インテルメッツオ9
いつの間にか、リリアの横で眠りこけていたが、
大地の異変で目が覚めた。
足元から、暖かなエネルギーが身体の隅々まで行き渡り
心が澄み切ってゆく。
瞳を閉じ、己の中に意識を向ける。
ーこの感じは…
そう、あの時の感じとおんなじ。
最愛の妹が、愛するヒトの世界を護るため、行った浄化。
いや、それよりももっとー
ふと、懐かしい気配を感じ、閉じていた瞳を開くと、
目の前に会いたくて、会いたくて、たまらなかった存在が。
ただ、それは、儚げな光だけの形がなし得るもの。
ー姉さま
ールル…
ー終わったわ!あの子は、立派に成し遂げたわ!
ールル!わたしは!
ーいいのよ、姉さま。
分かっているわ、ありがとう。
あの子を立派に導いてくれて。
もう、これで、思い残すことはないわ!
やっと
ーだめ、だめよ!
わたしは、まだ、あなたに
ふわっと、暖かいものに包まれる感じがして
耳元で囁かれた。
ーだ、い、す、き、わ、た、し、の
思わず抱き返そうとして、掲げた両手は、空をきるだけ。
朝の光の中に、かのひとの光の残滓も溶け込んで消えていった。
「ルル…」
つぶやく声も、また、朝の小鳥のさえずりの中に紛れて消えていくのだった。




