60小節目
そこは、歴代の王が眠る墓標が並ぶ場所から外れた場所。
何も記されていない石が置いてあるだけの、忘れ去られた場所。
その前にたたずむ青年の後ろ姿。
どこか見覚えのある、その姿は…
「っロイ!」
思わずハルフォードが声を上げる。
「ハリイ!約束守ってね!」
ルルカが念を押す。
青年は静かに立ち上がると、音もなくこちらを振り返る。
その顔に、表情は、ない。
「ヨウヤク、タドリツキマシタネ。
マチクタビレマシタヨ、オフタカタ」
異質な声で語りかける青年に、言葉が出ないハルフォードに代わり
ルルカがいつになく冷たい声で対応する。
「宿り主さん、そろそろ本当の姿、現せば!
それ、あたいにはばればれなんだけど」
「どういうことだ!」
我に返ったハルフォードガ叫ぶ。
「オヤオヤ、サスガハセイレイノミツカイドノデスネ。
ナンデモオミトオシトハ、オソレイリマス」
それに対し、ルルカの返答はそっけない。
「うるさい!さっさと本性現しやがれ!」
ふっと笑うと、青年はなだめるように語る。
「イケマセンネ、タンキハソンキデスヨ!
マダマダオサナクテイラッシャル。
ダカラ、カクセイデキナイハンニンマエナノデスヨ!
ソノアマサガイノチトリトナッテシマイマシタガネ」
「黙れ!この嘘つき野郎!」
とうとう堪忍袋の緒が切れて、ルルカが暴言を吐く。
「イイデショウ!ゴランナサイ、ワタシ丿ホントウノスガタヲ!」
暗いモヤが青年を取り巻き、やがて、そのもやがかき消えると…
「…兄…う…え」
そこには、グラディアス本人が立っていたのだった。




