堕落した魔王、そして運命の出会い
たまに、ファンタジーでこんなの出るのみたいなやつが
出てきますが、この後も沢山だすつもりなので
そこのツッコミは見逃してください
勇者は殺人犯に疑われた。
その濡れ衣を晴らすために村の娘エリーゼに
調査させるが証拠が足りない。
そこで勇者の奴隷になった元魔王アスナは
もうひとり少女を甦らせる。
被害者の1人であるリディアという少々弱気の少女だった。
彼女はプロポーションがよいエリーゼに比べると
小柄で背が小さめの、緑の髪の少女だった
「リディア。あんた相変わらずオドオドしてるわね
魔王に囚われた時もオドオドしてたの
覚えてるわよ」
挑発するエリーゼ。リディアは困ったように
するが言い返す。
「そんなあなたは男に裏切られてどうなんです?
フランツ様は最初から怪しいと思ったんですよ」
「なんだとー」
言い争いをしようとする2人を止めゼロは
リディアに聞く。
「エリーゼ、彼女に話を聞いてもらおう。
知ってることをいってくれるね?」
「はい、勇者様。私はエリーさんとはちがって
男にホイホイついて行きませんが、
色々と奴隷にされてまして
私が村へ戻ったあとも奴隷のように
使われてました。
ある日、同じ奴隷の女の子が死体で
発見されたことがありまして…… 」
「なるほど、それはお前らみたいに刺されたのか?」
ゼロが聞きリディアが答える
「いえ、ムチで叩かれて、過労死……
と思ったのですが、他の人に聞くと
好きなように死ぬまで玩具のように
扱ってたのです……」
「酷いな!」
リディアの言葉に激しく反応する。アスナ
リディアは話を続ける。
「それで私は、人間扱いをしないとこを
見て逃げようとしたら
そこから覚えてなくて……
目を覚ましたらここにいました」
「なるほど俺らが殺したことにするため利用された
感じか、そしたらその女たちの遺体を探せば
奴らがリディアを口封じに殺した道理になる
その証拠を俺たちが見つければ、
奴らの弱みになる。 ありがとうリディア」
「はい、勇者様は私の恩人ですので、これからは
勇者様の奴隷として働いていきますのでお願いします」
ゼロの返しに素直に笑顔で答えるリディア。
それに答えるアスナ
「バカバカしい、何が奴隷だ。自由になりたくないのか」
「あなたも居場所がなく勇者様の奴隷になってるのでしょう。アスナさん!同じ奴隷同士頑張りましょ」
「そ、そんなこといわれても、いてて!」
「どうしたんです?」
アスナが電撃を浴びたことに疑問に思うリディア
ゼロが答える。
「彼女には脱走防止で、電撃魔法を常にかけてある。なにか妙なことをしたりしたらこのように電撃魔法並みの電気がはしるのだ」
(うわ、えぐっ)
ゼロの言葉にドン引きするエリーゼ。
するとリディアははしゃぐ。
「すごい!脱走防止でそんなのをするなんて!
