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魔法学園の異色眼(オッドアイ)  作者: 三日月ころね
6/11

Episode#4 実力や如何に

「なぁ、あれ……」

「なに、これ…すごい……」

 もみじが錬金術を使い作り出したのは、ほぼ完全な形の薔薇だった。

 ()()()()()()()

 完全ではないが、それでも16歳の実力とは思えないものであった。

「まさか…ここまでとは……」

 しかし長年錬金術の担当を務めている教師をも驚かせる実力を持ちながら、もみじは満足していなかった。

「……もう少し…花弁が外に開いてたら……完璧、だったのに」

 拗ねたように唇を尖らせ、そんなことを言い出したのだ。

「あ、朝宮さん……実力は分かりましたから、座っていてください……」

「えっ?……あ、はい……」

 不満げに自分の席へと向かう様に、ある者は呆れ、ある者は驚き、いずれも声を発することはできずにいた。


 ーーーー

「朝宮さん……すごいけどちょっと怖いよね」

「えー?私はかっこいいと思うけどなぁ」

「ねえ。華はどう思……って華!?」

「すっごいわねもみじ!あなたあんな才能を持ってたの!?」

 授業が終わり、次の用意をして席を立とうとしていたもみじのことを遠巻きに噂する者が多い中、もみじに駆け寄り話しかける者がいた。そう、華夜である。

「え……?そ、そんなこと……ないよ…多分…わたしなんかより……ずっと…せんせいの方が……」

「でもあなたもすごいじゃない!私は一応魔法と錬金術両方で受けたけれど……薔薇の形にすらならなかったわよ?」

「……じゃあ、すごいのかも」

 そう言い、クスリと笑うもみじを見て、周りの多くの人が表情を和らげる。

「朝宮さん、あんな顔できたんだ……」

「なんだろう…すっげえ可愛い」

「話しかけてみようかな……」

「あーさーみーやーさーーーん!」

「え?何……わっ!?」

 男子は顔を染め、女子はもみじのことを見直したであろうその時、後ろからもみじに向かってダイブするように近づく者がいた。

「えへへ〜、ごめんびっくりしちゃった?私ナルセ!よろしくね!」

「え、えっと……うん、よろしく……ナルセちゃん」

 同じクラスの逢魔ナルセであった。ナルセは挨拶をしながらもみじの前に回り、もみじの手を握ってブンブンと上下に振る。それに合わせてもみじの長い耳も揺れる。

「あ、ねえ華ちゃん、この後一緒にもみじちゃん連れて学校案内ツアーしない?」

「え…」

「いいわねそれ!どう?もみじ」

「うん……行こう」

 もみじは少し困り顔でそう言うと、2回目の学校案内を受けるのだった。

逢魔ナルセの情報をEpisode#0-1 舞台・人物設定に追加しました。

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