部下と再会したけども、そう簡単にことは上手くいかない
ゼロたちは街へ向かっていた。
森の中なので道という道はなく、
こういった道になれないソフィアは疲れていた。
しかし、他のメンバーは疲れていなかった。
冒険を続けてる勇者。人間でないアスナ。
盗賊のスキルをもち運動神経を持つエリーゼ。
奴隷として体力のあるリディアとセラ。
このメンバーに比べると
ソフィアはお嬢様だったので体力はなかった。
(乗り物ないかなー。まぁこんなとこで乗り物なんて無さそうだし……)
そんな中エリーゼがアスナに聞く。
「そういえばなんでいきなり力が覚醒したの?」
「私にもわからん。みんなを助けたいと思ったら
ああなった」
「俺が気を失い、リミッターが外れたからだよ。
だが、お前の力はあんなもんでは無い。
倒した俺が知ってるからな」
「えっ? てことはアスナってもっと強いの?」
「人が弱いみたいに言うなよエリーゼ。
私はその気になれば街をひとつ吹き飛ばすことできる魔王なのだよ」
堂々とアスナが答え、エリーが納得する。
「なるほど。あとアスナ私のことはエリーって呼んでいいよ」
「どうしたんだ?」
「これからしばらく一緒に旅するし
それでいいかなと」
「わかったよ。エリー」
2人が会話してる中。ソフィアが岩をイス代わりに座っていた。
「ソフィアさん! 遅れますよ!」
セラが呼ぶ。
「休んでから行きますので遠慮なさらず」
一同は休んでるソフィアが不安だった。
特にゼロが心配していた。
「とりあえず心配だ戻らなければ」
「待て待て待て待て」
アスナとエリーゼが止める。
「そんなこと言ってまたソフィに撮って嫌なこと
するんじゃないの?」
「お前もホントに懲りないな。せっかくお前のこと見直してきったてのにまた振り出しに戻るぞ」
ふたりが呆れながらもゼロを止める。
ゼロはその制止を無視する。
「いいんだよ! 俺が欲しいのはソフィアと添い遂げることなんだよ!」
(うわぁ言っちゃったよこの人)
ドン引きするアスナとエリーゼ。
すると
「きゃああああ!」
ソフィアの叫び声がし、急いで駆けつける一同
するとそこには赤いオオカミが
気絶してるソフィアを乗せてどこかへ去っていった。
「待て!」
追いかけようとするゼロだが、アスナがコウモリのような大きな翼を広げ、オオカミを追いかけっていった
「アスナ空飛べるんだ」
感心するエリーゼ。
そしてアスナはオオカミに追いつく。
「久しぶりだなウルフ。匂いでわかったぞ
お前生きていたのだな」
するとオオカミは人間の女性になった。
グラマーな赤く長い髪の20代前半に見える女性だった
「お久しぶりです我が主」
「どうしてこのようなことを?」
「それは私が聞きたいのです。なぜあなたを倒した勇者や食料と共にいるのです」
「成行きで仕方ないのだ。それにその娘は食料では無い、私の新しい部下だ」
「部下? 人間を部下にするとは落ちたものですね主」
「ともかく部下を集めあの勇者を倒し、再びこの世を我が手中に収めるのだ。協力してくれるかウルフ」
「はい、主。でも……」
その時アスナは
突然地面からでてきた檻に閉じ込められてしまった。
「残念だったな主。いやアスタロト! 今日から私が 魔王になるんだよ!」
檻には電撃が走っておりアスナは電撃を浴びる
「ぎゃあああ!」
「その程度の電撃で慌てることもないだろう
アスタロト。さて魔王の座を……」
その時ソフィアは目を覚ましていた。
油断しているウルフ。その隙を狙い
ソフィアは体当りをした。
「アスナ! 今助けるわ!」
ソフィアが魔法を唱えると檻は破壊された。
ウルフが問う。
「貴様なぜ魔王アスタロトに寄り添うのだ?」
「アスタロト? アスナのことですか?」
「そんな人間みたいな名前をつけられるとは
ほんとに地に落ちたな。お前はそのうち
食われるんだぞ!」
「私はアスナの食料でも部下でもありません!
アスナの友達です!
