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スライムスライム へなちょこ魔物使い  作者: 銀騎士
鉱山 採掘編

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121 装備一新 修


「シルルン様、皆さんがお揃いになりました」


 鉱山拠点の中にあるシルルンの部屋の扉からメイとセーナが顔を覗かせている。


 シルルンはブラックと酒を酌み交わしていたが、コップに残った酒を一気に飲み干してメイの言葉に頷いた。


 彼が立ち上がるとテーブルの上で遊んでいたプルとプニ、プルルとプニニがシルルンの肩に飛びのり、プルルとプニニはプルとプニの口の中に入っていった。


 部屋から出たシルルンは、ブラック、純白の騎士、メイ、セーナを連れて食堂に向かって歩いていく。


 シルルンがメイたちに仲間たちを集めさせたのは、森の魔物の討伐に参加するためにある。


 すでにラーネが『瞬間移動』でトーナの街から南下した場所にある森に飛んでおり、シルルンたちが任された西南のポイントに向かっている最中だ。


 彼女がポイント付近に辿り着いたら、そこから『瞬間移動』で冒険者ギルドに飛んで、奴隷秘書たちと合流してから『瞬間移動』で拠点に戻ってくるという段取りになっている。


 アダックの件でラーネはシルルンから離れることを嫌がっていたが、今回の依頼は森の魔物の討伐であり、シルルンが鉱山拠点から動かないことは明白なので、彼女は嬉々として森へと姿を消したのだった。


 シルルンたちが食堂まで歩いていくと、食堂には仲間たちの他に、掘り手の男たちや雑用の女たちも集まっていた。


 仲間たちを召集してくれと頼んだだけなのにも拘わらず、なぜ彼らが集まっているのだとシルルンは疑問に思ったが口には出さなかった。


 食堂を通り過ぎたシルルンたちは開けた何もない場所まで移動すると、シルルンは足を止めて振り返る。


 そこには仲間たちに加えて掘り手の男たちや雑用の女たちの姿があり、彼らとシルルンたちが対峙する形になった。


 掘り手の男たちや雑用の女たちは、メイとセーナがシルルンの仲間たちに声を掛けているのを聞いており、何か始まるのかと彼らは勝手に集まっていた。


 シルルンの傍らにはメイとセーナの姿があり、ブラックの隣には純白の騎士が控えている。


 純白の騎士は何者なのかとメイとセーナは内心思っていたが、すぐに紹介されるだろうとシルルンに尋ねなかった。


 シルルンはセーナに耳打ちして指示を出した。


「メイさん、リジルさんたちとボニーさんたちは前へ出てきてください」


 そう声を発したセーナの声はよく通り、拠点内に心地よく響いた。


 名を呼ばれた者たちがシルルンの前に並んで跪いた。


 ちなみに、ボニーという名は元娼婦だ。他四人の名前はモリー、リリー、コニー、サリーという。


 勤勉な彼女らは【メイド】に就いたことにより、メイとセーナに次ぐ実力者になっていた。


 指導者としてもボニーたちは雑用の女たちから評判が良く、容姿はメイやセーナと比較すると劣るが、娼婦をやっていたので悪くはなく、掘り手の男連中にも人気がある。


 その下にメイとセーナが育成している有能な雑用が五人存在し、近い将来、この十二人の女たちがシルルンの第四区画を仕切っていくことになるのである。


「お前らは俺の奴隷だが奴隷証書で契約したいと聞いたから奴隷証書を用意した」


 シルルンは魔法の袋からピンク色の奴隷証書を十二枚取り出してセーナに手渡した。


 セーナはシルルンの前で跪いている十二人の前に奴隷証書を一枚ずつ置いていく。


 目の前に置かれた奴隷証書を目の当たりにした十二人は目を輝かせている。


 シルルンは魔法の袋から硬貨袋を次々に取り出しセーナに手渡すと、セーナは硬貨袋を十二人の前に二袋ずつ置いていく。


「お前たちの前には奴隷証書と二千万円がある。二千万円を選んだ場合は俺との奴隷契約は破棄されて自由の身になれる。拠点ここから去っても構わないし、引き続き、拠点ここで仕事をしても構わない。よく考えてどちらかを選んでくれ」