私にもかけてください」
「なぜだ? これすごく痛いよたぶん」
「私は奴隷にされるなら好きな男に
痛いことをされたいのです。
それであれば電撃だの燃やされても
耐えられるのです」
笑顔でリディアはこう話すがゼロたちは
戸惑っていた。
そんな中エリーゼは疑問に思う。
「でもよく考えたら、リディアの同僚の
死んだ姿見せてもそれは違う事件じゃないの?」
ゼロはその疑問に開き直るように返した。
「あちらも俺らをでっちあげようとしてるんだ
その悪い部分を暴露すればあちらも言い返し
出来ないだろう」
エリーゼは強引だなと思ったが、まぁいいか
と気を取り直してゼロの話を聞いた。
「とりあえず次はその死体の証拠を探すとしよう
リディアはなにか特技あるか?」
「私は特になんも出来なくて。あるとしたら
体が丈夫なぐらいですかね」
(うーん、あまり期待できないな)
リディアの能力を聞き アスナはそう考えた。
すると村人がある場所に集まった。
それはフランツとナターシャが何者かに殺され
その死体が外に晒されていた。
2人は下着の状態で死んでいた。
エリーゼは驚きを隠せなかった。
アスナは彼女の心を案じていた。
(クズであるが1度は愛した男だ。 そうなるか)
ゼロは焦ってエリーゼに聞く。
「エリーゼ入った痕跡は残してないだろうな?」
「大丈夫よ、残さないようにしたわ」
エリーゼは焦って答える。すると男の一人が
死体を見てる野次馬から現れあることに気づく。
「フランツのピアスが片方ない」
人々はざわめく。ゼロは気づいた
「まさか、お前!」
「いやそれぐらいいいでしょうよ!」
「マジか! 俺らの疑いが余計増えてしまった」
「そんな、落ち込むことないでしょう」
エリーゼは慌てて弁解するが、
ゼロは怒りながら言う
「お前もアスナと同じ奴隷なんだ!
アスナと違って人間のお前は俺が念じたら
一発で死ぬぞ」
「え?」
エリーゼはショックのあまり言葉が出なかった。
すると村人たちが
ゼロの怒鳴り声で彼らに気づいた。
その時先程騒いでた大男が近づく。
ゼロは指示する。
「エリーゼとリディアは隠れてろ。見つかったら
厄介なことになる」
エリーゼとリディアは身を隠した。
大男ガデムはゼロに話しかける。
「さっきからコソコソしてるがお前らやっぱり怪しいんじゃねえのか? フランツから金目のものをとるため殺して、何が目的だ?」
「そんな自分の身が危うくなることあえて俺はしませんよ。報酬なら沢山貰ったから」
「なんだとこの!」
殴りかかるガデム。ガデムのパンチは当たった。
それはゼロでなくアスナに当たった。
「何で?」
そう思いながらその場で軽く
吹っ飛ばされたアスナ。
その後ゼロは騒ぎ始める。
「なんてことだ女性に手を上げるとは
それでもお前は男か!」
(おかしいな、なんか盾にされたような)
アスナがこう思うのは無理もない。
ゼロの代わりに殴られたのだから
それに対してガデムも言い返す。
「いや、明らかに今お前が盾にしただろう」
するとゼロは叫ぶ。
「ここにいるのはこの金髪巨乳を殴り、
私に罪をなすりつけた。みんな捕まえてくれ」
村人たちはガデムに集まり取り抑えようとする。
「違う俺は、あいつをただ! って居ない!
ちくしょう」
何とかどさくさに紛れ、逃げたゼロたちは
宿を引き払い、村から少し離れた場所で
テントを作り潜伏した。
「宿にあるものは全部俺のバッグに入れた。
そして最後の娘の遺体も連れてきた。
ここではアスナの結界を
利用しバレないようになってる」
するとエリーゼが気になる。
「ねぇ?アスナってなんなの?
さっきから人間でないような話してるけど」
「それは……」
「彼女は魔王だったモノだ」
答えかけたアスナにゼロがはっきり答えた。
「え?魔王なの? 確かに只者じゃない気は
したけど…… なんでこんな?」
「こいつにほぼ全ての魔力を奪われたんだ
だが、何故か私は奴隷として生かされてる」
「ふーん」
アスナの弁解に納得するエリーゼ。
ゼロは早速アスナに
最後の遺体を甦らせるように言うが。
「やだ!」
「お前、奴隷だろ。さっさと言うこと聞けよ」
「これじゃリディアと扱いが変わんないんだ
私に優しくして……
うぎゃあ体にトゲトゲがミシミシと」
どこからともなくウニのようなモンスターがアスナに取り付いてきた。
これにエリーゼは物申す
「ちょっと酷くない? アスナを盾にしたりとか
それに私たちが奴隷ってどゆこと?
