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89小節目
ルルーカレツィアは静かに語り出した。
「予言の乙女ルルカと初めてシンクロしたのは、
リリアのかわりに月神祭の舞を舞ったときです」
「あの舞は、本当に素晴らしかった…」
グラディアスが少しほんのりと頬をそめ、しみじみと
つぶやいた。
「初めて月刀を変化させ、それも、無意識に…
私が銀鈴の力を注いでおいたものに
強大な力が流れ込み、私の意識を覚醒させる引き金と
なったのです。
そして、その後彼女が昏睡状態の間、魂の記憶の共有が
進み、そして、開花の時を迎えました」
「開花?」
グラディアスが、つい、言葉をはさむ。
「ルルカ自身の浄化の力の開花です。
実は、宿り主を浄化した時点で
月刀の力は尽きていました。
その後の大規模な大地の浄化は、あの子自身の命を媒体として
行われたのです」
「では、ルルカは…」
ライガードが思わず口をはさむ。
「わかりません。でも、おそらくは…」
ガシャーン。
大きな音がして、一同が振り返ると、ハルフォードが呆然として
立ち尽くしていた。
手に持っていた茶器を取り落としたことにも気付かぬまま…