 シルルンは真剣な硬い表情で十二人を見渡した。


「ど、どういう二択だよ……」


「全く意味が分からないわ……」


「……どう考えても二千万を選ぶだろ」


 掘り手の男たちや雑用の女たちがざわついた。


 だが、十二人は迷う素振りもなく奴隷証書を手に取っていた。


「シルルン様、奴隷契約の誓いをここで行ってもよろしいでしょうか?」


 一秒でも早くシルルンの奴隷に戻りたいと思うメイは、喜びを抑えきれずにこぼれるような笑みを浮かべている。


 シルルンは首を縦に振った。メイが最初に奴隷になることを宣言して、シルルンの奴隷になったメイは喜びに打ち震えている。


 他の者たちも奴隷になることを次々に宣言していき、結局、全員がシルルンの奴隷になったのだった。


「マ、マジかよ!?」


「……な、なんでこうなるんだ?」


「信じられない結果だわ……」


 全員が奴隷を選ぶという結果に場は騒然となる。これにはシルルンも言葉を失っていた。


「それでは皆さんは一度お下がりください」


 セーナの言葉に、十一人は下がってメイはシルルンの傍らに控える。


 シルルンはメイに小声で指示を出し、セーナが硬貨袋を全て回収してシルルンに手渡した。


「リザさん、ビビィさん、ロシェールさん、バーンさんは前に出てきてください」


 メイの声は透き通るような声をしており、拠点内によく響いた。


 なぜ呼ばれたのかとリザたちは怪訝な表情を浮かべながらシルルンの前に集まった。


「バーンさんは最近シルルン様のお仲間になられたのですが、知らない方が大勢いらっしゃるので自己紹介をお願いします」


 頷いたバーンは踵を返して話し始めた。


「俺の名はバーン。世界各地を渡り歩いてた【傭兵】だ。大将の強さを目の当たりにした俺は激しい驚きと共にとろけるような痺れを覚えた……分かるか? 俺は全身で感じたんだ……」


 バーンは虚空を見つめて口から涎をたれ流している。


「い、いかれてやがる……」


「す、すごいのが仲間になったわね……」


「だ、大丈夫なのか……」


 掘り手の男たちや雑用の女たち騒ぎ立てる。見兼ねたシルルンが苦笑しながらメイに目配せする。


 シルルンの意図を組み取ったメイは、バーンを放置して進行を進める。


「ではリザさん前へ」


「いったい、何なのよ?」


 リザは訝しげな眼差しをシルルンに向ける。


 シルルンは魔法の袋から武具と腕輪を取り出してセーナに手渡し、セーナはリザの前に武具と腕輪を置く。


「……ど、どういうこと?」


「この武具はシルルン様からリザさんへのプレゼントです」


「……そ、そんなの貰える訳がないじゃない。私とビビィは仲間で報酬もシルルンから貰ってるんだから」


 目の前に置かれた武具をリザはちらちらと見ながら言った。


 だが、それは建前で本当は喉から手が出るほど欲しいと彼女は思っていた。


 目の前に置かれた武具は透き通るような赤色の素材で作られており、あまりの美しさに心を奪われたこともあるが、何よりシルルンから贈られたものだからだ。


「もうそんなことは気にするな。その武具はウルツァイトで作られている。剣だけでも三億円の品だ。俺がリザのために選んだ武具なんだぞ?」


「……あ、ありがとう」


 (お、俺!? また俺バージョンのシルルンだわ……)


 一瞬面食らったリザは頬を朱に染めた。

 

