47小節目
グーグルグルグルグル‼
ルルカと宿り主の間に銀鈴くて大きな壁ができた。
「ワンちゃん!」
「下がって下さい!
あなたはわたしが護ります‼」
そういうなり、巨大化した銀鈴狼は宿り主にとびかかり…
「おすわり!」
宿り主の前でぴたっととまり、おすわりをした。
わつふ〜ん
不満そうな声をあげる。
そうこうしているうちに、宿り主の姿は闇の中にかき消えてなくなった。
とことことしろわんこに近づいて、背中をぽふぽふする。
「なんで止めたんですか、主様?」
宿り主が消えた方向をじっと見つめたまま、ルルカは答えた。
「ごめんね。それから、あたい、主様じゃないから…」
ワフ〜
まだ不満気なしろわんこに苦笑しながらなだめる。
「毎日ブラッシングしてあげるから、
それで堪忍ね!」
「仕方ありませんネ!それで手を打ちましょう。
耳の下のところは特に念入りにお願いしますね!」
「りよーかい!」
商談成立後、しろわんこはぱふん、と元の大きさに戻った。
そこへかけてくる靴音が聴こえ、ルルカを呼ぶ声がした。
振り返ると、ハルフォードが険しい顔をしてかけつけてきた。
「ルッカ!無事か?」
「ハリ〜!」
追いつくなり、ぎゅっと抱きしめられた。
「心配したぞ!バカ野郎‼
急に消えるな!」
「ごめ〜ん」
胸のあたりで心臓の音がドクドク聞こえる。
「ハリー」
「んっ?」
「お腹空いたあ〜」
「…」
グ〜キルキルキル
腹の虫が盛大に聴こえ、静寂を破る。
想い人からすっとはなれ、睨めつけてつぶやく。
「お前って…」
テヘペロ
腰につけていた袋をすっと差し出す。
「マルーカ殿から預かってきた!」
「ワオ❤マールおばさん!まじ最高‼」
喜々として袋の中のクッキーを頬張るルルカに
ふう〜
と、大きなため息がもれる。と、背中をポムポムされた。
「我が同士、あれはまだお子様じゃ。
恋の駆け引きなど、五百年はやいわ!
それより、クッキー、われの分はないのか?」
精霊王の間抜けな問に、また、ふ〜つと溜息が出るハルフォードなのであった。




