72小節目
「ライガード、それはルルカ嬢じゃないぞ!」
後ろから声をかけられ、今まで抱擁していた相手を改めて見つめなおすとー
「げっ‼ヘタレボーズ‼
ルルカは!ルルカはどうした?
まさか、食べたのか?」
今度はガクガクと揺さぶり続け、また、魂が飛びそうになった。
「おとしゃま!!いい加減にしなよ!
ハリーがしんじゃうよ!」
見かねたルルカが止めに入る。
ーこのままいなくなれたらいいのになあ…
そしたら、ずっとルルカを高いところから
見守っていられるのに…
そんなことを考えていると、ばしんと背中をたたかれた。
「なにするんだ!このや、···兄上」
「正気に戻ったようだね、ハール。
わたしより先に久遠へ旅立とうなんて、絶対ゆるさないぞ!」
顔は笑っているが、背中から立ち上る怒気が半端なくて
何も言えずに固まってしまった。
バタン!
音のした方へ目をやると、ルルカが大の字になってひっくり返っていた。
「ルッカ!」
「ルルカ!」
「ルルカ嬢!」
三人が慌てて駆け寄ると、ルルカがお腹をキルキル言わせながら倒れたとこだった。
ハルフォードはルルカを電光石火で抱きかえると、
神殿めがけて駆け出していった。
あっけに取られた二人だったが、
すぐ我にかえり跡を追うのだった。




