表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/118

40小節目

夜も更け、人びとが眠りについた頃、王宮の裏門が密やかに開かれた。

そうして、夜の闇に紛れてふたつのかげが滑り出る。


一つは、華奢で小柄。

一つは、背が高くスリム。

ちぐはぐコンビが、のんびりと歩んで行く。


今宵は満月。

この日ばかりは、夢魔は現れない。

月の精霊の力満ちる夜だから…



「あ〜あ、お店どつこも閉まってんじゃん!

夢魔が出ないんだから、

屋台くらいでててもいいじゃん!

へったへったへった、は〜らへったよお〜」


小柄なかげがブツブツ文句を言うのを、いさめるのはもう一つの影の役目だ、


「仕方ないだろう!

夢魔の被害を出さないために王都では夜間の外出は禁止されてるんだ!

それに、満月の夜は見回る必要ないのに出掛けると言い張ったのは

お前じゃないか…」


くるっと振り返り、プーっと頬膨らませて言い返す。


「ハーロード」

「ハルフォード!」

「ハールード」

「ハルフォード!」

「ハーフード」

「ハルフォード!」

「ハーラード」

「ハルフォード!」

「ハルフォード」

「ハルホー、あれ?」

「つふ、あはははは」


ニコッと笑ってスキップしながら駆け出していく。

くるりと振り返って、口だけ動かして何かを伝えようとしているのに、

月の光の影になって分からない。


そうして彼女は舞い始める。

月の光の残滓をおいかけながら、彼は願った。

このまま時が止まればいいのに、と。









彼の気持ちは、分かっているの。

それは、であったときから純粋で、真っ直ぐで、眩しいくらい。

でも、

みんなを護りたい!

だから、

今宵はあなたのためだけに舞うわ。


あ り が と う。


言の葉に出来ないけれど、この気持ち、きっと、届くからー




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