第2話:推しクローン、7人と同居生活スタート!?
※前回は突然の異世界&推し7人登場で混乱必至でしたね……!
さて今回は、その推し全員とまさかの“同居生活”がスタートします。
ツンデレ? ヤンデレ? 騎士? 誰が一番印象に残るか、ぜひ読んでみてください!
「ここが、あなたの住むことになる家です」
そう言って、天使少女──リリィが案内したのは、異世界とは思えない、どこか現代風の一軒家だった。ログハウス風だけど、設備は妙に整ってて、バス・トイレ・Wi-Fi完備。
「いやいやいや、どうなってんだよ……! 俺、事故ったよな? これは夢か? 死後の世界か? それとも深夜アニメの異世界転生か?」
「大丈夫、あなたは“選ばれし存在”ですから。では、推しの皆さんを──どうぞ」
ガチャッ。
玄関が開いた瞬間、目の前に現れたのは──
「っしゃ、来たァ!翔矢に会えるって聞いて、速攻メイクしたから!」
ギャルっぽい金髪、パーカーにホットパンツ。軽快なハイタッチ。
「……あんた、もっとちゃんと服着なさいよ。みっともない」
横目で睨んでくるポニーテールのツンデレ。
「翔矢くん……きてくれたんだぁ。ふふ、うれしい……」
ふわふわした空気をまとう、ロングヘアの癒し系。
「……視線。うるさい」
感情薄め、鋭い目つきのショートヘア。めちゃくちゃ美人だけど怖い。
「あなたの隣を守れるなら、私はそれでいい」
鎧姿の戦乙女が剣を構えて礼儀正しく頭を下げる。
「翔矢くん、手、怪我してない? よしよし……痛いの痛いの飛んでけ~」
柔らかな微笑みで手を包みこむ、大人っぽいお姉さん系。
「……誰か近づいたら、刺すからね」
満面の笑み、でも手には包丁。
──全員、推しの顔。
なのに、全員が全然違う。
「ちょ、ちょっと待って! 自己紹介が……情報量が多すぎる!!」
「そんなの後でいいじゃん、ね? まずは一緒に寝よ?」
「バ、バカ! 一番は私よ! 私の部屋に来なさい!」
「ふふ……あっち行こ? 静かな場所、好きでしょ?」
「いいから全員下がれ。この人を守るのは、私だ」
大混乱のまま、なぜか始まった「共同生活」。
──俺、これから、どうすんの?
お読みいただきありがとうございました!
初対面から全員に好かれているという地獄(?)がはじまりましたが、
次回からは1人ずつ、彼女たちの“心の奥”に触れていきます。
Xでキャラクター紹介もしてるよ!
第3話は、癒し系ノアの涙と“選ばれる不安”に迫ります。
ここから物語が少しずつ、“優しい切なさ”を帯びていきます。