逃げたハイ メデューサの頭が破壊されて首から血を噴出させて倒れた。
残った尻餅をついているハイ メデューサに、カティンとキルが攻撃を仕掛けて大顎に胴体を切断されて、体が上下に分かれたハイ メデューサは胴体から血飛沫を上げながらもキルに『石化』を放ったが効かず、大量出血で力尽きた。
「おおっ!? なぜか分からんが『石化軽減』に目覚めましたぞ!!」
「その紫のオーラを纏ってる間は攻撃を受けると能力に目覚めることがあるんだよ」
(う~ん……上位種が10匹もいて『石化軽減』だけか……プルたちを捜すためにもカティンたちを強化しようと思ったけど案外、時間がかかりそうだね……)
シルルンは苦笑しながら頭を掻いた。
「そ、それはすごいですなっ!!」
「……なるほど、石化してもいいとはそういうことだったんですね」
「まぁ、上位種はもういないから通常種を相手に物理だけで戦ってたら目覚める確率は高いと思うんだよね」
「そういうことなら物理だけで戦います」
「うん。僕ちゃんは後から追いかけて石化してたら治すからね」
カティンとキルは頷いて凄まじい速さで地上を駆けていった。
「ローズ……君は『石化軽減』が欲しいかい?」
シルルンは空を翔るローズに思念で聞くと同時にルアン、アクエリアス、ターコイズ、ヤミにも同様のことを聞いてみる。
「……そりゃあ、欲しいわよ」
「だったら下りてきなよ。さっきキルが『石化軽減』を手に入れたからね」
するとローズはすぐにシルルンの前に下り立った。
「どういうことなの?」
「うん、説明はちょっと待ってね。今、ローズに伝えたことを他のペット達にも言ったからね」
しばらく待っていると聞いた全員がシルルンの前に現れたのだった。
シルルンはローズたちにどういうことかを説明し、全員に『叛逆』を発動したのだった。
「――っ!?」
シルルンが『叛逆』をペット達に発動したことにより、ペット達の顔色が急変する。
「な、なんだこの力は……?」
ルアンは喜びに打ち震えている。
「僕ちゃんの能力だよ。その紫のオーラを纏っている間はステータスが3倍になってるんだよね」
「さ、3倍!?」
ペット達が声を揃えて言った。
「まぁ、そんなことよりも説明した通りに攻撃は物理に限定して上手い具合に『石化』をくらってたら『石化軽減』が手に入るから頑張ってね」
「……」
ペット達は無言で頷き、足並みを揃えて歩いていった。
「……さてとカティンとキルはどこかな?」
シルルンは『魔物探知』でカティンとキルの位置を探り、探知した位置へと歩き出す。
その場所に到着するとカティンは石化していたが、キルは10匹ほどのメデューサと戦いを繰り広げていた。
「メデューサも『物理耐性』を持ってるから物理で倒すには苦労しそうだね」
うさポンは石化したカティンに素早く紫の果物を前脚で搾って汁をかけ、カティンは石化から回復する。
「ありがとうございます」
カティンはすぐにメデューサの群れに突撃する。
「……カティンが『石化軽減』に目覚めるまで待ってたほうが良さそうだね」
その後、カティンは2度石化したが『石化軽減』に目覚め、シルルンはローズ達のほうに歩き出した。
この時点でキルは『石化耐性』に目覚めており、最早、キルが石化する可能性は極めて低くなっていた。
シルルンがローズたちのところに到着すると見事に全員が石化していた。
「う~ん……まぁ、そうなるだろうね……『能力耐性』を持ってるカティンですら4回石化してるから、持ってないと厳しいだろうね」
シルルンはローズ達の前で佇んでいたメデューサ種の群れを、水撃の弓で水弾を放って皆殺しにしながら言った。
うさポンは石化したローズ達に素早く紫の果物を前脚で搾って汁をかけ、ローズ達は石化から回復して再び、メデューサ種を探しながら歩いていく。
シルルンはこれを何度も繰り返し、メデューサ種の群れが全滅した頃、ローズ達、全員が『石化無効』に目覚めていた。
メデューサ種の群れが全滅したことで、カティンとキルもシルルンの元に戻ってきた。
「お待たせしました。なんとか『石化無効』に目覚めることができました」
カティンはうれしそうにシルルンにそう報告したが、キルは不敵に笑っているようにシルルンには見えた。
シルルンは何も言わないキルを『魔物解析』で視てみるとシルルンと同様に『石化無効』『麻痺無効』『猛毒無効』に目覚め、そして『石化』『麻痺』『猛毒』を奪っていた。
「……キルは名前通りに恐ろしい個体になったようだね」
「……ポン……ポン!!」
