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さあ、職場で先輩と喧嘩して帰った時の話をしよう!  作者: 安藤ナツ


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12/12

安藤ナツのその後

 勝者なんていない、むなしい戦いのその後の話を少しだけしよう。


 電話の後、『じゃあ、失礼します』と先輩社員に頭を下げると、パソコンの入った手持ち鞄を持って退社した。社用車は一台しかなかった為、一時間かけて徒歩でホテルに帰る。歩きながらチェックアウトの電話を入れた。


 ホテルに戻れば、荷物をまとめて今度は駅へと向かう。一時間と少しの距離を歩いたが、思い返してみれば、タクシーなりバスなりを使えば良かった。


 そして電車を乗り継いぐこと一時間。地元に帰ると実家までの道のりを一時間弱歩く。


 事前に連絡を入れなかったので、家で事務作業をしていた母親が大いに驚いた。事情を説明し、その日はシャワーを浴びるとぐっすりと寝た。


 翌日。定時に出勤。既に出張先から新人が激しい口喧嘩の果て出張先から帰ったことは社内の話題になっており、その武勇伝を聞こうとたくさんの人間が話を聴きに寄って来た。


 どうやら、あの先輩社員は度々社内でも相手を選ばずに噛みついていたようで、被害者と言うか、対戦相手は結構な人数がいたようだ。


 それでなくとも、ヘルメット越しとは言え、殴られたと言う事件は製造部を経由して伝わって来ており、結構な話題になっていた。


 課長との面接もあったが、特にお咎めもなく、溜まりに溜まった代休を使って今週は休むように言われた。




 そして現在。


 未だに技術六課には在籍しているが、出張中心の役職から、社内での実験や試験の担当係りにその仕事は変わっていた。


 トラウマ。なんて言葉を使うつもりはないが、出張に行くと眠れなくなり、ご飯を食べるのも億劫な程にストレスに苛まされるようになったことが原因だった。


 社内試験は手当もでず、残業も少ないので給料は明らかに減ったが、しかしそれも悪くはなかった。就職してから働き詰めで、なかなか会うことのできなかった友人達とも遊ぶ機会が増え、精神的にだいぶ余裕のある生活が送れるようになったからだ。


 出世の道は閉ざされたようなものだが、別に元から興味はなかった。




 先輩社員はと言うと、数年前に他部署へと異動をした。彼が見下していた製造部の、それも特に作業がきつい部署へと。


『出張先で客からの苦情が増えた』


 それが理由だと、誰ともなく噂していた。


 ただ、課長や部長、常務に対しても大きな態度をとって喚いていた姿も何度か目撃していたので、それも理由の一つかもしれない。


 先日聞いた話では、製造部の方でも既に大抵の幹部に噛み付き、煙たがられているそうだ。また、彼が異動してから、シルバー雇用の人間が何人か辞めてしまったようだ。




 当然、二人の間の関係は何も変わっていない。

 きっと、これからも変わらないだろう。


 働くということは、学校生活と一緒だ。

 面倒な義務と、面倒な人間関係で大方が更生されている。

 学校を楽しいと言う奴は、学校しかしらないか、学校を知らないかだが、仕事を楽しいと言う奴は、仕事を知らないか、仕事しかしらないかだ。

 人生の楽しみは、他で見つけることをお勧めする。


 お楽しみいただけたでしょうか?


 働くって、面倒くさいですね。

 生まれ変わって海イグアナになりたい。


 感想と評価、お待ちしています。


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