願い
時間軸ばらばらでゴメン。
恭子が病院で、俺のことお母さんに紹介した。
あたしの彼氏って。
あたし、一生彼氏なんて出来ないと思ってたのに、
本屋さんで知り合ったんだよって。
あんなに反対されたのに一人暮らししてほんとに良かったって。
カッコ良かったんだよ。
病気のこととか全部言ったのに俺と付き合ってくれって言われて・・・。
病院にも一緒に行って、彼も全部検査してくれて。
恭子泣いてた。
お母さんが、わかったから、わかったからって言って。
早く退院してデートしたいって。
あの服また着たいって。凄く可愛いんだよって。
俺がどっち?って言って怒られる。
白いヤツだよ。
恭子が痩せていく。胸とか腕とか。
トモくんさ・・・・。もっとこっち来てよ。
なに?
小さな声でおっきいよね?
何が?
いじわるだ。
びっくりしちゃってさ、凄いんだもん。
でもね、ほんとに凄く良かった。痛かったけど。
このまま死んじゃってもいいってぐらい。
死ぬとか言うなよ。
ほんとうだもん。
俺も信じられないぐらい良かったよ。
ありえないぐらい出たし。
凄かったね。
俺さ、恭子と付き合ってから一回も、何ていうか、
自分でしてなかったし。
そうなんだ・・・。
じゃあさ、いいのあげるから。
何それ?
アハハ・・・。
恭子は眠っている事のほうが多くなった。
何度か弟の名前を呼んで、お母さんが連絡して。
弟と会うの2回目かな前の病院で一度。
ガッチリしてて大学の運動部。
仲いいんだな、俺兄弟とかいなかったから。
集中治療室に移る。
そのような状況になった時、人口呼吸器をつけるか聞かれた。
お母さんが、膝で手を強く握りしめて家族と相談しますと。
バイトを辞めた。
病院にいる時間が長くなる。
忙しい時期になるので迷惑がかかる。
良くなったらいつでも戻れって。
なんかの足しにしろって封筒。
3万も入ってた。
助かる。ありがとうございます。
医者との面談が辛い、親父が同席する事が多くなる。
俺は遠慮したが、一緒に聞いてくれって。
恭子に付けられる機械が増えていく。
点滴の跡。
外でチラチラ雪が舞った。