ペットたちが『石化無効』を手に入れてうれしそうにしているのを見たうさポンが思念でシルルンに言った。
「えっ!? うさポンも『石化無効』が欲しいって!?」
「ポン!!」
「う~ん、うさポンは戦うことがないから『石化無効』はいらないんじゃないかな?」
「ポン……」
うさポンは耳を垂れ下げてしょんぼりした。
「……わ、分かったよ。うさポンもよく働いてくれたからなんとかしてみるよ」
その言葉にうさポンは目を輝かせた。
「……だけどどうしたものかな」
(……ここのメデューサ種は全滅させたし進む先にまたメデューサ種がいればいいけど……)
シルルンはとりあえず、後方で待機しているペット達を自身の元に思念で呼び戻し、シルルン達は西の方角に進軍を開始する。
だが、シルルンたちはメデューサ種に遭遇せずに縄張りを通過してしまう。
「こうなると南下するだけだから運良くメデューサ種に遭遇できればいいけど……」
道に出たシルルンたちは進路を南に変更して進んでいく。
しかし、南下するシルルン達の前に現れたのはナーガ種やラミア種ばかりで、先行するカティンとキルに皆殺しにされた。
シルルン達は難なく南下していくが複数のルートが交わる地点に近づくと登ってくる大量の魔物の群れと戦いになった。
先行するカティンとキルだけでは魔物の数が大量過ぎて対応できず、ルアンやローズ達も戦いに加わるがそれでも突破される。
「迎撃!!」
シルルンはスタッグ ビートル約200匹に思念で命令し、登ってくる大量の魔物の群れを攻撃させた。
これにより大規模な戦闘状態になり、シルルン達の足が止まった。
しばらくすると魔物の群れは殲滅され、シルルン達は南下して複数のルートが交わる地点に到着し、ペット達は息を呑む。
「……前回、空から見た時よりも数が増えてるね……ざっと10万というところか……」
複数のルートが交わる地点はどの方向を見ても魔物で埋め尽くされていた。
「ここさえ抜ければ、あとは動物系の魔物か虫系の魔物の縄張りになるから一気に突破するよ」
シルルンは陣形を変更して4つに分けた。
最前列はルアン、ローズ、アクエリアス、カティン、キル、ターコイズ、ヤミだ。
2列目はスタッグ ビートル達。
3列目はアメーバ達。
最後尾はシルルンと残りのペット達。
「最前列はとにかく向かってくる魔物を皆殺しにして進んで、2列目のスタッグ ビートル達は突破してきた魔物を殲滅。3列目のアメーバ達は傷ついた仲間に果物を渡しながら倒した魔物を『捕食』」
シルルンの言葉にペット達は黙って頷いた。
「じゃあ、突撃!! 進路は南東!!」
最前列のルアン達が突撃するが、その突撃も大量の魔物に阻まれ足が止まる。
ルアン、ローズ、アクエリアスは魔物の群れに『炎のブレス』を吐いて焼き殺し、一瞬下がって魔物群れに体当たりをぶちかまし、無数の魔物が弾き飛ばされて宙を舞う。
10メートルを超える巨体である3匹だからこその戦術だ。
これを何度も繰り返し、ルアン、ローズ、アクエリアスが道を切り開いていく。
「あはは、すごいパワーだね」
「あぁ? 『反逆』を使わないのか?」
「主力のマーニャたちを出しても無理だったら使うけど、使わなくてもいけると思うよ」
シルルンはめんどくさいので『叛逆』に目覚めたことをダイヤに説明しなかった。
暴れ回るルアン達を目の当たりにした魔物の群れは驚愕して動きが鈍った。
そこにスタッグ ビートル達が突撃し、ルアン達の後方に回り込んだ魔物の群れを攻撃し、後方の憂いが解消したルアン達は前方に火力を集中させた。
ルアン達は南東へと突き進んでいき、スタッグ ビートル達は前面と左右の3つに分かれて、前方と左右から突っ込んでくる魔物を倒しながらルアン達を追いかけていく。
アメーバ達はスタッグ ビートル達が作った前面と左右の壁の中に入って嬉しそうに魔物の死体を『捕食』していく。
「あはは、いい感じの陣形が出来上がったね」
シルルン達も移動を開始し、スタッグ ビートル達が作った陣形の後方を塞いだ。
「マーニャ達は後ろから襲ってくる魔物を攻撃」
「ま~っ!!」
「プリュウ!!」
「メェ~!!」
「ペぺ!!」
マーニャ達は元気いっぱいに鳴いてシルルンの元から離れて後方から襲い掛かる魔物の群れを迎撃する。
「何か忘れているような……」
そう呟いたシルルンは首にしがみついているうさポンを見て思い出した。
「石化無効』のことを忘れてたよ……だけど、メデューサ種が見当たらない……」
(他に『石化』を持ってる魔物はいなかったかな……?)