 シルルンの一人称が俺に変わっていることに気づいた仲間たちも違和感を覚えて怪訝そうにしている。


「それでいい。その武具は稀有な職業である【竜騎士】に就いたリザには相応しいだろう。それにウルツァイトはリザに良く似合う」


 だが、【竜騎士】に就いたことによりリザは魔法を使えるようになったので、シルルンはルルーン作の炎の剣をどうするか考えあぐねて棚上げするしかなかった。


「……」 


 自身の髪の色のように顔を真っ赤に染めたリザは、シルルンの顔を直視することができずに俯いたままだ。


「お、おい、聞いたかよ……剣だけで三億だとよ……」


「剣だけで三億円だと鎧は八億円ってとこかしら?」


「マ、マジかよ!? 剣と鎧だけで十億超えてるじゃねぇか!?」


 掘り手の男たちや雑用の女たちは羨望の眼差しをリザに向けている。


「ではビビィさん前へ」


「むっ、私にも何かくれるの?」


「あぁ、その通りだ。ビビィの装備は貧弱すぎるからな……」


 シルルンの装備もシャツと半ズボンとサンダルという舐めきったものだが、ビビィの装備は木の枝と体に巨大な葉っぱを巻きつけているだけで、シルルンよりもさらに貧弱だった。


「ちょうだいちょうだい!!」


 ビビィは瞳を輝かせてシルルンの元に詰め寄った。


 シルルンは魔法の袋からミスリルロッド、ミスリルローブ、ミスリルシューズを取り出してビビィに手渡した。


「むっ、このペラペラはいいやつなの?」


 リザが受け取った装備と自身が受け取った装備を見比べたビビィは不満げに尋ねた。


「そのローブだけでリンゴが十万個買えるぐらいの品だ」


「!?」


 十万個を指で数えようとしたビビィは不可能だと気づき、すごい数のリンゴが買える品だと理解したようで彼女は嬉しそうな顔をした。


「ロシェールさん前へ」


 ロシェールは頷いてシルルンの前で跪き頭を垂れた。


「ロシェールは仲間になって日は浅いが無茶な戦い方をするからこれを贈る」


 シルルンは魔法の袋からミスリル製の武具を取り出してセーナに手渡し、セーナはロシェールの前に武具を置いた。


「はっ、ありがとうございます」


 ロシェールは目の前に置かれたミスリル装備一式(剣、兜、鎧、脚、盾)とダイヤモンドシールドを見て喜びに打ち震えた。


 ミスリルは冒険者にとって憧れの装備品であり、超一流と認められるからだ。


「それではお下がりください。ゼフド、アキ、ラフィーネさん、ヴァルラさんは前へ出てきて下さい」


「メイさん、あなたもです」


 セーナの言葉に、メイは軽く目を見張ったが素直にシルルンの前に移動して跪いた。


 リザたちが下がって名を呼ばれた者たちがシルルンの前で跪いたが、ヴァルラだけは立ったままでその足取りは千鳥足だった。


 シルルンは魔法の袋からミスリル製のを武具を取り出して一人分ずつセーナに手渡し、セーナは武具を置いていく。


「ゼフドとアキはブラックミスリルの装備一式、ラフィーネとヴァルラは鎧をドレス系の服に変えてある。メイにはドレス系の服と靴、護身用にミスリルダガーを用意した」


「はっ、ありがとうございます」


 全員がミスリルの武具に顔をほころばしているが、ヴァルラだけは酒ではないのかと不服そうだ。


 シルルンは魔法の袋から漆黒の剣を取り出して視線をゼフドに転じた


「この剣はアダックのダンジョンで高レベルのデーモンが持っていた首斬りの剣だ。効果は闇属性と人族特攻だ。【暗黒剣士】になった祝いにゼフドにやろう」


 シルルンは首斬りの剣をセーナに手渡して、セーナは首斬りの剣をゼフドの前に置いた。


「はっ、ありがとうございます!!」


 ゼフドは感動に打ち震えており、羨ましそうに首斬りの剣を見つめたアキは物欲しそうな顔でシルルンを見つめた。


「……すまないがアキの剣はない。まさか【天馬騎士】になるとは思ってなかったからな」 

 