たとえ魔王だったとしても今の彼女は
人間です!」
ウルフは戦闘態勢になりソフィアとアスナを襲う。
するとどこからともなく誰かがドロップキックをしてきた。
「うぎゃ!」
ウルフは遠くまで飛ばされてしまった。
「ゼロ! 来てくれたのか!」
アスナは嬉しそうに言う。
「なぜここがわかったのですか?ゼロ様」
ソフィアが問う。
「アスナには体に発信機を埋め込んでる
「え?」
「だからどこに逃げようがすぐ分かる」
アスナは慌てて自分の体全身調べる。
ソフィアは呆れて言う。
「アスナ、今埋め込んだって言ってましたよ。
だから取り出せないと思いますよ」
「そうなのか?」
(とすると私たちも脱走はできないのかしら?
たとえそうでなくてもあの勇者は私を逃さないと思うけど)
ソフィアはアスナの話を聞きながらこう思っていた
倒れ込んだが目を覚ますウルフ。剣を向けるゼロ
「さて、どうしてくれようか雌犬。今日のオカズにしてやろうか?」
ウルフは戦闘態勢になるがアスナが止める。
「待て! 裏切り者はこの私が始末する」
するとウルフに向けて手をかざしたアスナ。
そして念じた
「ぎゃあああああああああ!」
突然ウルフの肉体が溶けるように崩れ落ちていく
「あるじ、たすけてぇ!」
「私に対してよくも!」
骨が見えてアイスクリームのように
溶けていくウルフ。
しかしながら次の瞬間元に戻る。
「え?どうして?」
不思議がるウルフ
それは力をかなり使い回復魔法を使ったソフィアがいた。
倒れ込むソフィア。駆け付けたエリーゼが
介抱する。
「ソフィア、なぜとめたんだ!」
「私に考えがあるの……アスナ……」
ソフィアは気を失う。そしてゼロに
はたかれるアスナ。
「何するんだよ!」
「お前こそよくもソフィアにこんなことを!
俺もソフィアと同じく利用する手はずだったんだ」
「え?」
アスナが不思議がる中、
ゼロはウルフに首輪をつける。ウルフが聞く。
「なんだこれは?」
「首輪だよ。お前の主と同じシステムだよ
お前の主は俺に逆らうと魔法のペナルティが起きる。そしてお前の場合はアスナに逆らうと」
「んぎゃあああ!」
ウルフは焦げるほどの電撃を食らう、生きてるのか分からないほどぐったりした
「おかしいないつもこれぐらいの設定なのにな
アスナにかけてるのはやはり、こんな感じか。
まぁさっき強力な熱魔法を浴びてたからとりあえずここでテント張って休むか」
これを見てアスナたちは怯える
(なに?私にかけてたのあれぐらいだったの? え?)
しばらくしてソフィアは目が覚める。すると急いで起き上がるソフィア。
「アスナやアスナのお友達は?」
急いで探そうとするがその隣にはゼロがいて目が覚める。ゼロは例のごとく半裸だった。
「ソフィアあの時看病した時のように今度は俺が!」
次の瞬間ソフィアは問答無用でゼロを殴り飛ばす。
その後、攻撃魔法を食らわせ怒りながら
テントを出た。
ゼロは生きてるのか分からないぐらいのびていた。
ソフィアは外を歩いているとアスナが近くの川で水浴びをしていたところに遭遇する。
「誰だ!」
アスナが気づくがソフィアと気づき
安心する。
「なんだソフィアか目が覚めたのか。みんな心配……」
「どうしてお友達にあんなことを!」
「え?」
ソフィアは真剣な表情でアスナを怒る。
「私アスナを尊敬してたのよ。
でもあんなことするなんて」
アスナも真剣な表情になる。
「裏切り者は死あるのみだ」
「だからってあれはないでしょ
私はあの子を乗り物として
利用したかったんです。
まぁどうせあのエロ勇者がまたなにかしたみたいで逃げられないようですけど
もし私たちが裏切っても同じことするんですか?
