51小節目
シュッ。
剣を構え、精霊王を凝視する。
「お前は何者だ!」
その間にすっと入り、ルルカが説明する。
「おとしゃま、オーちゃんは敵じゃないよ!」
「こちらは、我が舞姫の御尊父であられるのか!」
精霊王が二人を見比べて、ぽつんと一言。
「おぬしら、源はちごうておるの…」
「だまれ!ルルカは俺の大事な娘だ!」
風の長は剣を構えたまま否定する。
「大丈夫だよ、おとしゃま!全部知ってるから」
カラーン。
剣を取り落とし、風の長は呆然としたまま固まってしまった。
落とした剣を拾い上げ、差し出しながらルルカが告白する。
「ここに来る前、おばばから全部きいた。
でも、それが何?
おとしゃまはおとしゃまだよ。
何も変わりはしないじゃないか、バカだね、ホント」
「バカよばわりはあんまりじゃないか、ルッカ。
長どのは本当にお前のことを愛しんで育てて来られたんだぞ!」
ハルフォードが思わず言葉を挟む。
まわりが少ししんみりした状態になり、黙り込んでしまったところに
思わぬひとの声がした。
「何を悠長に構えているのですか!
相変わらず危機感が足りませんね…」
一同が振り返ると、そこには美しい一人の女性が立っていた。
「出たー‼」「主様!」
精霊王としろわんこの声が重なった。
ッシュ。
ヒューーーーーーーン。
華麗な回し蹴りが決まり、精霊王が吹っ飛んで行った。
すっと姿勢をただし、華麗にお辞儀をする。
「皆様、はじめまして。リーリアローズと申します」
月の精霊、本人の登場であった。




