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Intermezzo7
「しばらく頭を整理してきます」
そう告げると、リリアは外へと静かに出ていった。
遠出から戻ったおばばから聞かされた衝撃的な事実に
正直頭がついていかなかった、
どこをどう歩いたのか、気づけば宿泊している広場からはずれた
川の辺りに来ていた。
ふと、立ち止まる。
川面に映る己の顔。
流れにゆらぎ、それは、もう一人の顔へと変わる。
「ルルカ、さ、ん」
こぼれた雫で、顔がゆがむ。
ひゆ〜ん。
川伝いに吹く風は、少し肌寒さを感じさせるものであつたが、
麻痺した己の感覚では、
それすらも感じることなどできるはずもない。
どのくらい、そこに佇んでいたのだろう…
ワォ〜ん。
振り返ると、しろわんこが後ろでおすわりをして待っていた。
だっと駆け寄り、そのもふもふにうずもれて、
声を押し殺して泣きつづけた。
空からしずくの形をした月が、そっと見守っていた。