説明しなさいよ」
ゼロはエリーゼに厳しく言う。
「魔王は俺の契約で逆らえないことにしてる。
そしてその力でよみがえった
お前らも同じなんだ。
俺が主になったことでお前たちはかろうじて
生きてるんだ」
次の瞬間エリーゼはゼロをビンタする。
「何それ!意味わかんないよ!
蘇らしたことは感謝してるけど
そんなんじゃ生きたとは言えないよ!」
怒るエリーゼに対してリディアは止めるように
言う。
「やめてくださいエリーさん! 勇者様は助けてくれたんですよ。もし嫌なら私だけが奴隷として働きます!」
するとアスナは彼女たちをみて少し気が変わった。
「わかった、やるよ!
ただ、私はリディアやエリーゼの心意気
でやると決めたことを忘れるなよ」
「いいからさっさとやれ!」
アスナが決意する中ゼロは辛烈に返す。
アスナは腹が立ったがペナルティを喰らいたくない
のとエリーゼとリディアのために渋々、
最後の少女の遺体を蘇らせた。
それは村長の娘、ソフィアだった。
ソフィアは水色の髪色でロングヘアーの
18~20程の年齢の美少女だった。
エリーゼは遺体がソフィアと気づき
驚きを隠せず言う。
「ソフィ……あなたまで一体何が……」
「エリー? 何故ここに?」
ソフィアは自分がなぜここにいるか
どういう状況なのかが分からなかった。
するとその時点でゼロはソフィアの胸を
触りながら姫抱っこで抱えていた。
「きゃあ!」
ソフィアはビンタして、ゼロから離れる。
「なんなんですか! いきなり!」
ソフィアはゼロを怖がる。ゼロはソフィアの
美しさに見とれつつ、弁解する。
「すまない蘇ったとこに、たまたまいたものでな
だがエリーゼの今の言い方だとソフィアが
死んだことを知らなかったっと言うことは
別々のところで死んだってことか」
ゼロは話を整理した。
「エリーゼはフランツの家で、リディアは奴隷として働かされてた場所。で、ソフィアは……」
「え?あの……わたしは……よく覚えてません」
「覚えてないどういうことだ?」
「あの日、家で水を飲んで寝たらいつの間にかここに来て……」
「と、すると寝てる間に殺された感じか」
聞き出されたソフィアは
少しショックを感じていた。
「思い出したわ。あの時確かに冷やしてある
水を飲んだ。
それになにか仕込んでたと言うの?」
アスナはこれに対してこう言った。
「とういう事はソフィアに親しいものが
なにか眠り薬を水に入れたのだな」
「それじゃ私を殺したのはお父様や村の誰かなの?
いえ、そんなわけはないわ。みんな優しいし」
「じゃあなぜお前はここにいる?
お前が水を飲むよう仕向けたやつが怪しい
お前は甘すぎるのだ。箱入り娘」
「な、何よアンタ! さっきから偉そうに
よく見たらアンタさっきチヤホヤされた
娘ね! アンタ一体何なの!」
反論するアスナに怒るソフィア。
その最中リディアが思い出す。
「あの?ガデムさんが怪しいです」
「ガデム? あの巨漢か」
「そうです、アスナさん。私あの人にこき使われてたので分かるんですよ。
あの人が叩いて、他の男性が女の子を玩具のようにして
それをゴミのように捨てる。その現場を
私が見たので、私は多分ガデムさんに
口封じに殺されたかと」
リディアの言葉にエリーゼは少し疑問を持つ。
「リディアはガデムにやられたとして
私らに関してはたぶんガデムでは無いと
思うのよね。
ただ、フランツ様とあの白髪の女は
もしかしたらガデムかも」
謎は深まるばかりだが気がつけば
夜遅くなっており、ゼロの提案で寝ることにした。
テントはひとつしか用意してなかったが
ゼロはソフィアに提案する。
「ソフィアは俺が別に用意したテントで
寝ればいい」
「えっ?
