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恭子の涙

恭子と、いろんなことをメールした。


いつも家帰ると何してるの?とか

他愛もない事が多かったけど、

俺にとって恭子の日常を知ることは嬉しかった。


俺は迷ったが正直に希のことを書いた。

さすがに手コキとかは言えなくて

Hなキャバクラみたいなやつとか嘘ついた。


そのときは一番長い返事が来た。


彼女の病気を軽く考えてる俺は、食事に誘った

自然食品のレストランみたいなやつ


アレルギーとか食べられないやつあればリクしてくれとか。

バカだよね。カスだから。


彼女から返事来なかった。


俺、いろんなことを整理した。


俺、大変な事に気付いて、彼女の誕生日。

もしかしてこんなことしてるうちに過ぎちゃったとか。


俺、彼女の帰りを駅で待った。


彼女出てきて。

お帰り!って。

彼女、黙って一緒に歩く。


メールの返事しなかったの怒ってるでしょ?

そんなことないよ。

なんか心配で待ってた。


彼女が、おなか空いてない?って。

うん。食ってないけど。


何か作ろうか?って

え?作るってどういうことかな。

家に行っていいってことかな?

俺・・・どうしたらいいのか・・・・・


彼女と手を繋いだ。

怒られると思ったんだけど。

黙ってる。



俺さ、どんな事あっても今日言う言葉決めた。



スーパーで彼女と手繋いで俺がカゴ持って。


何か変なんだけど、こんなとき彼女が

お腹おっきっくなってたりしたらどんなに幸せなんだろうって。


何食べたい?って 彼女が。

ホントは恭子って言いたかったけど。

唐揚げ!即答。


うんうんって。あたしも少し食べられるかな?って

鶏肉買って、あと、レタスとかプチトマトとか。


どんどんどんどん恭子のアパートに近づく。

ド緊張。 

まあ落ちあるんだけど。


おっきいマスコット付いた白い鍵。

入ってって。ドア開ける。

ちょっと意外。女の子っぽくない部屋。


そのへん適当に座っててねって。

ベッドないし、布団?


小さめのダンボールが積み重なってる。

横に丁寧に折りたたんだダンボール。

本は整然と本棚の中に。


直ぐやるからちょっと待っててね。

彼女、買い物袋をキッチンの横に置いて、こっちに来る。


ちょっとあっち向いててね。

油跳ねるとって。押入れ空けて。

着替えた。恭子の服脱ぐ音。

ヤバイ!こっちに鏡があって、恭子のブラの後姿見てしまう。

そのあと下向いて耐える。


恭子さっさとキッチンに。お米 研いで。サラダ作る。

どのぐらい食べる人?

俺、それなりにって。


肉切って、鍋に油いれて。

すごい早いの。

恭子の後姿見てた。何かいつも後姿。


しばらくして、

サラダが置かれて、唐揚げが置かれて、ご飯がおかれた。

恭子がゴメンって、お味噌汁作らなかった。

全然いいよ。


一人分?


恭子がエプロン外しながらダンボール箱から袋出して持ってきて。

レトルトみたいなやつテーブルに置いて。

頂きますって手を合わせた。

俺も。


そういうことなの。


ゴメンね、ごはんまずくなるようなことして。

恭子一切こっち見ない。


サラダまずいかも。ドレッシングあたし作ったから。

恭子、袋の封を切ってストロー入れて一口飲んだ。


これが、あたしの食事・・・・・。

これが返事。


サラダ食べる。

うまい。

恭子はじめてこっち見る。


どう?

うまい。コショウ効いてて。

サラダに愛情感じたの初めて。


あとはいいよ。唐揚げとかまずく作るほうが難しいから。

粉つけて揚げるだけだから。

そうなの?


それ、ちょと飲ませて!

やめてよ、そんなこと言うの!

え?いいじゃん 飲んでみたい恭子と同じの。


恭子泣いた。

・・・・・・。


前にも一回言われた。

同級生に・・・・。

嬉しかった・・・・って。


泣いている恭子の隣にからだを寄せて

恭子の食事を奪う。

ガーと吸う。


予想外に濃いな。

けど予想外に飲めるな。


恭子笑う。ハハハ!て 声出して。

俺も笑う。

そんなに一気に飲むのダメだって。怖くなかった?



冷めちゃうから、ごはん食べてよ!

俺、食う。一気に。

恭子じっと見てる。


お水!

あ、うん。

それとお替り!ごはんって何合炊いたの?


二合だけど・・・。

全部食っていいの?

え?いいけど。

じゃあ全部盛って。


ええ?無理だって。

大丈夫。普通だって。


恭子笑いながらよそう。ガハハ!って。

ほんとに?って。へらでペタペタして。こんなだよって。


サラダ一気に食って、唐揚げとメシを交互に。

恭子、俺食ってるとこじっと見てる。

水ゴクゴク。


あ、ゴメン!食っちゃった。食う?

最後の唐揚げ、恭子に食わす。

ほんの一口だけ食べて、首を振る。

残りを一気に完食。


ねえ、無理してない?

まさか、男なら普通だって。

旨かったよ。ほんとに。


にんにくとか、生姜とかでちゃんと下味付いてたし。

そういうのわかるの?


まあね。居酒屋やってたから。

粉つけただけじゃ、こんなに旨くないって。


恭子食器を下げる。

また、恭子の後姿。


恭子に声かけるけど返事ない。

恭子の食事の残り。


恭子が戻ってきて座る。食事の残り少し飲む。


こっち来いよ。

無言。


来てよ。少し笑う。


俺の隣に座る。

恭子の肩抱き寄せて

キスした。

キスをした。

キスをしてしまった。

 

俺たち付き合おう。

無言


付き合ってくれ。

俺もう耐えられないんだ。

どうしようもなく好きなんだ。


恭子泣くの耐えている。

でも、どんどん眼に涙が溢れてきて。


俺どうしようもなくなって

またキスした。


恭子の涙が唇に、

恭子が離そうとしたんで。

頭押さえて・・・


恭子の涙をすすった。

どんどんどんどん流れてきて、


一生忘れられない味。


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