温もり
とても家に帰れるような心境ではなくなった。
一瞬でも恭子が目を開けたときにそばにいたい。
でも、その間隔はどんどん長くなっていった。
医者が来て、ある程度自由にしていいと。
目を覚ましたら、酸素マスク外して話すとか。
手を握るとか、からださするとか。
それがどういう意味なのか怖い。
病室が変わる、隣に簡易ベッド置かれて、
付き添い夜とか構わないって。
お母さんが席を外す。
恭子の頭を撫でる。
会話は出来ない。
恭子?おっぱい触るよ?
少し笑ったような。
小っちゃくなった恭子の胸。
胸元広げる。左にはいろいろ線が。
右にそっと触れた。
恭子が目を閉じた。
次の日、人口呼吸器の件再確認される。
一人の時が一番怖かった、もし何かの時に俺が最後を・・・。
特に夜、呼吸とか、数値が悪くなる瞬間。
ほんとうに寒い日だった。
恭子は21歳の誕生日を迎える事はなかった。
恭子の死の瞬間。
あっけなく逝った。
ほんとうに苦しんだんだ、到底書けような内容じゃなかった。
苦しんで苦しんで死んだ。
24時間ほんとうに見てられなかった。
正直早く楽にしてやりたかった。
何であんなに辛い死に方を恭子がしなきゃいけなかったのか。
辛い。
まだ暖かい恭子の手。




