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Qui vivra verra~生きていればわかるわよ~

ものすごく改変しました。

――――――――何か、行動を起こす決意をするとき、どうしてこうも臆病になる?


だから、私は逃げ道をふさいでしまうことにした


大丈夫

私を愛し私の愛する者たちは今頃あの家あの部屋の中で気を失うように眠りについている

私がここにいることに気が付くことはない

私が消えたことにも気が付かない

愛する者たちが目を開けたころには、この世界はすでに変わっている


大丈夫、すぐにみんなも眠らせてあげる

こんなものみなくていい


茨姫が眠りにつくとき お城すべての時を止めた 魔法使いのように

この地球上いける者の時を止める

地球の時すら求める


一時的にだけど…


今からわたしがやることに、不安で胸が押しつぶされそううになる


わたしは、愛する者すら利用としている

その心を利用しようとしている

優しく思いやりにあふれはあなたの気持ちを利用しようとしている

だから、あなたは私を許さなくていい

わたしを恨んでくれていい


もし・・・もしかなうのならば、あなたには私の隣を歩いてほしい

わがままだというのはわかっている。

だから、もしもの願い。

わたしは、好きな人には隣を歩いてほしい


わたしが堕ちたら一緒になって堕ちてくれる人

わたしが高みに上ったら同じように上ってきてくれる人



普通は、私が落ちたら引き上げてくれる人

そういうのだろうね。

でもそれじゃあ隣を歩けないもの

対等でいたいの


ちがう

私は、一人になってしまうことが恐ろしいの

隣に誰かいてほしいだけなのかもしれない



何かをあきらめ、何かを覚悟して私は、宣言する

誰に宣言するのかは決まっている

私自身に宣言をする

私の共犯者に宣言をする

私のせいで死にゆく人に宣言をする

この世界に宣言をする


そして、すべてがあるあの場所いる かのものたちへと宣言をする




「それでは、これから黒崎久遠とその共犯者主演の世界の改変を始めます。」


久遠は、両手を掲げる

白く細い腕を、天へと掲げる

掲げた手から、黄金色の輝きがあふれ出す



「世界を包む赤きオーロラ」


久遠の言葉を受けて黄金色の輝きが、強くなる

黄金色の輝きが地球を囲む

人に可視されることのない黄金色の輝きは、やがてまがまがしく不吉な気持ちにさせるに赤い光のカーテンへと変貌を遂げる



「太陽を飲み込む青き力」


共犯者の言葉

言葉を受けて、太陽が突如命じた青い光にのまれていく

地球上では、日食のようにこの様子が見えていただろう


「書き換えられる」


久遠が、唄うように言う

地球上の人類は気を失うだろう

肉体と魂が一時的に離される

これは、せめてもの優しさ

痛みを苦痛を感じないように・・・



「誕生する力」


共犯者がおごそかな声で言う


「新世界は、誕生した。」


声を合わせて言う


もう逃げられない

逃げるわけにはいかない

私は、私のしたことの責任をとらなければならない

逃げてはいけないのだ

逃げてしまったら私は顔向けできなくなる




きっと、地球上に住むもののほとんどは 世界改変(このこと)を知ったら私を恨み殺したいと思うかもしれない

でもこうするしかほかになかった


思い返すのは、私があの強大な魔獣エスポワールと出会った時のこと

封印を外すために、必死にエスポワールのもとへ走った

信用している、いないではない

変えるための方法がわからないあの時、少しでもある可能性にかけた


封印を外し終えるか、終えないかの時に目がつぶれてしまうのではないかと思うほどの青い光が久遠とエスポワールのいた場所に満ちた

その光は目の前にいる、魔獣と同じ気配がした

気配というか匂いというか……感覚的なものだからうまく説明はできないけど、たしかに感じた

私は、急いですべての封印を破り捨てた

エスポワールが敵なのか味方なのかわからない

それでも、私が今一番頼れるのはそのわからない存在しかいなかった


エスポワールは封印が外れるやバリケードや、シールドを張り巡らせる

次の瞬間その、防御を突き破ろう青い光が私とエスポワールを襲う


「なに、これ?」

「これは我の魔力だ。」


共犯者である彼の絶大な魔力は封じられていたというより吸い出されて閉じ込めていたという方が正しく、彼が閉じ込められていた数千年物魔力そのほとんどは未使用のまま保管されていたらしい

