第九話「白と黒の騎士」4
自己紹介は二人目へと移った。
二人目はリカルドの横に座り、黒衣を纏う、目を閉じたまま静かにしている男だった。
「我は人見知り故、挨拶は簡潔に述べさせていただきます。
傭兵をしております、オニキス・レオンハルトである。
戦場で会うことはないかと思いますが、お見知りおきを」
「こいつはオニキス。リカルドとは違って群れることはせず、一匹狼として行動することを好んではいるが、黒の騎士オニキスとして腕の立つ頼りになる男だ。
各国の紛争地帯を回っては戦い続けているが、両目の視力を失っているとは思えない程、立派に働いてくれている。今後の作戦にも欠かせない存在だ」
リカルドの際と同様、ポールが補足の説明を加えて紹介をしてくれる。
蒼白い肌をして目を閉じた姿からは想像できないが、オニキスは他の地方では死神と評されるほど紛争解決のための傭兵として戦い続け、各地を転々としている。
剣の腕はリカルドと対等に渡り合う程で、両目を失っているとは思えない程と評したポールの言葉は偽りではない。
かつて、大国で王立騎士団の騎士団長をしていた頃、戦闘で両目を失い、盲目の身となってしまったが、それでも気配を察知する能力に長け、未だ戦場では衰えを知らない。
その実力からリカルドとオニキスは白の騎士、黒の騎士の両輪として革命のための戦力として欠かすことの出来ない男なのだ。
「本当に目が見えていないと思えない程、落ち着いていますね。
僕だったら誰かを頼らずにはいられないです」
「いいえ、我とて一人で生きているわけではありません。
多くの人から恩を受けてこうして立っていられるのです。
その時の感謝を忘れた日はありませぬ」
オニキスのひたむきな思考に心打たれたエリサはオニキスとも握手を交わした。
夜が深まっていく中、エリサは残った女性メンバーとも、同じように自己紹介を交わした。




