第7話『ギャルの仮面の裏側──リオが見せた素顔』
今回はギャル系・リオの回です!
いつも明るく元気で、場を盛り上げてくれるムードメーカー。
でも、その笑顔の裏には「軽く見られたくない」「選ばれないかもしれない」そんな不安が隠れていました。
舞台は海沿いのピザ屋。オーシャンビューと本音が交差する、ちょっと切ない青春の一幕です。
「ねえ、今日さ、デートしよ?」
突然リオに腕を引かれ、翔矢は海沿いの小道へと連れ出された。
「このへんに、マジで雰囲気いいピザ屋あるんだって!テラス席が最高なんよ、マジで!」
少し歩いた先。
潮風に揺れるのれん、白い壁の小さなピザ屋。
テラス席からは、どこまでも続く水平線が広がっていた。
「……すげぇ」
翔矢が呟くと、リオはどや顔で笑った。
「でしょ? ウチのリサーチ力、なめんなっての!」
マルゲリータに、海老とルッコラのピッツァ。
リオは楽しそうにしゃべり、翔矢もつられて笑った。
でも──
「ねぇ、翔矢。……ウチってさ、“軽く見える”?」
急に真剣な顔をするリオ。
「え?」
「いつも明るいし、ノリでしゃべってるし……でもそれ、本当のウチじゃないかもって思うときある」
潮風が、彼女の髪を揺らす。
「“明るくしてれば嫌われない”って、そうやって自分を守ってきたから。
でもね、ここに来て……他の子たち、みんな“本気”じゃん?
なんか、ウチだけ、薄っぺらい気がしてさ」
その目に、一瞬だけ涙がにじんだ。
翔矢は、手を伸ばして、彼女の頭をくしゃっと撫でた。
「バカだな。
俺、今日一番笑ったの、リオと一緒にいたときだよ。
……それって、すごいことだろ?」
リオの目が、ぱちぱちと瞬きをする。
そして、ぽろっと涙がこぼれた。
「なにそれ……そーゆーのズルいって……」
顔を両手で隠しながらも、リオは笑っていた。
「ありがとね、翔矢」
オレンジ色の夕陽が、二人の影を長く伸ばしていく。
その背後、海の向こうに、うっすらと黒い霧が立ち上っていた──
最後まで読んでくれてありがとう!
リオの明るさは強さでもあり、弱さを隠す仮面でもありました。
笑ってごまかしてきた彼女が、初めて本気で泣いたシーン──
書いてて、こっちもグッときました。
次回は武闘派・カナの回!「守るために生まれた少女」が、
はじめて「共に生きたい」と願う瞬間をお届けします!