私はみんなとでもだいじょうぶですよ?」
「あのアスナという金髪巨乳がいちばん危ない。
あいつは人間を食べる悪魔なんだよ」
「そんな! それだったらほかのみんなも一緒に
別のテントで寝ないと危ないわ!」
ソフィアは戸惑いつつもゼロの言葉を信じた。
そしてゼロはさらに言う。
「他のやつはもうあいつのマインドコントロールで手先に……」
ゼロがこう言ったときエリーゼが
後ろから蹴ってきた。
「痛いなぁ!」
「そんな嘘吹き込まないの!
ソフィ狭いけど大丈夫?
アスナが怖いなら私の隣で寝ていいわよ」
「ありがとうエリー。でもあの子私平気だから!」
「いやダメだ!安全のため別のテントだ!
俺は外で見張ってるから!」
ゼロは強制的に別のテントにソフィアを寝かし、
ゼロは外で寝ることにした。
エリーゼはこのことを不審に思った。
そしてゼロたちテントで寝た。
リディアはトイレのため起きて、外に出ていた。
一方ソフィアはゼロが別に用意した
テントの中でぐっすり寝ていた。
すると、ベッドの中に誰かが入っていた。
ソフィアはそれに気づいて起きた。
「なんだろう? 誰かいるの?」
不思議に思うソフィアは布団をめくった
すると半裸のゼロがそこにいた。
驚きのあまりソフィアは大声で誰か呼ぼうとするがゼロは手でソフィアの口を抑える。
抵抗するソフィア。しかし、下着姿のソフィに無理やりキスをし、ソフィアの下着を無理やり脱がそうとする。
必死に抵抗したソフィアはゼロを突き放し胸を隠し
ながらゼロに怒鳴る。
「なにするんですか!いきなりこんなことして!」
涙を流しながら怒るソフィアにゼロは言う。
「ソフィア俺はお前が好きなんだ。魔王の城から助けてからお前を嫁にすると決めたんだ」
シーツで体を隠したソフィア。
ソフィアは勇者のことを怖がった。
「いや、来ないで!」
ゼロは抵抗するソフィアに近づく。
すると次の瞬間、何者かに
鈍器のようなもので後頭部をぶたれ倒れ込んだ。
一方リディアはトイレから終わり川のそばを歩いていた。すると少女の死体が川に流れていた。
「ぎゃあああ!」
突然の叫び声にアスナがリディアの元に
駆けつける。
アスナは少女の多数の少女の死体が川の近くに
廃棄されてるのをみて慌ててゼロに知らせようと
テレパシーを送る。
しかしゼロは来なかった。
すると叫び声を聞いてエリーゼはシーツで体を隠しているソフィアとともに駆けつけた。
ソフィアは泣いていた。
エリーゼは駆けつけて聞いた。
「アスナ!一体何が?」
「お前こそ!ソフィアは何があったんだ?」
ソフィアは喋れないほど泣き崩れていた。
するとリディアは少女たちの死体をみて
唖然としていた。
「ああ、セラ、ミリア……」
落胆しているリディアに近づくアスナ。
リディアはアスナの服を掴む。
「ねぇ、セラたちを私たちみたいに甦らせることできないの?」
死体は腐敗が進んでるのが多く、虫が集ってるのも
多かった。
アスナはこの光景を見てリディアに伝える。
「腐敗が進んでたり、死体が多い、これだと
魔力を多く使う。いくら私でも無理だ」
アスナはそう返すがリディアの顔を見て、考え直す
「でもやってみよう」
