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85小節目
「勝手に決めないで!」「勝手に決めるな!」
二人の声が同時に重なる。
まずはルルカがキレた。
「あたいが祖国に行くのは、個人的な理由からだかんね!
あんたたちのお家騒動に着込まれるのはマッピラごめんだよ!
なんだい、おとー様とおかー様の結婚を許して国内に保護しときゃ
二人は夢魔の手に落ちるなんてこと、なかったのに…
あんたらが見殺しにしたようなもんさ!
最後の最後まであんたらは」
パシン。
ほおを叩く乾いた音が、ひびく。
「おとしゃま!なんで?なんで?」
涙を流しながら抗議する愛娘に、育ての親は静かに告げた。
「お前たちを私の手元につれてきてくれたのは、
ここにいる使者殿だ。
これかどういう意味かわかるか?」




