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Intermezzo8
なかなか戻らないリリアを心配して探しにでた。
白ワンコの足跡をたどる。
いた。
川の辺りの大木の根本に、白ワンコに埋もれて眠っていた。
気配に気づき、白ワンコが顔を上げる。
口に手を当て、しーっと、仕草で示す。
泣きはらした顔は、見ていて痛々しいくらいだ。
おそらく、泣き疲れて寝入ったのだろう。
「姉様のいじわる‼」
くちがキツイのは、生まれつき。
姉妹喧嘩になると、さらにきつくなった。
泣きながら去っていく妹の逃げ込む先は
決まって月光樹のもとの、我らが眷属がいる場所。
もふもふに埋もれて眠っていた。
探しに行き、その横に腰かけ、こもり詩を口ずさむ。
それが、仲直りの定番だった。
でも、あの日だけは違った。
ヒトの世界な礎になりたいと告げにきた時、
ありとあらゆるキツイ言葉を浴びせたけれど
あの子はただ黙ってじっと聞いていた。
涙1つ、流すことなくー
そっと、横に腰掛けて、いつもの詩をくちずさむ。
♫おやすみなさい、おやすみなさい…
水面に映るのは、精霊と、少女と、銀鈴の獣の姿であった。