魔法を使いセラという少女は綺麗な姿に戻るが
目を覚ますことは無かった。
そしてほかの死体は変わらない様子だった。
アスナは謝る。
「すまない……」
「うわぁぁぁん」
泣き崩れたリディアに何も出来なかったアスナ。
エリーゼはそれを見てこういう。
「こんな時に言うのはあれだけど
これで証拠はできたわね……
これを村長に見せれば
村の人もわかってくれるかも。とりあえず
今は寝ましょう」
落ち込んでいるリディア。
そして怯えてるソフィア。
エリーゼとアスナは2人の身を案じて
彼女たちと共にいることにした。
次の朝
テントの中でご飯をテーブルで食べていた
ゼロたち。
ゼロは包帯を頭に巻いていた。
ゼロはテーブルを叩き、普通に食事をしてる
エリーゼに怒って言った。
「エリーゼ!おまえだろ! フランツ殺したのは
ほかの女とヤッてるとこが許さず
寝てるところをおそったんだろ!」
「な、なに?いきなり!」
「とぼけても無駄だよ!わかってんだよ!」
「そんなら私はフランツ様に
そんなことしないよ!」
「金品とって売ろうとしたんだろ。ああ女って恐ろしい!」
するとソフィアは言い返す
「勇者様!エリーはそんなことしません!」
「ソフィア、昨日こいつは俺をなんかでぶったんだぞ!香水の匂いでわかってるんだぞ!」
するとリディアは聞く。
「何かあったんですかソフィアさん?」
ゼロは怒って反論する
「昨日俺はソフィを襲おうとしたやつから、守ろうとしたら……」
「私は勇者様に犯されそうになりました。いや犯されました!」
ソフィアは話をさえぎりはっきり言う。
リディアは唖然とした。ゼロは慌てて弁解した。
「ソフィア。そんなことないだろ俺は……」
「私は勇者様に襲われ、エリーは助けてくれたんです」
不機嫌なソフィアがそう言うと
ゼロはさらに言う。
「お前、俺を殺そうとしただけでなく。あの死体も村とグルになってお前が加担したんだろ?」
「違う! 女の子の死体は私じゃないよ!
あんな酷いこと神に誓ってしないよ!」
「女の子の死体はってことは俺のはやったんだな」
エリーゼは感情に任せうっかり自分が
ゼロを鈍器で殴ったことを言ったかのようなことに
なってしまう
アスナはエリーゼから一通り話を聞いていた。
そしてゼロに訴える。
「どう考えてもお前が悪い!
お前はソフィアたちをどう思ってんだ!」
「黙れ!お前自分の立場わかってるのか!
ソフィアは奴隷のお前の力で
蘇った。つまり主は俺なんだ!どうしようが
俺の勝手……」
「酷いわ!」
ソフィアは大声を出し泣き崩れた。
リディアは必死に話を変えようと
これからのことを話す。
「あのその話も大事ですけども、今はセラたちの仇を取らないと! とりあえずガデムさんをおいつめましょう」
こうしてゼロとアスナは村長を死体が沢山あった川の付近に誘導するがそこに死体はなかった。
「何も無いじゃないか」
こう言い村長は呆れて帰る。
すると村から悲鳴が聞こえる
それはガデムが何者かに殺されていた。
ガデムの死体は村の広場で晒されるように
放置されていた。
ゼロはこの状況に驚愕していた
(ガデムが犯人じゃないのか?
