表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

帝国騎士団団長

 



 レイルが執務室に戻ると、フレイアとミリアがソファーの横に立ったままソファーに座るユリアを見守っていた。


 姉と同じ銀髪を肩辺りまで伸ばしており、右目は包帯を巻き、残った青い瞳の左目だけで辺りを見渡していた。


「……容態はどうだ? 」



 優しくユリアに問いかけるが、チャドの拷問を受け、帝国側の人間であるレイルを見るやいなや身体を震わせ怯えてしまった。



「……大丈夫よ、ユリア……この人はまだいい人だから……それにお姉ちゃんもいるから、ね?」



 ミリアは震える妹ユリアを優しく抱きしめ落ち着かせる。



「……お姉ちゃん……私……私……喋らなかった……よ……我慢した……よ……」



 左目から涙を流し、拷問に耐えた事を伝えた。 敵ながら本当に素晴らしいとさえ思ってしまった。



「……さて、申し訳ないが、話を進めたい……いいかな? まず初めに俺は今日この時をもって、尋問官を退任した。 そして君たち帝国騎士を束ねる指揮官に皇帝陛下直々の命を受けた」



「……それって、つまり……」



 その言葉の意味をいち早く理解したフレイアが覚悟を決めたかのように問い掛けてきた。




「……私たちがルミエル王国に攻めるって事……ですよね……」




「……仕方ないわ、フレイア……覚悟を決めましょう?」



 ミリアもレイルの言っている言葉の意味を理解した。 ただ、ユリアだけがまだ何も知らずに話の流れに着いていけてないのであった。



「……お、お姉ちゃん……? それにフレイアさんまで……な、何を言ってるの……ルミエル王国に攻めるって……」



 キョロキョロとフレイアとミリアを交互に見つめながら、状況説明を求めるような表情を見せた




「……ユリア、ごめんね……私たち、もうルミエル王国には戻れないんだ……。 私は貴方を助ける為に国を裏切って、ガルディア帝国の騎士になったの……フレイアもそうよ」



「……えっ……そんな……嘘……だよね……?……」



 しかしユリアは帝国の軍服を着用している二人をみて、それが真実だと簡単に悟った。 執務室に重い空気と沈黙が広がった。 その沈黙を切るようにレイルが話し掛ける。



「……そこで、ユリア……君にも帝国の騎士としてこちら側に来てほしいと思っているんだが……どうする? 決めるのはもちろん君だ」



 ユリアはその問い掛けにすぐに返答出来なかった。 ユリアの中で王国を取るか、姉を取るかで深い葛藤に溺れていた。 王国に残ると言えば、姉と敵対する事になる。 かと言って姉と共に生きたいと願えば王国を裏切る事になる。


  かつてのフレイアとミリア同様。ユリアも正式なルミエル王国騎士団の騎士。 一度忠誠を誓った国をそう簡単に裏切る判断は出来ないでいた。




「……私はお姉ちゃんと一緒に居たい……でもルミエル王国を裏切るのは……どうすればいいの……こんなの……無理だよ……」



 ユリアの青い瞳からはボロボロと涙が零れていた。 彼女にとってこの洗濯は余りにも辛いものとなった。




「……まぁ、少しここで考えるといい……。 とりあえず今はまだ新しい騎士団のメンバー集めをしなきゃならない……本格的に動くのはまだ先の話だ……焦らず自分が後悔しない方を選びなさい」




 レイルは優しくユリアに伝えた。 そして、続けてレイルは言った



「……そしてこれよりフレイア、お前に帝国騎士団団長の地位を与える。 ミリアは副団長を頼む……」




「……!?……わ、私が団長……ですか!?……レイル様じゃなくて」



 フレイアは自分が団長に任命された事に驚き一歩後退り驚いた表情でレイルを見つめていた。 ミリアも驚きは見せたが、その目は覚悟を決めた目をしていた。



「……俺はお前たち騎士団の指揮官だ。 具体的な作戦などを指示はするが、戦場での細かい指示はフレイアに任せる事になる」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