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ジェンダーフリースクリプト~始まりの物語~  作者: shiori@


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第八話「華麗なるファイブスターナイツ」5

 王宮を守護する五人の女騎士、ファイブスターナイツ。


 プリシラ・オーティスは普段からおっとりとした天然気質でどこか頼りなさが目立つがメンバー最年長の28歳である。

 赤茶色のロングヘアーをしていて、胸もお尻も大きく大人の魅力を全面に醸し出しているが、それが戦闘に活かされることは一切ない。 

 戦闘時は両手に扇を持って武器として扱い、近接攻撃を得意としている。


 もう一人のエリー・シェアチャイルドは22歳の若さで仕草やファッションセンスなど、見た目にも可愛らしさが目立つため、本人はまだ女子高生でもイケると自負している。

 花飾りの帽子を被ったいつも明るく元気な天真爛漫な姿が特徴でお気に入りの相手に対してはボディタッチが激しいのが玉に瑕。

 また、体力自慢なところがあり、ディオーナの厳しい訓練にもまるで屈することなく笑顔を維持し続けて、周りを励ますムードメーカーの役割を果たしている。

 戦闘では茨の鞭を駆使して戦い、柔軟体操で鍛えた身体の柔らかさを活かした可憐な動きで相手を魅了しながら攻撃を仕掛ける。

 

「成人を迎えた立派な大人のはずなのだが、騒がしくしてすまないな、王子」

「うん、心配してくれてありがとう。何とか無事だよ、ディオーナ」


 ディオーナの差し伸べた手をエリサは掴み、不安定な両足にもう一度力を込めて立ち上がる。エリサの身体は男性にしては軽く、ディオーナの鍛え上げられた腕力であればそのまま持ち上げられるほどだ。


「もう少しゆっくりしていきたいけど、そろそろ僕は帰ろうかな。もういい時間だしね」

 

 冬の日没は想像以上に早くやって来る。

 夕方を迎えた演習場から見える空は茜色に染まっていき、黄昏時を迎えていた。

 プリシラとエリーは短時間しか同じ時間を過ごすことが出来ず、名残惜しい気持ちで一杯となるが、それを察してディオーナは一つの提案をエリサに問い掛けた。


「王子、今度の週末にファイブスターナイツ五人を集めてお茶会をする予定なのですが、宜しければご一緒されますか?」


「ファイブスターナイツのお茶会のお誘い? 僕が参加してもいいの?」


 ファイブスターナイツのお茶会は貴重な情報交換の場でもある。

 通信技術が失われたこの時代では情報交換の手段も限られる。

 だからこそ、集会を開いて直接、話し合う機会は重要だ。

 

 メンバー全員が集まり、一緒に行動を取る機会はそう多くはないため、情報交換を重要視するなら自分は遠慮すべきだろうとエリサは考えたが、ディオーナ達はそう考えてはいなかった。


「ナイスだよディオーナ! エリサ王子が来てくれたら楽しさ倍増だよ! 是非、遊びにおいで!」

「遠慮なさることはありませんよ。私たちも王子と一緒にお茶会できる方がモチベーションアップになります。目の保養をさせて下さいませ」


 プリシラとエリーの屈託ない笑顔を見て、安心したエリサはお言葉に甘えることに決めた。


「ありがとう。まだ未熟な王子で申し訳ないけど、日頃頑張ってるファイブスターナイツの皆さんが誘ってくださるのであれば、断る理由はありません」


「勿体なきお言葉、感謝します。それでは、お待ちしておりますよ。王子」


「うん、クオンも連れて行っていいかな?」


「はい、どうぞご一緒においでください。ファイブスターナイツ一同、お待ちしておりますゆえ」


 国を守護する王立警護隊の精鋭達が自分を歓迎して受け入れてくれている。

 それを肌で感じたエリサは自然と柔らかい笑顔が零れた。


 

「それじゃあ、お茶会の約束が済んだところで、この後はお姉さんの部屋に行こうっか? エリサちゃんの知らないこと、一杯教えてあげるからっ!」


「一体何をするつもりですか?! 謹んでご遠慮させていただきますっ!」


「そんなぁ! 遠慮しなくていいんだよっ! 怖いお姉さんも世の中にいるから、しっかり今の内にお勉強しておかないとだよっ!」


「エリーさんと二人きりで勉強することなんてありませんからっ!」


 眩しい笑顔で投げキッスを送り、怪しげな勧誘を始めるエリー。

 その自然に繰り出された台詞に思わずエリサは同意して連れて行かれそうになるが何とか距離を取って断った。

 すると、怒気を強めたディオーナによって今度はエリーが羽交い絞めにされた。 


「王子に対して何を無礼なことをしようとしている。いい加減にしないとお茶会の参加を見送ってもらうぞ」


「あああぁぁん! ディオーナっ! 勘弁してっ! 冗談だよ冗談。そんなエッチなお勉強をお部屋の中で二人っきりで実演してあげようなんて考えてないからっ!」


「破廉恥な! 口にしていることが戦乙女の言動とはかけ離れているぞ。ファイブスターナイツのメンバーなのだから、品行方正に務めて貰わねば困るのだ!」


「分かりました! 分かりましたから本気で首を絞めるのは止めてーっ!」


 足をバタバタさせながら抵抗して見せるエリー。

 ディオーナは再び溜息を付きながら、苦笑いをして立ち去るエリサに手を振って応えるのだった。


 かくして、お茶会の約束を交わしたエリサはファイブスターナイツのメンバー全員と会える機会を楽しみにディオーナ達と別れた。

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