いや彼が犯人のはずだ、
そうでなければ犯人は……)
ゼロは考えた中、犯人に思い当たる人物を
ピックアップする。ゼロはソフィアに
あることを頼もうとはなしかける。
「ソフィア、お願いが……」
「いやです!」
「まだ何も言ってないでしょ」
「私を物のように思ったり襲おうとした
あなたに指図されたくありません!」
ゼロはカッとなりそうになったが我慢した。
だがアスナが説得する。
「ソフィア。すまないが彼に案があるようなんだ」
ソフィアはアスナの言葉には耳を傾けた。
「まぁ、あなたが言うなら、聞いてあげても
いいわ。」
「なんでアスナの言うこと聞くんだよ!」
「勇者様と違っていきなり寝込みを襲わないからです!」
ソフィアはゼロに言い切るがゼロの言われた通り
のプランを実行することになった。
その夜ソフィアは村長の家を尋ねる。
「ソフィア、生き返ったのか!」
「お父様、私は女神様によって蘇ったのです」
「そうだったのか、にわかには信じられんが
こちらへ入れ」
明かりをつけ、ソフィアは部屋に入る。
「どうしたんだソフィアこんなときに帰ってきて
今までどこにいたんだ?」
「勇者様と一緒にいたんです。勇者様が
助けてくれて」
すると村長は顔色を少し変える。
「なるほど、そういうことか。女神ではなく
あの勇者に甦られたか。」
ソフィアは内心動揺する。村長は話を続ける。
「お前は私が犯人と思ってるんじゃないのか
この事件の」
「いえ、そうは思ってません。ですがお父様なら
なにか知ってるかと思って」
「そうか……」
ソフィアが聞くと村長は立ち上がり、ソフィアを
突き飛ばす。
「何をするんです? お父様!」
「ソフィア。私はレフィーナ……お前の母を殺し、
ついに自分のものになると思ったのだが……」
村長の言葉にソフィアは動揺する。
「どういうことです? お母様は 魔王のモンスター
に殺されたんじゃなかったのですか?」
「レフィーナは私を愛さなくなった。
私はお前を女として愛し、レフィーナは
お前を私から離そうとしたのだ。
そしてほかの村人に頼みモンスターが殺したよう にしたのだ」
「そんな! お父様、ひどいわ! あなたもあの勇者様と一緒よ! 私を強引に、しかもお母様を殺すなんて!」
すると村長は不思議がる。
「勇者? あの勇者お前に手を出したのか!
まぁよい。ほかの娘をフランツやガデムに殺させ
ガデムに死体を運びそれらを勇者のせいに
することにした。
だがあいつらを生かしておくと色々面倒だ
全て勇者のせいにすればいいとして
フランツもガデムもみんな殺したのだ!」
するとソフィアは少し怒るように反論する。
「なぜ!そのようなことを! 勇者様やアスナさんが何をしたというのです? しかもエリーやリディア、私まで殺したのは?」
「ソフィア。私はお前を愛していたのだ。
私はお前を誰にも渡したくない。死体にし、
永遠に腐らない体にし、
ずっと私のものにしたかったのだ!
ほかの娘は利用しただけだ。
魔王の遺産は我々のものだ。
あの勇者にあげる金などない!
場合によってはあの勇者も犯罪者となり
死刑にしてもらうはずだったのだがな!」
ソフィアは本性を表した村長の言葉に怒りを覚える。
「勇者に死んでもらうのは、頼まれたというのも
ある。多額の報奨金を貰い、勇者への謝礼もないことにする。お前の死体を貰うと言った時は焦ったが、いつでもあいつを殺すことなど簡単だ。」
「誰かに頼まれたのですね? お父様……」
ソフィアは確信する。村長はさらに答える。
「気がかりなのはあの金髪の娘だ。あんなやつは村では見たことない! あいつは一体なんなんだ!」
するとソフィアは何かを唱え、落ち着いた口調で
村長に言う。
「あの人……アスナさんはお母様の仇の魔王
ですよ……」
「なにっ? うっ! なんだ! 身体が」
「いえ、アスナさんではなく殺したのはあなたでしたけどねお父様! 今です勇者様!」
身体が動けなくなった村長。そこに家を囲むように
扉や壁を壊し、四方を、ゼロ、アスナ、エリーゼ
リディアが囲む。
「よくやったぞ! ソフィア!」
「何ソフィア! これはどういうことだ?」
動揺する村長をおいつめたゼロ。
ソフィアは落ち着いた雰囲気で答える。
「お父様? 私はお母様の魔法使いの素質を継ぎ
修行してたことをお忘れだったのですか?
