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80小節目

「兄上、いえ、グラディアス殿下、

どうかエスファルディア行をお許し下さい」


「だめだ!」


「兄上!」


「ようやく夢魔の問題が片付き、やっと平和に暮らせるんだ!

これからお前には、私を支えてもらう。

誰がかわいい弟にみすみす危ない橋を渡らせたいと思うものか!」


「そうだそうだ!

ルルカの父親だって、ルリとの結婚を許してもらえなかつたから

駆け落ちするしかなかったんじゃねえか!

それに、刺客まで寄越しやがって!

あんなぶっそうな国に、かかわるんじゃねえ!」


グラディアスに加え、ライガードまでが猛反対する。

しかし、そこで、豊かな重低音の男性の声が割って入った。


「それは違うぞ、ライ。

刺客を放ったのは、夢魔に操られたものの仕業だ」


一同が声をした方を振り返り、思わず息を飲む。


「「「陛下…」」」


そう、そこには、この国の長が立っていたのである。

見知らぬ美丈夫の男を連れて。


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