63/118
59小節目
「開けるぞ!」
ハルフォードの声で、我にかえつた。
ギギキギギー。
錆びついてきしみながら扉が開く。
外は、夜のとばりが降りる少し手前の時刻らしく、
赤色のベールが紫へと染め変わる時間だ。
同時に、夢魔が目覚める時刻でもあった。
先に扉から外へ出たハルフォードは、ルルカに向かって手を差し出した。
「行こう」
「うん」
迷わず片手を差し出す。
幼いときは、いつも自分が手を差し伸べていたのに…
何も言葉を交わすことなく、二人はただ歩いていく。
そこは、歴代の王族たちが眠る王宮最奥の墓所であった。
サクサクサクサク。
二人がたてる落ち葉を踏む音だけが、あたりの静寂を破る。
やがて、ルルカの足がピタリととまり、思わずたたらを踏んてハルフォードも止まった。
振り返ると、一点を凝視しているルルカの顔が緊張しているのが見て取れた。
「いた!」
その、視線の先にはー