私の事を一人の女としてしか見えず、今まで
何を見てたのです?
私は勇者様に頼まれ、囮になったのです。
最初は断りましたが、お父様が犯人か
それが知りたかったのです!」
すると小型の機械をソフィアはだす。それは
先程のソフィアと村長の会話が録音されていた。
「異国のテープレコーダーという代物です。
これを勇者様に渡されました。
皆さん取り押さえてください! 」
勇者たちは村長を取り抑えようとする。しかし、
向こうから人々が現れる。
村長は笑う。
「お前たち取り押さえたつもりだろうが、逆に
取りかこまれてるんだよ」
多数の村人に囲まれるゼロ達。
ソフィアは動揺し、村長にかけてた静止魔法が
解けてしまう。
村長はソフィアに襲いかかろうとした。
しかし足を負傷し倒れた。
エリーゼがナイフを投げて
村長の足を傷をつけたようだ。
ソフィアはその隙に逃げる。しかし村長は
ソフィアの足をつかみ、ソフィアは転ぶ。
そこにリディアは村長に体当した。
「なんだこの女石のようにかたいぞ!」
「私は体が丈夫なんですよ! その気になれば
石のような硬さになれるんです」
ソフィアは村長が手を離したスキに逃げ出す
ソフィア。彼女はアスナの隣に来た。
「なんでそっちなんだ!」
「そんなこと言ってる場合ですか勇者様!
今はここからにげないと!」
アスナの近くにすぐ駆けつけたソフィアに納得
いかないゼロだが逃げることを選ぶ
しかしながらエリーゼとリディアは
村人たちに取り抑えられてしまう。
嫌がるふたりにアスナは駆けつけて、止めようとする。
するとその隙に村長はナイフを出し
ソフィアに襲いかかろうとする。
「ソフィア! 死んで私のモノになれ!」
ナイフは刺さった。しかしそれはゼロにだった。
「勇者様!」
「ソフィア……」
ゼロはソフィアを村長から庇い、その場に倒れる。
邪魔をしたゼロを憎み、ゼロをナイフで何度も
さす。
「死ね! 勇者!」
しかし村長の動きは止まった。
ソフィアが再び魔法をかけ動きを止めたのだ。
ゼロは力をふりしぼり体当して村長を吹っ飛ばした。
そして再び倒れ込む。
ソフィアはゼロの身を案じて必死に叫ぶ。
「勇者様なんで私のために!
あんな事を言ったのに! そこまで私に、何で?」
「ソフィアのことが好きだからに決まってるだろ
俺はお前を自分の嫁にするために魔王を利用しようとした。一目見て好きになった。そして強引にも嫁にしようとしたんだ。結局はあの村長と一緒だったんだな……」
そう言いゼロは気を失う。
「勇者様! ゼロ様!」
村長は再び立ち上がり、
ソフィアに襲いかかろうとする。
その時アスナの体に異変が起きる。
大勢の村人に襲われるエリーゼとリディア。
その最中、アスナの魔王の力が戻っていった。
アスナは今まで着ていたドレスが敗れ
体を黒い模様で覆うような
露出度の高い格好になっていた。
アスナはエリーゼとリディアを襲っている
村人たちを払い除け、村人たちを灰にした。
「な、なにこれ?」
エリーゼは驚く。アスナが言う。
「エリーゼ、リディア!隠れてろ! お前らさえも
殺しかねない!」
すると2人はソフィアと共に逃げようとする。
ソフィアはゼロを見捨てられなかった。
「エリー! ゼロ様が!」
「勇者なら大丈夫だ! なんとかなる」
エリーゼが説得する中、アスナは村長を殺そうとする
「やめて!アスナさん! お父様を殺さないで!」
ソフィアの声にアスナは一瞬止まる。
そこで村長は命乞いをする。
「そうだ! 私は人間だ。なんも罪のない人間を
お前は殺せるのかまお……」
