52小節目
すっと膝をおり、ルルカが挨拶をする。
「ようこそ、お越しくださいました。
我が導き手、リーリアローズ様」
それに習い、マルーカ、ミスカ、ナギも膝をおって挨拶をする。
月の精霊は軽く頷いて言葉を紡ぐ。
「我がしもべは、お役に立っているのかしら?」
「はい、とても」
銀鈴狼の方をチラッとみて、一言。
「太ったこと!」
ワフワフワフフフフフ〜
「言い訳は結構!伏せ!」
その場にペチャンコになり、眼だけ主に向けると
甘えた表情をするが、ものの見事にスルーされた。
ーなかなか厳しいお方だな!
オーさまが恐れるのも分かるような気がする…
ハルフォードの心の声が聴こえたのか、月の精霊は
スッと視線を向け、にたと笑う。
「男どもは、いつの時代も役たたずね。
護衛騎士といい、お目付け役といい、
肝心な所で守りきれないのですもの…」
「なに!」 「おとしゃま!」
風の長と、ルルカの声が重なる。
「申し訳ございません。
すべては、私の不徳の致すところ。
みなには、罪はございません」
ルルカがうつむいたまま、謝罪の言葉を口にすると、
月の精霊は、冷たく言い放つ。
「そなたには、夢魔を倒す資格などないようですね。
月刀をかえしてもらいましよう。」
そう言うと、スッと片手をルルカの前に差し出した。
しかし、きっと顔をあげ、言い放つ。
「もう一度だけ、チャンスをお与え下さい‼」




