ならなければならない少女への試練
何日も考えて、結論を出した。
召喚王になろうと。
なりたいか、なりたくないか、そういう事を考えていたのではない。
ならなければならないか、ならなくても良いか、それが重要だった。
そうして、結論として、ならなければならないと思った。
他の召喚士に、この世界を委ねる事は出来ない。
自分が、自分こそが、この世界を背負わなければならない。
そういう結論なのだ。
サイコロを振って、0。
そして、また、0。
00のサイコロは、00の結果を導き出す。
「嘉島那岐か、そういう事になってしまうか」
「貴方も、召喚できるのね…」
「当然だ。この身も召喚対象、カミムと名乗らせてもらおうか」
「私の事は全て知っているのかしら?」
「勿論だ。全身隈無く隅々まで把握しているよ」
全く嬉しくない宣告だった。
「貴方の年齢を聞かせてもらえるかしら?」
「0であり、0でなく、無限であり、有限である」
年齢不詳、と。
「貴方の性別は?」
「男にも及ばず、女にも属さず、中性ではなく、或いは神かも知れぬ無だ」
性別不明、と。
「貴方は私を召喚王にしてくれるのかしら?」
「不可能だな。全てを知ってはいるが、何の力も持たない。召喚王になりたくば、知識を使い、駆けずり回れよ、嘉島那岐」
全知無力、と。
それにしても、私は幸運だったのだろうか、それとも、不運だったのだろうか。
カミムを召喚すれば、全てが分かる。
ただ、それをどう使うかは全て自分に負わされた枷になる。
「私は召喚士の中で、何番目に召喚を実行したのかしら?」
「最後だ」
「もう、みんな召喚を終えていると言うの!?」
「遅きに失したからこそ、カミムを召喚できたとするならば、素晴らしい!」
自画自賛は大いに結構だが、まさか、自分が召喚士の中で最も出遅れていたなんて、全くの予想外だった。
まだまだ、躊躇している者、迷っている者、逃げようとしている者、様々に数多く存在すると思っていたのに、何という事なのだろうか。
「急がなければ、どうしようもならなくなるわ」
「では、知識を求めて行動を起こしたまえよ」
「一番近くに居る召喚士を教えなさいな」
「新村紀人、67歳」
名前と年齢、性別も分かったわけだが、知識というのは案外と厄介であると理解した。
絵がないのだ、どんな顔かも分からなければ、身長体重も聞けば教えてくれるのだろうが、想像するしか無い。
「どういう存在を召喚したのかしら?」
「君宮美雨、15歳。天竜族のエリートで、巨大な斧を振るって戦う。一度、天に昇る事によって、竜化する事が可能」
やはり、意味が分からない。
聞く者が聞けば、的確で詳細な説明なのだろうが、私にはまるで想像すらも出来ない。
そして、分かったところで、私はどうすれば良いのだろうか。
自分は召喚王になれるのだろうか。
いや、ならなければならないのだから、なるしかないのだ…。