村長は次の瞬間灰になった。
「人を散々、殺してきてそれは無いだろう!」
アスナは魔王の姿から元に戻った。
戻った時は裸になりその場で倒れた。
ソフィアは衣服を再生させアスナに着させる。
「なんで……なんで殺したのよ!」
泣きながら怒るソフィアにアスナは答える。
「あの父親が生き続けるのはお前のためでないからだ。それよりも、ゼロを頼む……
ゼロが死んだら私達も多分終わりだ……」
アスナは倒れ込んだ。
ソフィアは戸惑いながらもゼロとアスナに
治癒魔法をかける。
そして彼女はこう思っていた。
(さようならお父様……)
翌朝、宿屋でゼロは手当てされた。
村人はアスナ達を恐れ、自分たちは
村長に言われやったことを話す。
お詫びとして多くの金を受け取った。
ゼロは目が覚めるとソフィアが膝枕をしていた。
「うわぁ! なんで!」
慌てて起き上がるゼロ。ソフィアが話しかける。
「おはようゼロ様。体調はいかがでしたか?」
「何でこんなことを?」
「看病してたんですよ。私を庇ってくれた傷を手当てして。私だけじゃなく、アスナさんたちも」
「俺が怖くないのか?」
「いきなり襲わなければ頼もしい勇者だと思いますよ。今後同じようなことしたら許さないけど」
その後2人は食堂で朝食を食べてるアスナたちの元へやってきた。
すると片目を隠した金髪ショートヘアーの背格好がリディアに似た少女がそこにいた。
ゼロは初対面だがアスナ以外のメンバーは皆知っていた。
あの時死体となって発見されたセラということに
ゼロがソフィアを看病してる間。宿の外で人が倒れる音がした。そこにセラが倒れていた。
リディアは急いで彼女を助けたのであった。
セラは混乱していたがゼロや村の様子をエリーゼ
から聞いて納得していた。
アスナはセラを見てこう言った
「あの後、しばらくしてよみがえったのか。
私が力を取り戻したからなのか分からないが
そういえば川にあったほかの死体は?」
「目が覚めた時、そこには何も無かったよ。
そこには何かを燃やしたあとだけがあった 」
「そんな! うぅ……」
リディアは泣く。アスナたちは証拠隠滅のため村のものが死体を焼いたのではと結論づけた。
セラは聞く。
「この村はどうなるんですか? 私たちはこれからどうすれば?」
ゼロはセラの疑問にこう答える。
「この村にはもう居れない。
俺はある目的のため君たちと共に
ある場所に行く。
セラ、君も来るんだ。
それに俺らを殺そうと頼んだやつらを
探しにも行かなければならない」
セラは考えていたがゼロと共に行くことに決めた。
「私はずっと奴隷としてリディアと共にいました。
だからリディアが行くとこなら私も行きます」
こうして新しくセラを仲間にしゼロたちは旅に出ることにした。
魔王の品物と、残った金は充分にあった。
彼らは村をあとにし、そのまま街に向かうことにした。
「なぜ街に行くんだ?」
「まずは豪邸と土地が必要だ。そこを拠点とする」
アスナの疑問に答えるゼロ。
「行くとこってそこなのか!
まずは村人に私たちを殺そうと誘ったヤツを
探すのが先では?」
「その前に家だ! 家を建てて、ソフィアと俺の愛の巣を」
すると一同は白い目で見る。
「ゼロ様!さっき言いましたよね! 次、私に何かしたら……」
「いてててて!」
ソフィアが反論したら何故かアスナに電撃が走った。
「な、なんで!」
「連帯責任」
そしてゼロは逃げる。一同は彼を追いかけて言った。
一方、村に王国の兵士と思われるものたちがいた。
「村は壊滅。勇者ゼロ追跡を続けます」