「……えっ?」


 アキはショックを露わにしている。


「だから、手元にある武器でいいか?」


 ぱーっと表情が明るくなったアキはこくこくと頷いた。


 シルルンは魔法の袋から剣と短剣を取り出してセーナに手渡し、セーナは剣と短剣をアキの前に置いた。


「剣のほうは風絶の剣だ。効果は吸収型の風属性の剣だがアキはいろんな属性の攻撃魔法をもっているから風絶の剣は嬉しくないと思うがな。短剣はウルツァイトダガーだ。どっちがいい?」


「ありがとうございます!!」


 屈託のない笑みを浮かべたアキは躊躇なく風絶の剣を手に取った。


「……意外だな、ウルツァイトダガーを選ぶと思っていたからな。ちなみに風絶の剣の値段は十億だ」


 その言葉に、目を剥いて驚くアキは風絶の剣を持つ手が震え始めた。


「それではお下がりください。アミラさん、ダダさん、デデさん、ブラ隊の皆さん、リジルさんたちは前へ出てきて下さい」


 ゼフドたちが下がると、ウルツァイトダガーを回収したメイはシルルンに手渡して傍らに控える。名を呼ばれた者たちがシルルンの前で跪いた。


 シルルンは魔法の袋からミスリルの武具を取り出して一人分ずつセーナに手渡し、セーナは武具を置いていく。


「皆にもミスリルの武具を贈る。採掘を頑張っているアミラたちにはミスリルマトックも贈ろう」


「はっ、ありがとうございます」


 目の前に置かれたミスリルの武具を見て全員が歓喜の声を上げた。


「【重装魔戦士】になった祝いにアミラには土刃の剣をやる。ブラ隊は誰も魔法が使えないからブラに風刃の剣をやろう。この二本の剣はアダックのダンジョンで入手した制限型の魔導具だ。効果は日に十回だけその属性の刃を放てるというものだ」


