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命の保証

 



 フレイアがリンと呼ぶ騎士は、かつてルミエル王国の騎士だったフレイアに憧れた少女だった。




「……レイル様、リンの金縛り……解いていただけませんか?この子は大丈夫です。私が保証します」





 フレイアはレイルの方へ振り向き、頭を下げた。 二人の関係を見て、リンの金縛りを解く事にした。




 リンは動けるようになった体で、フレイアにすぐさま抱きついた。フレイアの体に顔を埋め赤ん坊の様に泣きじゃくる。




「……わたしはどうするべきなのでしょうか……騎士としてルミエル王国を裏切るなんて出来ません……でも、だからといってフレイア先輩を斬るなんて絶対に無理です……教えてくださいフレイア先輩……わたしはどうするべきですか?」





 リンの葛藤にフレイアも頭を抱えた。リンの言っている事は理解している。とはいえ、自分はルミエルを裏切る行為をした。自分でもリンになんと言えばいいのかわからなかった。




 考えに考えた結果、フレイアはリンに優しく話しかけた




「……ねぇリン、私は確かにルミエル王国を裏切った最低の騎士だよ……でもね、信じてもらえないかもしれないけど、心はまだルミエルだよ……。レイル様はこっちに来れば戦争を早く集結させる事が出来ると仰っていたの……だから私はそれを信じてみようって……」





「……戦争が……終わるの?……ほんとに? フレイア先輩が信じたあの人……帝国の人だけど……」




 リンはレイルの方を向き、そしてゆっくりとレイルの元へ歩み寄った。





「……本当に戦争が終わるんですか?」





 リンは直接レイルに問いただした。リンに殺気は全くなかった。あるのは単純な疑問だけだった。




「……あぁ……終わらせる。君たちが全員俺の指揮する軍に入れば必ず戦争を終わらせてみせよう」




 リンはレイルのその言葉を聞き、目をじっと見つめる




「……嘘じゃない……この人の目……わたしにはわかる。……わかった。わたし、フレイア先輩と一緒がいい……」




 リンは強い覚悟を持ち、ルミエル王国を裏切ると決めた。




「……バカな事を……リンまで……ルミエル騎士団の忠誠力はそんなものなのか……何故みんなそうも簡単に……」




 フィルは一人悔しさで胸が張り裂けそうになっていた。




「……フレデリカ、シリカ、セシリア……どうか、お前達だけは……私と同じ忠誠心であってくれ……」




「…………」




 メアに続きリンの裏切りに、フィルは耐えられなくなっていた。残りのメンバーに懇願にも似た言葉を放ち、ギリギリ我を保っていた。





「……フィル副隊長……もう、我々も降参しましょう……このままでは……」




 フレデリカがフィルに提案する。勝ち目はないと悟り、生きる為に帝国側になろうという残酷な提案だった。




「……バカを言うな……帝国に堕ちるくらいなら死を選ぶ……私は絶対に帝国などに屈したりはしない!……もういい、向こうに行きたければ行けばいいさ……私は別にお前たちを恨んだりはしない……」




 諦めにも聞こえるその言葉には最早生気がなかった。味方に裏切られ、副隊長としての威厳も失ったフィルは悲しみに暮れていた。




「……レイルと言ったか?……私から一つ頼みがある……。 私フレデリカはこれよりお前の側に付く……但し条件がある。ルミエル王国の国王にして私が一番敬愛する王女エリス様の命の保証をしてほしい……彼女を殺さないと誓ってほしい」





 フレデリカの提案はルミエル王国国王エリス王女の無事であった。戦争を終わらせるというのは本来どちらかの国の王が討たれるまで続く。しかし、フレデリカの条件はエリス王女の命の保証である。




 しかし、レイルは何の躊躇いもなくそれを了承した。フレデリカは唖然とした表情でレイルを見る。フレデリカは悩む事すらしなかったレイルを一気に信用してしまった。




「……ありがとうございます。エリス様さえ無事であれば私はどうなっても構いません……どうかこの命、貴方様の好きなようにお使いくださいませ」

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