66小節目
呆然として動けなくなったハルフォードに、宿り主から黒い魔手が伸びた。
「っうぐ!」
「ハリー!!」
首が締め上げられるのと、
ルルカが叫ぶのが同時だった。
「どうして?
ハリーには、銀鈴の祝福を
与えたから、夢魔の力は退けるはずなのに!」
うろたえるルルカに対し、宿り主が冷酷に答えた。
「ダカラ、ハンニンマエダトモウシアゲタデシヨウ?
ゲットウニヤドルセイレイノチカラガムゲンニ
アルトデモオモッテイタノデスカ?」
それを聞いて、今度はルルカが真っ青になる番だった。
「うそ…力が、つきたの…「
宿り主が口をゆがめ、冷たく言い放つ。
「サア、カレヲスクイタクバ、
ゲットウヲテバナシナサイ!」
それを聞いて、ハルフォードが叫ぶ。
「俺にかまうな!!
うぐわああ!」
「ハリー!!」
さらに首を締め付けられ、たまらず叫ぶ。
涙が溢れ、月刀を持つ手が震える。
苦しい表情のもと、ハルフォードが最後の決断を促す。
「つら、ぬ、け…、ル、ルッカアアアア!!」
「うあああああー!!」
目をつぶり、月刀を水平に構えると、だっとかけだしていくー
脳裏に浮かんだのは、リーリアローズ様から告げられた一言。
ー夢魔を倒すためには、
最愛のものでさえ切り捨てる覚悟が必要。
今の腑抜けなそなたなど、できるはずもないことですけれど
違う、違う、違う!
あたいは、




