表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刹那の絆  作者: シャーパー
127/150

因縁

「2つ目の特異性とは、ああも簡単に使ってしまえる代物ですかねぇ」


「弱い奴は自分が弱いという事実に納得できず、平気で禁忌に手を染めるって事じゃないですか?」


襟櫛の言う事には一理ある。


ただ、それだけで、誰もが自分を捨てられてしまうものだろうか。


「しかし、まあ、地獄絵図ですね」


地獄絵図と表現しながら、襟櫛は今にも飛び出しそうだった。


そう、彼はあの場に突っ込んで行き、戦いに身を投じたいのだ。


とても、自分はそんな心境にならないが。


でも、そんな自分でも、あそこに行くべき理由があった。


「襟櫛、九は譲ってもらえませんかねぇ?」


「あの中だったら、九が圧倒的に飛び抜けてるんですけどね。まあ、因縁ってやつは理解してますし、今回は譲りますよ。ただし、負けそうになったとしても、手は貸さないですよ?」


「ええ、ええ、手を貸されなんてしたら、一生恨みますからねぇ」


襟櫛が少し笑う。


そして、戦装束に二振りの日本刀という戦闘態勢に移行した。


「どっちが先に終わらせるか、競争しませんか?」


「それは面白いですねぇ」


提案に乗ってやるのは、譲ってくれた感謝からだ。


正直、襟櫛と違って、自分にはそんな余裕はない。


「じゃあ、行きますね」


襟櫛の姿が消える。


彼が羨ましい。


あんな風に、完全無欠の戦闘特化であれば、自分はどんなに自信を持って九に挑めただろうか。


まあ、無い物ねだりをしていても仕方がない。


自分には自分にだけ許された特異性がある。


そう、『道式論』は世界の全てを覆す…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