74小節目
な、なんだこれ?
繭の中は暖かくて、ホワーンという気持ちになる心地よさがあった。
はっと我に返り、想い人の無事を確認しようとみおろせば、
いつもと違う雰囲気のルルカがいた。
いや、それはー
「お前は誰だ?」
きつい声で問いただす。
「あれ、もうバレちゃったのかしら?
さすが!だてに思い続けている訳ではないのね!」
ぱっちり目を開いて、ニッコリ笑う。
それは、ハルフォードの知るルルカとは違う、大人びた余裕の笑顔だった。
「はじめまして、ぼーや❤
この子の先祖のルルーカレツィアよ!」
「なつ!なんで…」
驚いて固まったハルフォードに、妹精霊は告げた。
「ルッカちゃんの浄化の力で、眠りから覚めてしまったの。」
「はあ?あなたはひとの王と礎として生きたのでしょう?」
フーッと精霊はため息をつき、告白する。
「そのつもりだったのだけれど、精霊は精霊。ヒトとは異なる存在。
ともに久遠の世界へ旅立てなかったの…」
「じゃあ、なんで隠していたんですか?」
呆れてハルフォードが尋ねると、ふふふ、と笑って精霊は答えた。
「だって、あんな勇ましいたんかをきって精霊界をでてきたんですもの、
出戻るなんて恥ずかしいじゃない?
それに、戻ると精霊王様の猛アタックがはじまるもの。
彼、私の好みじゃないし…
物分りのいいキャラを演じるのも、結構疲れるのよ!」
ーある意味、こちらの精霊のほうが腹黒いのかも…
と、思わず疑ってしまうハルフォードであった。