 シルルンは魔法の袋から土刃の剣と風刃の剣を取り出してセーナに手渡し、セーナは土刃の剣をアミラの前に置き、風刃の剣をブラの前に置いた。


「ははっ、ありがとうございます!!」


 アミラとブラは両足で跪いて頭が地につくほど深く頭を垂れた。


「それではお下がりください。セーナさん、ボニーさんたち、ガダンさん、ホフマイスターさんは前へ出てきて下さい」


 呼ばれた者たちがシルルンの前で跪くが、ホフマイスターはなぜ自分が呼ばれたのか見当もつかずに眉を顰めた。


「皆もよく頑張ってくれているのでミスリルの装備を贈る」


 シルルンは魔法の袋からミスリルの武具を取り出して一人分ずつメイに手渡し、メイは武具を置いていく。


「あ、ありがとうございます!!」


「はっ、ありがとうございます!!」


 セーナは目の前に置かれたミスリルの武具を見て呆然とし、ボニーたちは感極まって泣き出した。


 ガダンはいまだに安物の灰色のローブを着ていたが、シルルンから贈られたものなので感動して喜びに打ち震えている。


 ホフマイスターは目の前に置かれたミスリルアーマーとミスリルブーツ見つめながら、なぜ武具を貰えるのかと彼は困惑していた。


「ホフマイスターはガダンの配下だがこの拠点を護っている隊長だから武具を贈った。しかし、弓がないことに戸惑っているだろう?」


「……は、はい!!」


 シルルンに指摘されて気づいたホフマイスターは慌ててそう返した。


「手元にはミスリルボウがないから代わりにこれを贈ろう。俺には扱えないからな……」


 シルルンは魔法の袋から白く光輝く弓を取り出してメイに手渡し、メイが白く光輝く弓をホフマイスターの前に置いた。


「……こ、これは……ま、まさか……そんな……」


 ホフマイスターが驚愕の眼差しをシルルンに向ける。


「アダマンタイトボウだ」


「なっ!?」


 これにはアダマンタイトを知る者たち全員が絶句し、ホフマイスターは放心状態に陥った。


「俺は事が済んだら拠点ここから去る。お前には拠点ここの守護神になってもらいたいと思ってるからな」


「……は、はっ!!」


 我に返ったホフマイスターは弾かれたように両足で跪いて頭を地につけた。


「そ、それではお下がりください」


 ボニーたちは後方に下がり、セーナはシルルンの傍らに戻ったがホフマイスターは固まったままだ。


「何をしている早くそれを収めよ」


 目の前に置かれたアダマンタイトボウをいまだ手に取ることができずにいるホフマイスターにガダンが促した。


「は、はい……」


 ホフマイスターは恐る恐るアダマンタイトボウを手に取った。


「それでいい……お前は我が王にその実力を認められたんだ。誇るがいい」


 自分のことのようにガダンは微笑んだ。


「……はい!!」


 ホフマイスターの顔には最早、迷いや躊躇の一切ない決意に満ちた表情が窺え、シルルンへの絶対的な忠誠心が芽生えた瞬間だった。


 ちなみに、シルルンはアダマンタイトボウを扱えないと思っている。


 だが、彼は『弓神』を所持しているので扱えるようになっているのだが、そんなことはシルルンは知らない。


 ガダンとホフマイスターが下がると、掘り手の男たちや雑用の女たちが騒ぎ始めた。


「……アダマンタイトってそんなのすげぇのか?」


「当たり前よ!! この世で一番硬い物質と言われてるのよ」


「マ、マジかよ!? いったいいくらするんだ?」


「十億以上は確実だろうな……」


「なぁ、ここのオーナーはおかしくないか? さっきから高額な品をぽんぽん与えて……」


「……まぁね、でもそれは皆もそう思ってると思うわよ」


「奴隷なのにだろ? オーナーの奴隷に対する扱い方は常識とは真逆だよな」


「要するに、あり得ないけど奴隷になったほうが得ってことよね……」


 誰かが言ったその言葉に彼らは面食らったが、一転してどうすれば奴隷になれるのかと彼らの顔は真剣なものに変わっていた。


「シルルン様がお話になられるのでお静かにお願いします」


 メイがそう声を発すると、場はすぐに静寂を取り戻した。


「俺は冒険者ギルドで魔物を討伐する依頼を受けた。場所はトーナの街から南東にある森だ。その森には大穴が多数ありそこから大量の魔物が這い出てきているらしい。依頼内容はその魔物を討伐することだ。何か質問はあるか?」


「魔物はどのような種なんでしょうか?」


 ブラが真剣な硬い表情で尋ねた。


「主にアント種とクラブ種だと聞いている。クラブ種の通常種は上位種並みに強いらしいが俺たちの敵ではないだろう」


 腕を組んだシルルンは不敵な笑みを浮かべている。


「!?」


 その行動に対して仲間たちは怪訝な面持ちを深めた。


「他に質問はないか?」


 シルルンはゆっくりと仲間たちの顔を見渡していく。


「……」


「森の南にはロレン将軍が兵三千を率いて迎え撃ち、南東にはリック隊が総指揮官として冒険者たちと連携して魔物を迎え撃っている。俺たちが指定された場所は森の南西で手薄らしいが一気に片付けるつもりだ」


 その言葉に、目の前の男は本当にシルルンなのかと仲間たちは訝しさを禁じ得なかった。 


 だが、戦闘狂のゼフド、アキ、バーンは思わず口角に笑みが浮かんでいた。


「すでにラーネが現場に向かっている。ラーネが戻ってきたら出撃する予定だ。参加する者は装備を整えて俺の部屋に集合だ」


 シルルンが歩き出すと進路を塞いでいた者たちが二つに分かれ、シルルンは堂々と自室に向かって歩を進める。


 その後をブラックと純白の騎士が追従するが、純白の騎士の紹介はされておらず謎のままだった。

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[一言] 純白の騎士は紹介しないでしょうねぇ。 骨だしねぇ。
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