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ジェンダーフリースクリプト~始まりの物語~  作者: shiori@


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第九話「白と黒の騎士」3

「リーダーも副団長もいない席だが、歓迎会に移る前に、ここにいるメンバーだけでも紹介をしておこうか」


 ポールの提案により、エリサはルミナスリバティーのメンバーと顔を合わせ、自己紹介を交わすことになった。

 一人目の紹介は、ずっと椅子に座っていた、生え揃った金髪の髪型を櫛で丁寧に整える男だった。


「私の番か、リカルド・グレンデルだ。下賤な輩ばかりが集うこのような組織に所属するのは本意ではないが、歪んだ体制は正さなければならないと考えるのが私の美学だ。剣術を得意とする、皆は白の騎士リカルドと呼んでいるが、君も好きに呼ぶといい」

 

 淀みのない真っ直ぐな口調で自己紹介を始めるリカルド。

 潔癖症なところがあるが、自分の信じる生き方を貫こうする彼の生き方は騎士道に通ずるものがあり、本来、レジスタンス組織に所属するような器ではない。

 しかし、女民国家という国家体制を持つシカリア王国を変えたいという熱意を同じく持ち合せている。そこには本来守るべき存在である女性が平和を維持するために戦わなければならないという現状を変えたいという思いがあった。


「リカルドは忠誠心が強い、剣術を得意とする実力者だ。昼間は鋏を持って美容師として城下町で働いていて、居住が許されている。ルミナスリバティーは経歴や男女問わず受け入れている個性派揃いの組織だ。彼のような男も協力してくれている」


 ポールが自己紹介に補足して説明を加える。

 気品があり、美形な顔立ちをしたリカルドは手先が器用で、剣技だけでなく美容師としての腕も確かだ。彼を求めて城下町にある美容院に通う女性達は後を絶たない為、特別に長期間の居住を許可されている。


「よろしくお願いします。西洋の顔立ちをしているんですね……。とても美しくて気高い精神をお持ちと感じます」


 白い甲冑を身に纏い、上品さを漂わせるリカルドに好印象を抱いたエリサ。

 彼の座る席の脇には、鞘に納められた愛剣が鎮座している。

 ルミナスリバティーの中では浮いた存在でも王宮警護隊の中にいれば、頼れる騎士として自分達を守護してくれる存在になり得る。

 現状では男性は王立警護隊に入れないという障壁はあるが、エリサはその出で立ちから信頼できる相手だと感じ取った。


「本来、私のような騎士は王子のような御方を守護するのを生き甲斐とし、忠義を尽くすことを誉として生きています。私のような西洋生まれの人間でも頼って下されば光栄です」


 礼儀正しくエリサの前に跪き、手の甲にキスをするリカルド。

 それは王子であるエリサへの忠誠心と献身を示す仕草。

 この場でも王子として扱われることに恥じらいを覚えたエリサは立ち上がるよう促し、リカルドと今度は握手を交わした。

 

「そうですね。貴方のような騎士が王立警護隊にいてくれたら僕も頼り甲斐があるというものです。今はそれは叶わないでしょうが、その心に感謝申し上げます」


「勿体なき御言葉……。忠義を尽くすは国ではなく王子のような御人です。信じて下さいませ」


 そう言って、白いハンカチから瞬時に白い薔薇を取り出し、差し出す。

 目の前で手品を披露されたエリサは驚きつつも綺麗に咲いた薔薇の花を受け取った。


 立ち上がると身長差があるため、つい見上げるような体勢になるエリサ。

 女性に比べれば体格にも優れた立派な男性騎士、リカルドの姿を目の前にして、心強い仲間が父にはいるのだとエリサは思った。


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