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ジェンダーフリースクリプト~始まりの物語~

作者:shiori@
 ――遠い未来の御伽噺。女民国家のシカリア王国に内戦の嵐が吹き荒れる。その時、人は何を考え、どう生きていくのか。

(最初に)

 本作品はSFとファンタジーを織り交ぜた世界観のオリジナル小説になっています。こだわり抜いた世界観で描かれる重厚な物語を是非、お楽しみくださいませ。

(あらすじ)

 千年以上の歴史を持つ、女性のみが国民として暮らす女民国家、シカリア王国。
 周辺国の産業化に伴う環境変化や資源の枯渇により、国の経済基盤が崩壊しつつあるシカリア王国では、現在の生活水準を維持するため、環境産業に頼らざるおえない状況にあった。
 増え続ける旅行者、観光を通じて接触し合う男女、性被害に巻き込まれる国民。
 シカリア王国の情勢は歪み始め、対応しきれない諸問題を抱えていた。
 
 そんなシカリア王国で生まれ育ったエリサ・ベレスティーは女王、マリアンナ・ベレスティーを母親に持ちながら男性として産まれてしまった。
 成長過程でホルモン分泌調節を受け、どっちつかずの性を持ったまま十五歳となったエリサは十六歳の成人を翌年に控え、どちらの性として生きるか、選択を迫られていた。

 そんなある日、エリサに転機が訪れる。
 従者のクオリタンから渡された書簡、そこには女王によって国外追放された実父、アントニオ・ヘルファーシュトルファーからの再逢を願う知らせが書かれていたのだ。
 
 実父との再逢を躊躇うエリサだったが腹違いの兄弟であるクオリタンの願いを聞き、これを受け入れる。

 夜分、クオリタンの協力を得て、王宮を抜け出し、歓楽街にあるバーの地下で邂逅を果たすエリサだったが、衝撃的な真実を告げられる。

 アントニオはレジスタンス組織、ルミナスリバティーの頭領であり、男女の共生を掲げてテロ行為を引き起こしている人物だったのだ。

 レジスタンス組織の頭領に君臨する父とシカリア王国の女王たる母。
 対立する二人の間で板挟みになっていくエリサ。 
 テロ行為は繰り返され、内戦の嵐が吹き荒れる中、エリサは後悔のない選択を迫られるのだった。

※本作は短編形式のシリーズ小説「ジェンダーフリースクリプト」における主人公、エリサ・ベレスティーが旅立ちに至るまでの経緯を描いた長編小説です。
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