仮にそうだとしても私はあなたの部下でもないし
あの人の奴隷でもないわ!」
泣きながらこう言い、ソフィアはその場を去った。
布で体を隠しソフィアを追うアスナ。
するとそこにはとんでもない光景があった。
何とウルフ、エリーゼ、リディア、セラ、そしてソフィアまでもが下着の姿でゼロの前に立たされていた。
やってきたアスナに気づくゼロ。
「ちょうど良かった。さてお前もとっととこっちに来い」
すると胸を手で隠し布で下半身を隠して、ソフィアの隣に立つ。
「なぜお前たちがこうしてるのかそれは
ウルフのせいだからです。
ウルフがなかなか、言うことを聞かないので
みんなの裸をこのカメラというものに収め、
写真という生き写しのような絵にすることにしました。もうアスナ以外は撮ってある。えい!」
「うわ!」
アスナにわざとフラッシュを焚き付け、写真を撮る
するとカメラから写真が出てきた。
写真は胸を隠しながらフラッシュの眩しさから
顔を守ってる写真だった
するとアスナが怒る
「おい! お前何してんだよ! これ何に使うんだよ!」
「お前らが脱走したら晒すためだよ。」
するとソフィアが口出しをする。
「あの?これって、私は撮る必要あるんですか?」
「観賞用」
ゼロはサラッと答え、ソフィアのブラをさりげなく外し、写真撮る。
「きゃあああ! このスケべ!」
写真を撮ったゼロを棒でたたくソフィア。
「いい加減にしなさいよ! このエロ勇者
やっていい事とわるいことがあるでしょうが!
お嫁に行く前の私に散々しやがって!」
「わかった!わかった! わるかったよ!」
謝るゼロ。叩くのをやめるソフィア。
「それでいいんですよ。全く……」
するとエリーゼは固まる
(あんなソフィア初めて見た。長い付き合いだけど
あんなキレるって相当じゃない?)
その後騒動が落ち着きソフィアはウルフとアスナを呼ぶ。
「どうしたんだソフィア?」
「来たのね。アスナ、ウルちゃん」
「ウルちゃん!?」
ウルフは自分がそう呼ばれたことに驚く。
「貴様誇り高きこの私を」
「えいっ!」
「うわっ何だ!」
いきなりウルフに向かって電撃魔法を繰り出す
ソフィア。
「そして同じものをえいっ!」
アスナに同じ電撃魔法をかけるソフィア
「どう痛い?」
「痛いというかピリッとした感じ」
「じゃあこれなら」
ソフィアは何回か魔法をかける
2回目は少し痛め。3回目はまぁまぁ痛いが我慢できるぐらいだったが。4回目を浴びると
「いてててて! これだよ。これがいつもの電撃!
って何すんだよ! ソフィア」
「なるほど、そういうことか」
ソフィアは納得する。
「実は一番最初のは普通のダメージ程度のもの
それから徐々に攻撃力を上げて、最後にやったのは
弱いモンスターなら死ぬどころか丸焦げになって
最悪灰になるくらいのレベル」
それを聞いてアスナの顔は真っ青になる。
「じゃあウルが死にかけたのは? 同じ魔法ってことか」
「でしょうね。あのエロ勇者加減を考えないんだから」
するとウルフの首輪の装置を見る、ソフィア
それに対し、ウルフは手をはねのけこう言う。
「触るな! 人間。私は人間などに
余計なことをして欲しくない」
「ウルちゃん、そんなこと言ったらあの勇者に
殺されるよ。アスナと一緒に魔王軍団復活するんじゃないの?」
「ウルちゃんだのアスタロト様を呼び捨てにし
お前何様だ!」
するとウルフの顔を見て真剣にソフィアは言う。
「仲間だよ! この首輪メカに詳しい人じゃないと
ダメだね。そういえばセラがこういうの詳しいな」
するとアスナが礼を言う
「あの、ありがとうソフィア」
「ソフィでいいよ。アスナさっきはごめんね」
「さっき?」
「水浴びの時言った言葉。あれはホントのことだから、この先気をつけた方がいいよ」
その後セラを呼び、セラは首輪を見た。
「お前こういうの詳しいのか」
「うん」
アスナの問いに答えたセラ。
「調整しといた。これでウルフにとってちょうどいいぐらいの電撃にしといた」
「電撃はとらんのか?」
「勇者様に怪しいと思われたくないから」
「そうか」
ウルフは照れながら礼を言う。
翌朝オオカミとなったウルフにソフィアは乗る。
ウルフにはシートベルトが着いてあり
それをしめる。
「落ちるなよ人間」
ソフィアは頷きオオカミの状態のウルフに捕まり
ウルフは走る
「早いな」
ゼロは感心する。ゼロたちも後を追った。
ソフィアはこう思っていた。
(アスナは私の父の仇、そしてあの子に食べられた子も沢山いるはず、私もいつかアスナに食われるかもしれない。でも私はエリーたちと一緒に自由になるため、彼女を利用するんだ。いつの日か)
一方ゼロたちの旅路を後ろから見てる
コウモリの翼をはやした金髪の10代前半に見えるゴスロリ衣装の少女がいた