未使用のままというのは使おうと思っても使いこなすことができなかったらしい。

これは後日知ったことなんだけどね。


共犯者自身(エスポワール)にも制御できない――――体に収められないほど

切り離された魔力


それは荒れ狂う水流のようにあらゆるものを飲み込む

壁も、天井も、生きたものも死んだ者もすべてを飲み込む

私もエスポワールが守ってくれなかったらあれに飲み込まれていたのだろう

そう思うとぞっとした



久遠が閉じ込められていた場所

共犯者が閉じ込められていた場所


あそこはもう滅びた


最後はあまりにもあっけないほどに壊れ滅びへの道をたどった

人道的ではない研究をしていたものたちは叫び声を上げる暇もなく魔力のかたまりに飲み込まれる

あそこにいた何千人もの人間や化け物は死んだだろう


防御したまま、転移してあの場所から離れた

外から見るとそれが、船のような形をしていたことに気が付いた

船は、青い光に侵食される

そして、飲み込まれる

魔力の塊だとエスポワールは口にしていたけれど私にはあれは、青い光の暴食の化け物に見えた




このままでは、この近くにある太陽系がすべて喰われる

そう、私の故郷である地球も滅びる

地球にいる大切な人たちの姿が脳裏甦る


制御するには力も時間も足らなかった


だから、それを少しずつ使い

大きなことに使って力を分散させることにした


「大きなことってどんなこと?」

「とりあえず星の一つや二つ喰らえばこっちの制御を受け付けるくらいには落ち着くと思う」

「そう、ならあのエネルギーの塊を喰らわせて、あれと同じ役割をあの魔力の塊に命じることがエスポワールには可能?」


その力――――魔力を太陽の代わりにするのだ


太陽よりも長持ちする太陽

強大な力の塊

破壊のためではなく、生きるために使う


「可能だ。しかし、それだけではだめだ。」


どういうことなのだと、目だけで問う


「あのエネルギーの塊を飲み込みその代わりを務めても、有り余ってしまうのだ」

「あれに太陽の代わりをさせてどんな影響が出るの?」


悩む素振りすら見せず返事が返ってきた


「あの星に住む生命体に影響が少なからず出るだろう。魔力光を昼間浴びることになる。あれは我の魔力だからそうだな、我が契約者にわかりやすく言うのなら眷属になる」

「眷属?」


私が想像したのはバンパイアだ。

主人格のバンパイアにかまれ、その命を受ける格下のバンパイアが生じる仕組みみたいなもの


エスポワールは、勝手に私の心を読み


「それに近いな」


魔法がつかえる人間とつかえない人間が現れるということなのだろうか?

それと、人体の影響って具体的には?


その他にも次々と疑問が浮かび上がっては消える


「使える人間とつかえない人間は出るだろう。あの魔力の塊が発する周波数とその生物の持つ周波数のようなものが一致したり近かったりすると、その力の一部がつかえる。人体への影響のほうは多少なら操作制御はできるだろう」



勝手に心を読まれているjことはこの際ほおっておくことにしよう

後できちんとそこのところのマナーをしつけしないといけないわね


今は、いちいち口に出して聞くのももどかしいから勝手に答えて言ってくれるのはありがたい


このままでは、マンガや小説に出てくる力あるものとないものの差別社会、差別時代が生じてしまう

人間側、新人類側(仮)で、争いになる。どっちが主導権を握るにしてもあまり心地のよい社会ではない。


何ができる?


みんな同じ力を手に入れられたら変わる?


「いや、相性の問題だからな、難しい」


っ。どうすればいい


ぐるぐるあたまを回す

天使側の意見、悪魔側の意見、中立の意見が私の脳裏の中に描かれる

そして、一つの案を思いつく


「可能だ。」


その案が可能だという

いま私にできるのはこれくらいだ

私の頭ではこれが限界


私は、だから決めることにした

これから先やるべきことを決める


「何日押さえていられるかしら?」

「七日」


・・・・・


「そのあいだは、私はただの黒崎久遠でいさせてね」

「ああ」




これが、あの状況下で決めたせめてもの抵抗


滅びゆく運命だとしても

かりそめだったとしても


今、この瞬間生きていたかったから



私はこの地球上の人類すべてが何かしらの人体改変を受けるようにエスポワールに頼んだ




この選択が、正しいかどうかわからない。

けれど、生きていればいつかその答えを見つけられる気がした。








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