表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

前編

 気が付いたら見知らぬ場所にいた。

 どこかの小高い丘の上で、そこから下を覗くと大勢の人だかりが出来ていた。


「うわっ、すっげー……」


 集まった人たちは皆、RPGで見るような鉄の鎧を着て槍を持っていた。

 映画の撮影か? 珍しいものが見れたから、記念に撮っておこう。


 パシャ パシャ


 スマホのカメラで鎧を着た集団を撮ると、撮影の邪魔にならないようコッソリ丘を下りた。


 それにしても、ここはどこなんだ?

 丘を離れてしばらく歩くと、また別の人だかりに出くわした。


「敵の数と武器が分かれば、こちらの有利になるんだが……」


 そんな会話が聞こえてくる。

 もしかして、さっき撮った集団のことを知りたいのか?

 そうならスマホの写真を見せてやるか。


「これ、さっき撮ったんだけど参考になる?」


「おおっ! こ、これは凄い……こんな小さな板に、我々が欲しかった情報が全て映し出されているぞ!」


 どうやら喜んでもらえたみたいだ。

 ライバルの映画会社の撮影状況でも探っていたのか?

 ちょっとしたスパイ気分だな。


 それから、こっちの集団も何やら準備に取り掛かった。

 最初の集団よりも大人数を集めてきたし、持ってる槍もより長い物を用意してきた。

 そう思っていると、丘の上からスマホで撮った集団がやってきて戦闘が始まった。

 何だ、何だ? 本当の戦争なのか?


 戦いは、俺が情報を教えてやった方の陣営が勝利した。

 兵の数と武器の長さで勝るのだから当然だな。


「貴方のおかげで我々は敵に備え、勝つことが出来た。ぜひ我らの王に会ってほしい」


 王だの戦争だの、どうやら俺がいるのは現代日本じゃないぞ。

 当然、スマホの存在なんか知るはずもない。

 この世界でスマホを持っているのも、その使い方を知っているのも俺だけか。

 よし! スマホの便利な使い方をもっと教えてやるか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