しかし、そんな魔物はおらず、シルルンは逡巡する。
「――あっ!? そうか!! なんで気づかなかったんだ……」
シルルンは恥ずかしそうな顔をしながら頭を掻いて、首にしがみついているうさポンを両手で持ってうさポンに『叛逆』を発動してうさポンは紫のオーラを纏った。
うさポンは唐突に身体能力が大幅に向上して目を丸くした。
そして、シルルンの目が怪しく輝いてうさポンは石化したのだった。
「あはは、これを繰り返したらいいだけの話だったんだよ」
「お、おい……兎がいきなり石化してるぞ!? どこからの攻撃だ!!」
「はわわわわ!? うさポンちゃんが大変ですぅ!!」
ダイヤとシーラは慌てているがザラはシルルンの横顔を興味津々そうな目で見つめていた。
シルルンは左腕で石化したうさポンを抱き、右手を魔法の袋に突っ込んで紫色の果物を取り出して、握り潰して汁をうさポンにかけた。
するとうさポンは石化から回復して目をぱちくりさせている。
「ダイヤもシーラも心配しなくていいよ。うさポンは僕ちゃんが石化させたんだよ」
シルルンはそう応えて、再びシルルンの目が怪しく輝いてうさポンは石化した。
「なっ!?」
「えっ!?」
ダイヤとシーラは絶句して身じろぎもしないが、ザラは怪訝そうな表情を浮かべていた。
シルルンはスタッグ ビートル達を追いかけながら、これを繰り返し、5回目でうさポンは『石化軽減』に目覚めたのだった。
「ポン!! ポン!! ポン!!!」
うさポンは『石化軽減』に目覚め、大喜びして何度も鳴いている。
「あはは、吸収する確率は20%ぐらいかな? 僕ちゃんと比べると半分以下の確率だけど『反逆』と比べると遥かにマシな確率だよ」
調子に乗ったシルルンは道中、これを繰り返し、うさポンは『石化無効』に目覚めて『石化』を奪うことにも成功した。
こうして、見た目は可愛らしいのに恐ろしい石化兎が誕生したのだった。
「頂上の複数のルートが交わる地点と比べるとここの魔物は数が多いだけでかなり弱いね」
下りていくほどに虫系や動物系の魔物の比率が上がり、特殊な能力を所持する魔物が減るのでルアン達の進軍速度は加速して、シルルン達は複数のルートが交わる地点を突破して動物系の魔物の縄張りに差し掛かる。
「あはは、ここまで来ると後は楽勝だよ!! 適当なところでいったん休憩するよ」
シルルン達は動物系の魔物が支配するルートを進んでいき、視界に魔物の群れがいないことを確認してから休憩に入る。
腹が減った者や傷ついた者はアメーバ達から果物を貰って回復に努めた。
「なぁ? 拠点はもうすぐなのか?」
ダイヤの言葉にペット達の視線がシルルンに集中する。
「距離的には半分ぐらい進んだ感じだね」
「あぁ? まだ半分なのか!?」
「でも、ここからは動物系の魔物ばかりだから楽に進めると思うよ」
数時間ほど休憩したシルルン達は進軍を開始する。
襲い掛かってくる魔物の数は最大でも500匹程度で、先行するルアン達はそれを正面から迎え撃ち、突破していく。
こうなると龍族3匹と上位種であるスタッグ ビートル2匹の猛攻を阻むことができる魔物はおらず、魔物の群れは砕け散るか身体を2つに切断されて肉片に変わっていく。
だが、そんなルアン達を意に介さずに突撃する魔物の群れがあった。
「へぇ、あれはハイ タートス(亀の魔物)……初めて見たよ……『鉄壁』とヒールの魔法を持ってるけど馬鹿だね……相手が悪い」
シルルンは『魔物解析』でハイ タートスを視て苦笑した。
群れを率いているのは5匹のハイ タートスでその後ろには200匹ほどのタートス種が続く。
ブレることなく5匹のハイ タートスはルアン達に突撃するが、その身体はルアンの前脚の一撃で砕け散り、アクエリアスとローズの凶悪な牙に頭部を食いつかれて血を噴出させて即死し、カティンとキルの大顎に両断されて身体が上下に分かれて即死して一瞬で全滅したのだった。
これを目の当たりにした後続のタートス種200匹は急停止して2つに分かれて道を空けた。
ルアン達は2つに分かれたタートス種を見もせずに突き進んでいく。
「うんうん、それでいい」
シルルンは満足そうな笑みを浮かべながら、道を空けたタートス種200匹に襲い掛かろうとしているスタッグ ビートル達に「襲ってこない魔物はほっといていいよ」と思念で伝えて、スタッグ ビートル達もルアン達を追いかける。
凄まじい速さで突き進むルアン達を止められる者は最早、どこにもいなかったのだった。
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